減量期の摂取カロリー とPFCマクロ栄養素の設定方法の完全ガイド

[記事公開日]2018/04/05
[最終更新日]2018/08/19

減量期の摂取カロリー

筋肉を落とさずに体脂肪だけを効率的に落としてバキバキに絞り込むために必要な知識を全て手に入れよう。



減量を成功に導くための6つのポイント

減量期の摂取カロリー

 

減量を成功に導くには6つのポイントをしっかりと押さえて実行すれば確実に減量を成功させることができる。

巷で良く言われている「ダイエットには〇〇が良い」などという余計な試みや作戦は全く必要ない。

減量はごく単純な作業であり、これから紹介する6つのポイントを押さえておけば誰でも確実に健康的に減量を成功させることができる。

 

減量を成功させる6つのポイント

  • 筋トレの強度は必ず維持する
  • 十分量のタンパク質を摂取する
  • 急激な減量を行わない
  • 有酸素運動をし過ぎない
  • 減量期の摂取カロリーを設定する
  • 減量期のPFCバランスを設定する

 

これら6つのポイントを順番に見ていこう。


大前提:減量を成功させるには

 

減量を成功させるには、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないようカロリー設定を行わなければならない(絶対)。

つまり、食事から摂取するエネルギーよりも多くのエネルギーを消費しなければならないのである。

減量を成功させる条件 : 消費カロリー数>摂取カロリー数

 

例)1日あたりの消費カロリー数が2800 kcalの場合、摂取カロリー数は2800 kcal未満に設定しなければ体重は落ちない。

 

消費カロリー>摂取カロリーとなるように摂取カロリーを設定すると、身体は常にカロリー不足の状態となるため、足りない分のカロリーは体脂肪を燃焼することで調達される。

その結果、体脂肪が活動時のエネルギー源として使用されるようになり、体脂肪が徐々に減り始めるというわけである。

 

減量期の最大のポイント
しつこいようだが、減量期間中は消費カロリー>摂取カロリーとなるように摂取カロリーを設定することが最大のポイントとなる。

 

 

減量の最速ペースは?

減量時の摂取カロリー

 

減量のペースは速ければ速いほど良いというものではない。

前回記事<筋肉を減らさない減量の最速ペースと3つの具体的テクニック>でも紹介したように、筋肉を減らさずに体脂肪だけを減らす減量の最速ペースは週あたり体重(㎏)の0.5~1%程度とされている。

筋肉を減らさない減量の最速ペース :週あたり体重(㎏)の0.5~1%程度

 

例)体重60 kgの人の場合

1週間あたり300~600 g1ヶ月あたり1.2~2.4 kgの減量ペースが筋肉を落とさずに減量を行う最速のペースとなる。

 

これ以上のペースで急激な減量を行うと体脂肪だけでなく筋肉も同時に落ちる可能性が非常に高くなるので避けるべきである。

 

 

減量時に筋肉を落とさないようにするために

ショルダープレス

 

減量時は、筋肉が非常に落ちやすい期間でもある。

冒頭でも述べたように、減量時はエネルギー不足の状態が慢性的に続くため、維持に多くのエネルギーを必要とする筋肉は身体にとってはお荷物的な存在となる。

 

そして、この状況下で有酸素運動を行い過ぎたり、筋肉を積極的に使わない期間が長く続くと、筋力および筋肉量はすぐに減少してしまう。

減量時に筋力・筋肉量を落とさないようにする最大のコツは、減量時においても高強度トレーニングを率先して行い、筋トレの強度を維持することに尽きる。

 

筋トレの強度を高く維持することで、カロリー不足により筋肉が落ちやすい減量時であっても身体は筋肉が必要だと判断するため筋肉を維持することができる。

注意
減量期には体脂肪を燃焼させることにフォーカスし過ぎるあまり、筋トレを疎かにして有酸素運動を優先してしまいがちになるが、この選択は確実に筋力および筋肉量の減少を招いてしまうので注意が必要である。




<オススメ記事>筋肉量を減らさずに体脂肪だけを落とす減量方法5つのポイント

 

 

減量期の摂取カロリー を設定

リーンバルク の計算

 

減量時の摂取カロリーの設定はいたって簡単である。

ざっくりいうと自分のメンテナンスカロリーから500 kcalを差し引いたカロリー数を減量時の1日あたりの摂取カロリーとして設定する。

 

メンテナンスカロリー
メンテナンスカロリーとは、筋肉が減りも増えもしないいわば体重をキープするために必要なカロリー数であり、このメンテナンスカロリーにカロリーをプラスすれば体重は増え、カロリーをマイナスすれば体重は減ることになる。

 

例)増量期にはメンテナンスカロリーに250 kcalを上乗せした値を摂取カロリーとして設定し増量を行い(リーンバルク)、減量期にはメンテナンスカロリーから500 kcalを差し引いた値を摂取カロリーとして設定し減量を行う。といった具合である。

それでは実際にメンテナンスカロリーを求めてみよう。

 

メンテナンスカロリーを求める

チートデイ

 

