誰もが憧れる鍛え上げられた上腕、力こぶ(上腕二頭筋・上腕三頭筋)。
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ナチュラルで到達できる上腕サイズは?
ナチュラルで到達できる上腕サイズについては、ボディビルを行う者の間でも熱く議論が交わされるトピックであり、上腕サイズがボディメイクにおいていかに重要な要素であるかが伺える。
事実、ナチュラルで上腕サイズ(腕回り)45 cmに到達できる人ははほんの一握りである。
例えば、体脂肪率が30%に達するような極端な場合であれば、体脂肪(皮下脂肪)の分だけ上腕が太くなり、上腕サイズが45 cmを超える場合も大いに考えられるが、体脂肪率を低く維持したままナチュラルで上腕サイズ45 ㎝を達成するのは決して楽な道のりではない。
ナチュラルで到達できる上腕サイズの上限値(目安値)を計算してみよう
これから紹介する上腕サイズの限界値は、各個人における上腕サイズの絶対的な限界値を示している訳ではなく、あくまでもデータにより導き出した限界”目安値”として捉えていただきたい。
それでは早速、上腕サイズの限界目安値を求めてみよう!
上腕サイズ の限界目安値の求め方
1.まずは手首の周囲(cm)を計測する
手首の周囲を計測するときは、手首にあるボコッとした骨(尺骨:しゃっこつ)上を計測するのではなく、尺骨と手のひらの間の手首の周囲が最も小さくなる部分の長さを計測する(上写真)。
2.次に25.4を足す
1.で求めた数値に25.4を足そう。
3.体脂肪率に応じた調整値を加える
次に、自身の体脂肪率に応じて次の調整値を加える。
体脂肪率15%:何もしない
体脂肪率20%:1.27を足す
体脂肪率25%:2.54を足す
体脂肪率30%:3.81を足す
というのも、体脂肪量(率)が増えるにつれて(脂肪で)上腕サイズも増加するので、個々の体脂肪率に応じた調整値を加えることによって、より正確な上腕サイズの限界目安値を知ることができるのである。
計算例
手首の周囲が18 ㎝、体脂肪率が20%の人の場合を例にとって実際に計算をしてみよう。
=18 + 25.4 + 1.27 = 44.67 cmとなる。
このように、ナチュラルで到達できる上腕サイズの限界目安値は44.67 cmという結果が得られた。
もちろん、この上腕サイズ限界目安値は、必ずしも個人の限界値を厳密に定めるものではなく、継続的なトレーニングや適切な栄養管理・休養により、この値を超えられる可能性はある。
なお、忙しい人のために上腕サイズの限界目安値の早見表を作成したので、自身の上腕サイズの限界目安値を是非調べて、目標設定に役立てていただければと思う。
上腕サイズ 限界目安値の早見表
手首(㎝) | 体脂肪率15% | 20% | 25% | 30% |
---|---|---|---|---|
15.748 | 41.148 | 42.418 | 43.688 | 44.958 |
16.002 | 41.402 | 42.672 | 43.942 | 45.212 |
16.256 | 41.656 | 42.926 | 44.196 | 45.466 |
16.51 | 41.91 | 43.18 | 44.45 | 45.72 |
16.764 | 42.164 | 43.434 | 44.704 | 45.974 |
17.018 | 42.418 | 43.688 | 44.958 | 46.228 |
17.272 | 42.672 | 43.942 | 45.212 | 46.482 |
17.526 | 42.926 | 44.196 | 45.466 | 46.736 |
17.78 | 43.18 | 44.45 | 45.72 | 46.99 |
18.034 | 43.434 | 44.704 | 45.974 | 47.244 |
18.288 | 43.688 | 44.958 | 46.228 | 47.498 |
18.542 | 43.942 | 45.212 | 46.482 | 47.752 |
18.796 | 44.196 | 45.466 | 46.736 | 48.006 |
19.05 | 44.45 | 45.72 | 46.99 | 48.26 |
19.304 | 44.704 | 45.974 | 47.244 | 48.514 |
19.558 | 44.958 | 46.228 | 47.498 | 48.768 |
19.812 | 45.212 | 46.482 | 47.752 | 49.022 |
20.066 | 45.466 | 46.736 | 48.006 | 49.276 |
20.32 | 45.72 | 46.99 | 48.26 | 49.53 |
20.574 | 45.974 | 47.244 | 48.514 | 49.784 |
いかがだっただろうか。
今現在の上腕サイズが既に上で求めた上腕サイズ限界目安値を超えている場合は、かなりのトレーニング上級者と言えるだろう。
また、今現在の上腕サイズが上腕サイズ限界目安値よりも小さい場合は、この値を目標値として設定して上腕トレーニングのモチベーション向上に活かしていただきたい。
つまり、コンテストのステージ上で45 ㎝を超える上腕を準備できるボディビルダーは非常にまれなのだ。
なぜ45 ㎝を超える上腕はレアなのか
たとえば、45 ㎝を超える上腕の持ち主は身長が非常に高かったり、骨太の骨格の持ち主であることが多い。
あるいは、先ほども述べたように体脂肪率が30%を超えているケースも多かったりする。
事実、私が減量で体脂肪率を18%から10%程度にまで落としたとき、上腕サイズもそれに合わせていくらかサイズダウンした。これは上腕を覆う脂肪が落ちたことによるものである(減量による多少の筋肉量の減少もあるかもしれない)。
ちなみにアーノルドシュワルツェネッガーのピーク時の上腕サイズは55~56 ㎝程度であったと言われている。
現在では、上腕サイズが45 cmを超えるボディビルダーやフィットネスモデルは数多く登場するようになったが、これは一昔前よりも筋肉増強剤(ステ)が広く使用されるようになったためであると考えられる。
上腕のサイズアップが難しいワケ
トレーニングの継続年数が長くなり、上腕が大きく成長すればするほど、上腕のさらなるサイズアップは難しくなる。
これにはちゃんとした理由がある。
上腕が完全な円柱だと仮定し、中学数学を適用すると分かりやすい。
つまり、同じ速度で筋肉量を増大させたとしても、上腕サイズが大きくなるにつれて、上腕サイズの増大速度は次第に鈍化するのである。
上図を見ると、上腕サイズを38 cmから40 cmにサイズアップさせる場合、筋肉量は110(相対値)必要となるが、上腕サイズを43㎝から45 cmにサイズアップさせようとする場合、筋肉量は170(相対値)必要となる。
つまり、上腕サイズが増大するにつれて、次の1㎝のサイズアップが次第に困難になってくるのである。
さらにトレーニングの継続年数が増えるにつれて一定期間あたりに増やすことのできる筋肉量は減少していくという事実が、上腕のサイズアップをさらに難しくするのである。
ナチュラルで到達できる上腕サイズのまとめ
今回は、ナチュラルで到達できる上腕サイズの限界目安値について紹介しました。
冒頭でも紹介したように、上腕サイズの限界目安値を大まかに把握しておくだけでも自分自身の今現在の立ち位置を客観的に判断し、モチベーションの向上にも繋げられるはずである。
「上腕サイズの限界目安値をいとも簡単に超えてやる!」というくらいの強い気持ちで明日からのトレーニングに全力を尽くしてみよう!
なお、腕の周囲は一人では非常に測りにくいので、周囲測定テープを使用すれば一人でも楽に腕周りのサイズを測ることができます。
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