こんにちは。オーストラリアを拠点にパーソナルトレーナーとして活動しているワークアウトサイエンスです。
本記事では、全身の各筋肉部位を鍛えるのに2つしか種目を選択できないとしたら、どの種目が筋肥大に最も大きな影響を与える最重要種目なのか?ということを真剣に考え、そしてその理由も合わせて紹介します。
言うなれば、各筋肉部位のベスト2種目を決めようというのが本記事の趣旨です。
しかしながら私自身、事務(ジム)作業やその他の理由により自分自身のトレーニングに十分な時間を割くことが難しい状況が多々発生する。
そのような限られた時間であってもトレーニングを可能な限り充実させるために、優先的にトレーニングメニューに取り入れたいベスト種目をこれから順番に紹介しよう。
コンテンツ
各部位の おすすめ筋トレ種目 ベスト2は?
これらのベストな種目は、時間がない時だけに限らず、毎度のトレーニングに必ずと言って良いほど取り入れたい重要種目たちである。
大胸筋
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- ベンチプレス
- ダンベルプレス
ベンチプレスとダンベルプレスの基本的な動作はどちらも似ているがそれぞれに長所と短所がある。
ベンチプレス
まずベンチプレスの最大の利点は何と言っても高重量のウエイトを扱える点にある。
筋力アップと筋肥大の両方を効率的に狙うには、より高重量を扱えるバーベルベンチプレスをトレーニングの第一種目に取り入れて大胸筋全体に大きな刺激を与えるのが望ましい。
とはいうものの、バーベルベンチプレスには可動域が制限されるという難点がある。しかし、パーシャルレップや(トレーニングパートナーを利用して)フォーストレップなどのテクニックを導入することでトレーニングボリュームを確保することができるため、可動域が狭いという難点をカバーすることができる。
トレーニングパートナーと一緒にトレーニングを行うこと筋肥大へのメリットはトレーニングパートナーの存在はトレーニング強度およびボリュームを増大させる効果があるのページをご覧頂きたい。
ダンベルプレス
ダンベルプレスには可動域制限が無いため、全可動域を使って大胸筋にアプローチできるという長所がある。
このように、大胸筋を効率的に発達させるにはベンチプレスとダンベルプレスをうまく組み合わせてそれぞれの種目が持つ強みを享受することがキーポイントとなる。
➡<参考>大胸筋を科学的アプローチで効率的に鍛え上げるトレーニング種目と方法パーフェクトガイド
広背筋
- ベントオーバーバーベルローイング
- ラットプルダウン
ベントオーバーバーベルローイング(背中に厚みを付ける)
コンパウンド種目であるベントオーバーローイングが優れている点はそのバリエーションの豊富さにある。
グリップ幅を肩幅程度に設定し、腰の角度を深く倒した状態(45度以上)で動作を行うと広背筋上部に刺激が加わり、グリップ幅を狭く設定し腰の角度を45度程度に固定して動作を行うと広背筋下部に刺激を加えることができる。
ラットプルダウン(背中の幅をつくる)
ラットプルダウンは背中の幅を作り上げるのに必須のトレーニング種目である。胸をしっかりと張り、肩甲骨を寄せるようにして動作を行うようにする。
背中に厚みを付けるベントオーバーローイングと幅を持たせるラットプルダウンがあれば、グリップ幅やアタッチメントを変えることで四方八方から背中に刺激を入れることができる。絶対に外せない2種目である。
僧帽筋
- バーベルシュラッグ
- (マシン)リバースフライ
僧帽筋全体にアプローチを図るには僧帽筋上部と僧帽筋中部・下部に分けてそれぞれにアプローチを行うのが最も合理的である。
バーベルシュラッグは僧帽筋上部をターゲットとする種目、リバースフライは僧帽筋中部・下部をターゲットとした種目である。
リバースフライは通常、リアデルトの種目として取り入れられることが多いがリアデルトのトレーニング時よりもシートの高さを少し上げ、大胸筋を大きくストレッチさせるようにして僧帽筋中部・下部をしっかりと意識しながら肩甲骨を互いに引き寄せるようにして動作を行えば僧帽筋中部・下部に強い刺激が加わるようになる。
このとき三角筋後部に刺激が逃げてしまわないように注意する必要がある。
上腕二頭筋
- ストレートバー・バーベルカール
- ケーブルカール
スタンディングバーベルカールは、上腕二頭筋のトレーニングにおいて最も高重量のウエイトを扱える種目の一つである。