メンテナンスカロリーは自分の基礎代謝量に運動強度依存定数Aを掛け合わせることで求められる。つまり、以下の簡単な式で表現することができる。

メンテナンスカロリー = 基礎代謝量 × 運動強度依存定数A

 

そして、メンテナンスカロリーを求めるには自分の基礎代謝量を知る必要がある(難しくないのでご心配なく)。

基礎代謝量とは1日中動きもせず、ただじっとしているだけでも生命活動の維持に必要となるカロリー数のことである。

 

自分の基礎代謝量を求めるには、以下の式(ハリスベネディクト方程式)に自分の体重、身長、年齢を入力すればすぐに求められる。計算が面倒な方はこちらのサイトで自動で基礎代謝量を計算してくれるのでぜひ利用してもらいたい。

ハリスベネディクト方程式
基礎代謝量=13.4×体重(kg)+4.8×身長(cm)-5.68×年齢+88.4

 

例)体重70 kg、身長175cm、年齢26歳の場合

基礎代謝量=13.4×70(kg)+4.8×175(cm)-5.68×27+88.4=1719 kcalとなる。

 

そして、自分の基礎代謝量が求め終わったら、次は個々の活動レベルに応じて運動強度依存定数Aを決定する。

運動強度依存定数Aは以下の通り。

運動強度依存定数A

オフィスワークを主とし普段運動をほぼ行わない者
1.2

軽強度の筋トレもしくはスポーツを週に1~3回程度する者
1.375

中強度の筋トレもしくはスポーツを週に3~5回程度する者
1.55

高強度の筋トレもしくはスポーツを週に6~7回程度する者
1.725

高強度の筋トレもしくはスポーツを毎日行いかつ肉体労働に従事しているまたは、1日2回の筋トレを行う者
1.9

 

大抵の人は、1.55、あるいは1.725のいずれかの場合に当てはまる。筋トレを週に1~4回程度行う人は1.55を、週に5回以上行う人は1.725を選択しておくと良い。

 

そして、ようやく全ての準備が整った。

これまでに求めた、基礎代謝量と運動強度依存定数Aを掛け算してほしい。

その値がメンテナンスカロリーとなる。

メンテナンスカロリー = 基礎代謝量 × 運動強度依存定数A

 

ここまで来たら全て終わったも同然である。

減量時の摂取カロリー数は、メンテナンスカロリーから500 kcalを差し引いた値であった。

減量時の摂取カロリー数 =メンテナンスカロリー-500 kcal

 

例)メンテナンスカロリーが2800 kcalの場合

減量時の摂取カロリー数は2800 kcal-500 kcal=2300 kcalとなる。

 

余談

ここで、鋭い人はなぜメンテナンスカロリーから500 kcal引いた値が減量時の摂取カロリーとなるのかと疑問に思われるかもしれない。

メンテナンスカロリーよりも500 kcal少ないカロリーを摂取することで、1週間あたり500(kcal)×7(日)=3500 kcalのカロリー不足が生じ、このカロリー不足分が体脂肪から捻出され、体脂肪が減るという計算である。

体脂肪は1 gあたり約7.2 kcalなので、3500kcal分の体脂肪を質量換算すると3500÷7.2≒500 g(500 gの体脂肪)となる。

つまり、週あたり約500 gの体脂肪が減少する計算になるのである。

 

そして、ついに減量時の摂取カロリーを求めることができた。

減量期間中は、この摂取カロリーに準じた食事管理を徹底して行うことで、体重×0.5~1%の減量ペースで効率的に減量を行うことができる。

 

 

摂取カロリー数を微調整する

 

減量が計画通りに進んでいるかを客観的に判断するには、1日1回、できれば同じ時間帯に体重計で体重を測定し、記録をつけることをお勧めする。

そして、週あたりの減量ペースが体重×0.5~1%の範囲を大きくはみ出ないペースで減量が進んでいることを確認しよう。

 

万が一体重が思うように減っていない場合

現在の摂取カロリーから、さらに100~200 kcalを差し引いたカロリー数を新たな減量時の摂取カロリーとして設定し、翌週に体重が上記ペースで落ちているか再度様子を見る。

 

ところが実際、日々の体重変動を追跡し続けるのはかなり面倒だし、煩わしい。

そこでおすすめなのが、体重計にほんの数秒乗るだけで体重・体脂肪率のデータを自動的に記録し Bluetooth/Wi-Fi経由でスマホに自動同期してくれるWithingsのスマート体重計である。

 

以前は体重追跡をノートに記録していたのだが、ノートにいちいち記録する手間が非常に煩わしいのと、一目で体重が変化しているかどうかが分からないという理由でこのスマート体重計を購入した。

 

それ以来、ノートにいちいち記録する手間を省くことができ、なおかつ体重の増減が一目ではっきりと分かるようになったため今はストレスフリーで非常に快適な生活を送れている。

筋肥大と体重増加の関係グラフ

 

減量期の体重追跡だけでなく、増量期においても筋肉量が着実に増加しているかを見極めるために体重追跡は非常に重要なので、スマート体重計を使ったことのない人は是非試してみてほしい。

