減量の停滞期 (プラトー)を乗り越え、体重減少を加速させる具体的方法

[記事公開日]2018/08/19

減量の停滞期

 

ボディビル大会に向けて減量を行う人、ビーチに似合う体を手に入れるために減量を行う人、減量を行う理由は人それぞれだが、減量を行うほとんどの人が経験するのが、減量中にも関わらず体重が全くと言っていいほど減らなくなる“減量の停滞期(プラトー)”

体重計

 

この時、減量の停滞期を乗り越えるためのほんの少しのポイントを押さえておくだけで、ほぼ全ての人が停滞期を難なく乗り越えることができる。

しかし、この減量の停滞期を間違った方法で乗り越えようとすると、減量期間中に筋力・筋量を大きく落としてしまったり、減量自体が失敗に終わる可能性が非常に高くなる。

本記事では、多くのボディビルダーが実際に取り入れている減量の停滞期を正しく乗り越える具体的な方法を徹底的に詳しく解説します。



減量期の摂取カロリーの設定方法に関しては以下の関連記事をご覧ください。




減量の停滞期 (プラトー)とは?

減量の停滞期

 

減量を行うほぼ全ての人が経験する減量の停滞期、プラトー

この停滞期は、減量によるカロリー不足環境が長く続いた場合に、体が代謝量(体のエネルギー消費量)を落とすことにより、その環境に適応しようするホメオスタシス(恒常性)の結果により起こると考えられている。

 

つまり、減量をある一定期間継続して行うと、体は省エネルギーモードへと切り替わり、体のエネルギー消費量が減少するため、結果として体重減少もそれに合わせて停滞するのである。

これが、減量中の多くの人たちが停滞期を経験する理由である。

そして、この停滞期は何ら珍しい現象ではなく、減量を行うほとんどの人が2~4週間の周期でこの停滞期を経験すると言われている。

 

 

もし減量の停滞期を迎えたら?

減量の停滞期

 

減量期の摂取カロリーを正しく設定して減量を始めたにもかかわらず、ある日を境(さかい)に体重が減らなくなった場合、それは、代謝量(消費カロリー)が減量開始時に設定した摂取カロリー近くまで低下したことが第一の原因である。

減量の停滞期

 

これは、減量により低下した消費カロリーと摂取カロリーがおおよそバランスの取れた状態となったことを意味し、その結果、体重はそれ以上減らなくなるのである。

3分割の筋トレ

 

減量の停滞期を経験すると、多くの人は「あれ?減量期の摂取カロリーを設定したのになぜ体重が減らなくなったのか?」と疑問に感じるようである。

しかし前述の通り、この理由は非常に単純で、減量開始時に設定した摂取カロリーが適切な減量期の摂取カロリーではなくなったということである。

ポイント
減量中は、体の消費カロリーが周期的に低下する現象が起きるが(=停滞期)、この停滞期が訪れる度に減量期の摂取カロリーを微調整する必要がある。

 

 

間違った摂取カロリーの調整方法

減量の停滞期

 

減量の停滞期を迎えた場合に、ついつい行ってしまいがちな間違った摂取カロリーの設定方法がある。

それは、停滞期が訪れた際に摂取カロリーを劇的に減らしてしまう行為である。

例えば、減量期の摂取カロリーを2500 kcalに設定して減量を行っていて(消費カロリーは3000 kcalとする)、ある日停滞期を迎えたとしよう。

前述の通り、減量が長引くと代謝が落ち、消費カロリーが減量期の摂取カロリーである2500 kcal付近まで落ち込むと、体重はそれ以上減らなくなる。

この時、以前の減量ペースを維持するために、当初設定した摂取カロリー数(=2500 kcal)からさらに500 kcalを減らしたカロリー数を新たな減量期の摂取カロリー数(=2000 kcal)として設定したくなるが、停滞期を乗り越えるために、このような劇的な摂取カロリーの再設定は全く必要ない。

 

前述の通り、減量の停滞期は2~4週間の周期で訪れる。停滞期が訪れる度に劇的に摂取カロリーを減らしてしまえば、減量期に過剰なカロリーをカットすることになり、トレーニングパフォーマンスの低下を招いたり、筋力や筋量の維持が著しく困難となる。

これらの方法は減量の停滞期を乗り越えるための間違った摂取カロリーの再設定方法である。

このような劇的な摂取カロリーの再設定を行う代わりに、炭水化物および脂質の摂取量をいくらか(決して劇的ではない)減らし、摂取カロリーに微調整を加えるのが減量の停滞期を乗り越えるための適切な方法となる。(減量期間中における我々の体は摂取カロリーの僅かな変化に敏感に応答する性質がある)

