デカい肩 を手に入れるにはミリタリープレスかダンベルショルダープレスか|その違いとは

[記事公開日]2018/06/22
[最終更新日]2019/11/10

デカい肩

 

丸々とした デカい肩 は、幅広い逆三角形のフィジークを作り上げる上で必要不可欠であり、フィジーク全体の印象を大きく左右する重要な要素である。



デカい肩

 

特に、コンパウンド種目に属するミリタリープレスダンベルショルダープレスアップライトロウは肩(三角筋)のサイズアップにおいて決して欠くことのできない重要種目である。

そして、「肩の成長を最も引き出すベスト種目はミリタリープレスなのか?それともダンベルショルダープレスなのか」という熱い議論がしばしば交わされている。

 

また、この議論の決着をさらに難しくしているのが、これらの種目をスタンディング(立って)で行うか、あるいはシーテッド(座って)で行うかのバリエーションの豊富さである。

デカい肩

 

このようなポジションの違いにより、ターゲットとなる筋肉群、1 RMの記録(使用ウエイト重量)、あるいはターゲット部位への活性度に大きな違いが生まれることが研究により明らかとなっている[1]。

 

そこで今回は、肩の成長をもっとも効率的に引き出すことのできる種目はミリタリープレスなのか、それともダンベルショルダーなのか、そしてスタンディングで行うべきなのか、シーテッドで行うべきなのかを文献データ[1~2]を基にして徹底解説します。

 

それでは早速、三角筋を強く活性化させることのできる種目・ポジションを、部位別(前部・側部・後部)に見ていくことにしよう。
 

 

三角筋前部について

解剖学三角筋



デカい肩

 

三角筋前部の活性度を示した上図を見ると、スタンディング・ダンベルショルダープレスが三角筋前部を最も強く活性化させられる種目であることが分かる。

活性化度合いの順番

  1. スタンディング・ダンベルショルダープレス
  2. シーテッド・ダンベルショルダープレス
  3. スタンディング・ミリタリープレス
  4. シーテッド・ミリタリープレス

 

このように三角筋前部に強い刺激を送り込むことのできる種目は(スタンディング・シーティッド)ダンベルショルダープレスであることが分かる。

 

 

三角筋側部について

デカい肩

 

上図を見ると、三角筋側部を最も強く刺激できる種目はスタンディング・ダンベルショルダープレスであることが分かる。

活性化度合いの順番

  1. スタンディング・ダンベルショルダープレス
  2. スタンディング・ミリタリープレス
  3. シーテッド・ダンベルショルダープレス
  4. シーテッド・ミリタリープレス

 

このように、三角筋前部および側部を最も効果的に刺激できる種目はいずれの場合もスタンディング・ダンベルショルダープレスであることが分かった。

 

 

三角筋後部について

デカい肩

 

三角筋後部については上図から面白い傾向を読み取ることができる。

それは、ミリタリープレス、あるいはダンベルショルダープレスを行うことで得られる三角筋後部の活性度合いは互いに同程度であるが(ここは面白くない)、その活性度合い(縦軸の値:0.3~0.4)は、三角筋前部(1.0~1.2)・側部(0.5~0.6)の活性度に比べて極端に低いことである。

 

<三角筋を科学的アプローチで徹底的に鍛え上げる筋トレ方法とトレーニング種目>でも紹介したように、実はダンベルショルダープレスやミリタリープレスといったプレス系種目は主として三角筋前部に刺激が入るため、プレス系種目で三角筋後部・側部を十分に刺激することはできないのである。

 

デカい肩



事実、2013年に発表された別途研究[2]においても、ショルダープレス(スミス)を行った際、三角筋前部の活性度が70%であったのに対し、三角筋側部の活性度は僅か20%であることが分かっている。

 

サイドレイズ

 

つまり、冒頭でも取り上げた「丸々としたデカい肩・幅広い逆三角形のフィジーク」を手に入れるには、三角筋側部によりアイソレートしたレイズ系種目を取り入れる必要があるのである。

 

 

ミリタリープレスかダンベルショルダープレスか

デカい肩

 

ミリタリープレスを行うべきか、それともダンベルショルダープレスを行うべきかはトレーニングの目的によって決定することができる。

 

三角筋前部にアイソレートさせたい場合

三角筋

 