なお、減量が停滞した場合の摂取カロリーの調整方法について詳しく知りたい方は、以下の関連記事を参考にして下さい。



減量期のPFCバランスを設定する

 

減量期の摂取カロリーを求め終わったら、次は減量期のPFCバランスを設定しよう。

減量時に筋肉量を維持したまま効率的に脂肪を燃焼していくための理想的なP(タンパク質)、F(脂質)、C(炭水化物)のバランスは以下のようになる。

 

  • P(タンパク質):体重(kg)×2~3g
  • F(脂質):総摂取カロリーの20~25%
  • C(炭水化物):残りのカロリー

 

このPFCバランスを基にして、タンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)それぞれの摂取量を決定していく。

 

タンパク質(P)について

 

タンパク質は体重(kg)×2~3 gを摂取する。

 

減量時はカロリーが慢性的に不足した状況となるため、筋肉量の維持およびトレーニングによる損傷による回復力が増量期よりも低下した状態となる。

したがって、減量時には十分量のタンパク質を確保することを最優先しなければならない。

ここからは体重80kg(減量時の摂取カロリーが2300 kcal)の人の場合を例にして実際に計算を行っていこう。

 

例)体重(kg)×3 gのタンパク質を摂取する場合、タンパク質の摂取量(g)は(80×3=)240 gとなる。つまり、1日あたりのタンパク質の摂取量は240 gとなる。

また、タンパク質1 gあたりのカロリーが4 kcalであることを考慮すると、240 gのタンパク質はカロリー換算で(240×4=)960 kcalとなる。

 

 

脂質(F)について

 

脂質(F)は摂取カロリーの20~25%分を摂取する。

 

減量時においてもある程度(総カロリーの20~25%)の脂肪の摂取量を確保することで、ホルモンバランスを良好に保ち、空腹感をあまり感じないようする効果が期待できる。

 

例)摂取カロリーの25%を脂質から摂取することにしよう。この場合、(2300 kcal×0.25=)575 kcalのカロリーを脂肪から摂取することになる。

脂肪1 gあたりのカロリーが9 kcalであることを考慮すると、575 kcal分の脂肪は(575÷9=)64 gとなる。

つまり、1日あたりの脂質の摂取量は64 gとなる。

 

炭水化物(C)について

炭水化物

 

残りのカロリー分を炭水化物から摂取する。

 

減量期であっても高強度にトレーニングを行う必要があるトレーニーは、炭水化物も適切量摂取する必要がある。そうすることで、減量時であってもエネルギーレベルを可能な限り高く維持し、不必要に疲労感を感じずに済む。

 

例)これまでのところで、タンパク質(P)および脂質(F)から摂取すべきカロリー数はすでに計算済みである。

タンパク質から960 kcal、そして脂質から575 kcalである。そして、これらのカロリー数を摂取カロリーから引いた残りのカロリーが炭水化物から摂取すべきカロリー数となる。

つまり、炭水化物から摂取するカロリーは(2300-960-575=)765 kcalとなる。

炭水化物1 gあたりのカロリーが4 kcalであることを考慮すると、765 kcal分の炭水化物は質量換算で(765÷4=)190 gとなる。

 

これで減量時のPFCバランスを全て求めることができた。以下の表にまとめてみる。

 

体重80kg(摂取カロリー:2300 kcal)の場合のPFCバランス

  • タンパク質:240 g(960 kcal)
  • 脂質:64 g(=575 kcal)
  • 炭水化物:190 g(=765 kcal)

 

そして、このPFCバランスを目安にしながら食事管理を行うことが減量を成功させるカギとなる。

 

 

減量期の摂取カロリー とPFCバランスのまとめ

体脂肪

 

これまでに紹介した6つのポイントを守りながら減量に取り組めば、1日あたり500 kcalのマイナスとなるので、週あたり500 g、月あたり2 kgずつ体重が減っていく。

また、減量のペースを加速させたい場合には、メンテナンスカロリーからマイナスするカロリー数を少しずつ増やしていけば良い。

この時くれぐれも、週あたりの減量ペースが体重の1%を大きく上回らないように気を付けよう。

減量期間が長期にわたると、次第に減量ペースが次第に鈍化することが多々ある。

HIIT

 

万が一、1~2週間にわたり体重に変化が見られなかった場合は、週3~4回を限度に1回につき1時間以内の有酸素運動を行うか、炭水化物または脂質から100~200 kcal分のカロリーを減らして様子を見てみよう。

減量期における正しい有酸素運動の仕方については以下の記事を参考にして頂きたい。

 

現在、私も減量中ですので、その結果報告は改めてしたいと思います。

この記事の執筆から2ヵ月が経過したので、参考までに私の減量記録(2ヵ月)を写真で紹介します。

今回紹介した方法を実践すれば、有酸素運動を一切行うことなく体脂肪率を10%まで下げることは容易である(体脂肪率を5~8%台にまで下げたい場合には、体脂肪率が10%台に達したあたりから有酸素運動の導入が必要となる場合が多い)。

 

減量期の摂取カロリー

 

是非参考にして頂けると幸いです。