 

 

停滞期を迎えた時の摂取カロリー数の再設定方法

炭水化物

 

先ほど紹介したように、減量の停滞期を迎えた場合、その都度、炭水化物および脂質の摂取量を段階的に減らしていく。

減量の停滞期における炭水化物および脂質の摂取量の減らし方をまとめたガイドラインを紹介しよう。

停滞期を迎える度に、

  • 炭水化物および脂質の摂取量をそれぞれ5~10%減らす

 

また、炭水化物および脂質の摂取量を5%減らすだけで停滞期をうまく乗り越えらえる人、あるいは10%減らしてようやく停滞期を乗り越えられる人というように、停滞期を乗り越えるためにカットしなければならない炭水化物および脂質の摂取量には個人差がある。

したがって、まずは炭水化物および脂質の摂取量を5%だけ減らしてみて、その後体重の増減を週単位で追跡する。

そして、体重が落ちていなければさらに追加で5%減らして様子を見る(つまり、10%減)。

10%でも体重が落ちなければ、摂取量を15%減らすというように、炭水化物および脂質の摂取量を5%刻みで段階的に減らしていき、摂取量をいくら減らしたところで体重が再び減り始めるかをしっかりと把握しておくことがポイントとなる。

 

大抵の場合、炭水化物および脂質の摂取量を10%減らしたところで体重は再び減り始める。

 

減量期の摂取カロリーが2700 kcalの人の場合を例に挙げて、停滞期を迎えた場合の摂取カロリーを見てみよう。

減量の停滞期

例)減量期の摂取カロリー:2700 kcal

  • タンパク質:260 g
  • 炭水化物:245 g
  • 脂質:75 g

 

この場合、停滞期を迎えたときの摂取カロリーは、

停滞期を迎えたときの摂取カロリー

(炭水化物・脂質を5%減らす場合)

減量期の摂取カロリー:2611 kcal

  • タンパク質:260 g
  • 炭水化物:233 g
  • 脂質:71 g

※つまり、停滞期を迎えた時点で総摂取カロリーを2700 kcalから2611 kcalに減らし、停滞期の脱出を試みる。

 

となる。

また、炭水化物および脂質の摂取量を10%減らす場合は、新たな摂取カロリーを以下のように設定する。

停滞期を迎えたときの摂取カロリー

(炭水化物・脂質を10%減らす場合)

減量期の摂取カロリー:2523 kcal

  • タンパク質:260 g
  • 炭水化物:220 g
  • 脂質:67 g

※炭水化物および脂質の摂取量を5%減らして停滞期を乗り越えられなかった場合は10%まで減らして再度様子を見る。

 

このように、停滞期を迎える度に炭水化物および脂質の摂取量を5%単位で減らし、体重の増減を追跡することで、停滞期を乗り越えることができるのである。

また、炭水化物・脂質の摂取量を5%カットした場合には体重が減らず、10%カットした場合に体重が減り始めた場合は、次の停滞期が訪れた際には炭水化物および脂質の摂取量を7~8%(5%と10%の間)カットしてみて体重の増減を追跡するようにすると良い。

 

上記のように、停滞期を乗り越えるために最低限カットしなければならない炭水化物および脂質の摂取量を正確に把握しておくことで、減量期の摂取カロリーを大幅にカットすることなく停滞期を確実に乗り越えることができるのである。

注意ポイント
なお、減量期における摂取カロリー数の過剰なカットはトレーニングパフォーマンスおよび筋量の維持に直接的な悪影響を与えるため、避けるべきである。



減量の停滞期 に有酸素運動を取り入れる

正しい有酸素運動

 

ご存知の通り、減量の停滞期を乗り越えるには有酸素運動を取り入れることも有効な手段となる。

有酸素運動の取り入れ方についても、炭水化物および脂質の摂取量の微調整方法と同じく、複数回訪れる(であろう)停滞期の度に有酸素運動の強度・頻度を段階的に上げていく戦略をとる(始めから過剰な有酸素運動は行わない)。

ここで、停滞期における有酸素運動の取り入れ方をまとめたガイドラインを紹介しよう。

停滞期を迎える度に、

  • 有酸素運動の強度または頻度を10~20%単位で増やす

 

有酸素運動を現在のところ取り入れていない場合、

  • 有酸素運動を導入する(以下の例)

 

例えば、現在以下のようなHIITトレーニング(エアロバイク)を行っているとしよう。

HIITの頻度:週1回

HIITの強度:最大心拍数の80%

運動時間:20秒

インターバル:40秒

セット数:5セット

 