これまでに紹介したの結果を考慮すると、三角筋(特に前部)によりアイソレートさせてトレーニングを行いたい場合は、積極的にダンベルショルダープレスを取り入れると良いだろう。

ダンベルを使用することで、バーベル使用時よりも可動域を大きくとることができるためトップポジション付近でターゲット部位をしっかりと収縮させることできるようになる。

また、ダンベルを使用する場合、不安定なダンベルを個別にコントロールする必要があるため、体がダンベルをスタビライズ(安定)させて挙上しようとする際により多くのモーターユニット(筋線維)が動作に関与するため、結果として三角筋を強く活性化させることができるのである。

 

 

スタンディング・ダンベルショルダープレスのすすめ

ワキ毛

 

普段、シーテッド・ダンベルショルダープレスに慣れきっている人は、一度スタンディング・ダンベルショルダープレスを試してみると良い。

シーテッド・ダンベルショルダープレスは通常、両足を肩幅程度に広げて着地させ、背中をベンチの背もたれで固定して体幹を安定化させて動作を行うが、スタンディング・ショルダープレスは上記説明にあるように、体全体をスタビライズさせて動作を行わなければならないため、結果としてより多くのモーターユニットを動員できる(つまり、より多くの筋線維を動作に関与させることができる)。

もちろん、スタンディングポジションで行う場合、シーテッドポジションで行う場合よりも不安定になるため、扱えるウエイト重量は低下するが、8~12 RMのウエイトを使用すれば肩に強烈な刺激が入っていることが実感できるはずである。

ダンベル

 

また、旅行先のホテル等の簡易的なジムでトレーニングを行う際、十分な重量のダンベルが用意されていない場合も多い。そういった場合は、スタンディング・ダンベルショルダープレスを行うことで軽いウエイト重量でも肩に効かせることができる。

 

 

スタンディング・ダンベルショルダープレスを行うメリット

  • スタンディング+ダンベルの組み合わせは最も多くの筋線維を動員できる
  • 軽いウエイト重量でも効果的に肩をアプローチできる
  • 中負荷を扱うため筋肥大トレーニングにより適している

 

 

より多くの筋肉を一度に鍛えたい場合

筋肥大トレーニング

 

同研究報告によると、ミリタリープレスを行う場合、ダンベルショルダープレスを行う場合に比べて、より高重量のウエイトを扱えることが明らかとなった。

それだけでなく、ミリタリープレスプレスの動作時は、ダンベルショルダープレス動作時に比べ、上腕三頭筋(最大で39%増加)・上腕二頭筋(最大で33%増加)が高い割合で関与することが分かった。

 

つまり、肩だけでなく、上腕二頭筋や上腕三頭筋といった補助筋群にも比較的強い刺激が入るため、限られた時間の中で出来るだけ効率的に多くの筋肉群を鍛えたい場合はミリタリープレスを取り入れると良いだろう。

逆に、肩にアイソレートして集中的に鍛えたい場合はショルダープレスを取り入れると良いだろう。

スタンディング・ミリタリープレスを行うメリット

  • 限られた時間でより多くの筋肉群を効果的に鍛えることができる
  • ショルダープレスよりも高重量を扱うことができる
  • 高重量を扱えるので最大筋力向上に適している

 

 

デカい肩 を手に入れるトレーニングプログラムの組み方

ディロード の頻度

 

通常、ミリタリープレスとダンベルショルダープレスは両種目とも同じような種目として処理されることも多いが、これまでに紹介したように両種目にはしっかりと違いがある。

ゆえに両種目が持つそれぞれのメリットを享受するために、例えば肩を週に2回(例:水曜日と土曜日)鍛える場合、水曜日には最大筋力向上をメインターゲットとしてミリタリープレスを行い、土曜日には筋肥大をメインターゲットとするダンベルショルダープレスを行う、といったようにトレーニングをピリオタイズすることで最大筋力の向上と筋肥大を効率的に加速させることができるはずである。



 

参考文献

[1]Cíntia Ehlers Botton,et al (2013) EFFECTS OF BODY POSITION AND LOADING MODALITY ON MUSCLE ACTIVITY AND STRENGTH IN SHOULDER PRESSES

[2] Cíntia Ehlers Botton et al. (2013). ELECTROMYOGRAPHICAL ANALYSIS OF THE DELTOID BETWEEN DIFFERENT STRENGTH TRAINING EXERCISES