ポイントは5レップスできるかどうかの高重量のバーベルを使用し、ポジティブ動作時はスポッタの力を借りウエイトを挙上させ、ネガティブ動作時に目いっぱい重力に逆らうようにしてゆっくりとウエイトを降ろすようにすることで、強烈な刺激をターゲット部位に与えることができる。
高重量のウエイトを扱った後は、8~15レップスほど反復できるウエイトを使用してケーブルカールを行い(通常の筋肥大トレーニング)、ターゲット部位を徹底的に追い込みパンプアップさせて筋肥大を誘発させよう。
この際、最終セットにドロップセットを取り入れるとさらに筋肉の成長を引き出すことができる。
➡<参考>上腕のサイズアップに悩んでいるなら高レップ(20 RM)トレーニングを取り入れてみよう
上腕三頭筋
- クローズグリップベンチプレス
- ベントオーバートライセプスエクステンション
クローズグリップベンチプレスは上腕三頭筋に圧倒的な負荷をかけられる最重要種目のひとつである。
ケーブル等を使用するアイソレーション種目を行う前にクロースグリップベンチプレスをまず行い三頭筋全体のサイズアップを狙う。
アイソレーション種目であるベントオーバートライセプスエクステンションのメリットは、胴体がシートに固定されるため、通常のトライセプスエクステンションとは異なり、他の筋肉部位の関与を極力低減させることができ、結果としてターゲット部位にピンポイントで刺激を送り込むことができる点にある。行ってみれば上腕三頭筋が焼けつくような感覚になるはずである。
三角筋
- ダンベルショルダープレス
- ケーブルサイドレイズ
まずは三角筋に関する非常に興味深いデータをひとつ紹介しよう。
研究によるデータ
複数の現役ボディビルダーの三角筋の発達度合いを調査した結果によると、三角筋前部の発達度合いは一般人に比べて約5倍、三角筋側部においては約3倍、後部においてはたったの1.1~1.15倍であることが判明した。
➡つまり、三角筋のサイズアップのポテンシャルを有する部位は三角筋側部と後部である。
とりわけ三角筋側部は逆三角形の輪郭を決定づける重要なパーツなので三角筋側部により重点を当てた種目を選択するのが三角筋全体のサイズアップに効果的であると考えられる。
詳細は三角筋を科学的アプローチで徹底的に鍛える筋トレ種目とトレーニング種目にて紹介しているが三角筋側部をより効果的に鍛えられる種目として挙げられるのがダンベルショルダープレスとケーブルサイドレイズである。
ケーブルサイドレイズはダンベルを用いたトレーニング方法とは異なり、全可動域にわたりウエイトの負荷がターゲット部位から抜けることが無いため筋肉の緊張状態を解くことなく強烈な刺激を生み出すことができる。
➡<参考>筋肉の緊張持続時間を長く取ると筋肥大はさらに加速する
腹筋
- ハンギングレッグレイズ
- ケーブルクランチ
腹直筋下部を主たるターゲットとするハンギングレッグと腹直筋上部をターゲットとするケーブルクランチを行うことで、腹筋ほぼ全体を高強度に鍛えることができる。
ハンギングレッグについては、そのバリエーション種目であるハンギングレッグレイズツイストを行うことで腹斜筋にも強い刺激を加えることができる。
ボコボコとした腹筋を手に入れたい場合は、十分な強度で腹筋トレーニングを行い、週3~4回を目安にすると良い。
➡<参考>【理論で攻める】腹筋の筋肥大トレーニング種目とメニュー
脚
- バーベルスクワット
- レッグプレス
スクワットはBIG3のひとつであることからも分かるように下半身のトレーニング種目において絶対に外すことのできない超重要種目である。
スクワットは大腿四頭筋やハムストリングスだけでなく大殿筋、腹筋、そして全身の筋肉に刺激が加わるため下半身の強化に不可欠なのはもちろんのこと、上半身の発達にも大きく貢献する種目であるため例え脚の日(Legs Day)が辛くてもスキップしないようにしよう。
レッグプレスもスクワットと同じように下半身を強化する種目であるが、大きな違いは何と言ってもレッグプレスはシートに横たわって動作を行うため、下半身により特化してトレーニングを行えるというメリットがある。
また、フットプレートにのせる足の位置によりターゲット部位を変えることができる。
- プレートの上方に足を乗せる場合:ハムストリングおよび大殿筋
- プレートの下方に足を乗せる場合:大腿四頭筋
おすすめ筋トレ種目 のまとめ
上記種目は、日々のトレーニングメニューに必ずといって良い程取り入れたい重要な種目たちである。グリップ幅、ベンチ角度、セット数、レップ数等あらゆる要素に変化を加えることで同じ種目であっても全く異なる刺激を作り出すことができる。身体が予測不可能な刺激の入れ方を研究して、筋肥大をさらに引き出していこう。