そして、停滞期を迎えたら、セット数(あるいは強度、運動時間)を10~20%増加、つまり5セット→6セット(または、最大心拍数:80→90%、運動時間:20秒→25秒)に増やし、その後、体重が再び落ち出すかどうか様子を見る。

もし、有酸素運動の強度または頻度を10%増加させた場合に体重に変化が見られなかった場合は、強度または頻度を20%まで増加させてみて再度様子を見る。

 

(例)有酸素運動の強度(セット数)を約10%増加させた場合

HIITの頻度:週1回

HIITの強度:最大心拍数の80%

運動時間:20秒

インターバル:40秒

セット数:6セット

 

セット数を増やす以外にも、HIITトレーニングの強度または頻度を増やすには、

  • HIITを行う頻度を増やす
  • 運動時間を増やす
  • インターバルを減らす
  • セット数を増やす

 

といった複数の方法が考えられるが、各要素を適宜変化させて試行錯誤し、減量の停滞期を乗り越えるのに最低限必要となる有酸素運動の強度または頻度の増加量を把握するように心がける。

HIITトレーニングで脂肪燃焼効果を最大化する方法については以下の関連記事を参考にして下さい。

 

 

減量の停滞期を効果的に乗り越える方法

減量の停滞期

 

減量の停滞期が訪れたら、普段とは異なる刺激を体に与えて体重が再び減り始めるきっかけを作る必要がある。

そのきっかけというのがこれまでに紹介してきた、

  • 炭水化物および脂質の摂取量を5~10%単位で減らす
  • 有酸素運動の強度を10~20%単位で増やす

 

という2つのきっかけなのだが、停滞期を最も効率的かつ確実に乗り越える方法が、これら2つのきっかけをうまく組み合わせることである。

つまり、炭水化物および脂質の摂取量をいくから減らす戦略と、有酸素運動の強度を増やす戦略をうまく組み合わせることで、互いの要素を劇的に変化させることなく、減量の停滞期を乗り越えるのに十分な変化(きっかけ)を生み出すことができるのである。

先程までのポイント
過度な摂取カロリーのカットおよび過度な有酸素運動の実施は、トレーニングパフォーマンスおよび筋量維持に悪影響を及ぼすのであった。

 

 

減量の停滞期 を乗り越える具体例

減量の停滞期

 

ここでは私の過去の経験を基にして、カロリーカットおよび有酸素運動を効果的に組み合わせた場合の停滞期を乗り越える具体例を紹介しよう。

過去の経験上、私は停滞期の際、炭水化物および脂質の摂取量をおおよそ10%減らすことで体重が再び減り始めることが分かっている。

しかし、食いしん坊の私は炭水化物および脂質の摂取量を10%も減らしたくないので、その代わりに有酸素運動を取り入れて、炭水化物および脂質を減らす量を5%に留めるようにしている。

このように、有酸素運動をうまく取り入れることで、炭水化物および脂質の摂取量を極端に減らすことなく、停滞期を乗り越えることができるのである。



停滞期を乗り越える柔軟なプラン

 

このように、摂取カロリーのカットと有酸素運動をうまく組み合わせることでより柔軟に減量の停滞期を乗り越えるプランを組むことができるのである。

その例を分かりやすく列挙してみよう。

パターン1

摂取カロリー15%カット
有酸素運動なし

 

パターン2

摂取カロリー10%カット
有酸素運動10%増

 

パターン3

摂取カロリー5%カット
有酸素運動15%増

 

パターン4

摂取カロリーカットなし
有酸素運動20%増

 

このように停滞期を乗り越えるには、①摂取カロリーを少し減らす②有酸素運動の強度を増やすといった戦略を組み合わせて、停滞期を乗り越えるのに必要な小さなきっかけを体に与えることがポイントとなるのである。

そして、減量の停滞期を乗り越えるのに必要なきっかけ(戦略)を予め見つけておけば、停滞期が再度訪れた場合であっても、前回と同じ戦略で停滞期を乗り越えることができるようになる。

 

 

減量の停滞期 を乗り越える方法のまとめ

減量の停滞期

 

今回は、減量を行うほとんどの人が経験するであろう停滞期を確実に乗り越えるための具体的手順&方法を紹介しました。

減量期間中は、我々の体は摂取カロリーの僅かな変化や、有酸素運動の強度の僅かな変化に敏感に反応するので、上記で紹介した具体的方法を駆使して体重が再び減り始めるための小さなきっかけを与えてみてください。

チートデイ

 

また、日によって摂取カロリーに変化を付けるチートデイも停滞期を乗り越えるきっかけ作りには有効な方法となるので、これまでにチートデイを試したことがない人は是非試してみて下さい。

チートデイの科学的効果および正しいやり方については以下の関連記事を参考にして下さい。