筋肥大を最も効率的に達成する上で欠くことのできないテクニック、それはピリオダイゼーションではないだろうか。
ピリオダイゼーション とは、筋力トレーニングのメニューに一定の変化を加え、筋肥大(=筋肉量の増大)を効率的に達成し続けるテクニックのことである。
そして、筋肥大トレーニングにおけるピリオダイゼーションの重要性は、ますますその注目度を高めつつある。
しかし、ピリオダイゼーションは主として、パワーリフティング競技等のパフォーマンス向上を目的として取り入れられるテクニックであり、ボディビル競技をはじめとする筋肥大効率の最適化を目的としたピリオダイゼーションの有用性についてはあまり深く議論されていないのが実情である。
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ピリオダイゼーション とは
日々、同じようなトレーニングメニューを継続的に実施すると、筋肉はそれらの単調な刺激にやがて慣れてしまい、次第に筋肥大効率が鈍化する。
この時、トレーニングメニューに何らかの変化を付け、筋肉に新しい刺激を与えることで筋肥大効率を高く維持するテクニックがピリオダイゼーションである。
そして、筋力トレーニングにおけるピリオダイゼーションの歴史は1950年後半にまでさかのぼる。
ピリオダイゼーションの周期の取り方は、週単位(トレーニング毎)から年単位まで、個々の目的に応じて幅広く設定される。
実は、筋力トレーニングの内容に変化を加える取り組みは、筋肥大トレーニングにおいてオーバーロードに勝るとも劣らずの重要要素なのである(後述)。
つまるところ、たとえトレーニング上級者でなくとも、日々のトレーニングにおいてピリオタイゼーションを適切に取り入れることで、無計画なトレーニングの実施を効果的に防止し、なおかつ、筋肉に対して多角的にアプローチを取ることができるようになるため、筋肉の成長を引き出し続ける効果を期待することができるのである。
ピリオダイゼーションにおける変化要素
例えば、トレーニング内容に変化をもたらす具体的な方法としては、次のような方法が考えられる。
トレーニング毎に(あるいは一定期間ごとに)、
- ウエイト重量(レップ数)を変える
- セット数(トレーニングボリューム)を変える
- トレーニング種目を変える
- トレーニング種目の順番を変える
- 可動域を変える
- グリップ幅を変える
- ウエイトの挙上速度を変える
- セット間のインターバルを変化させる
- 異なる筋肥大テクニックを実行する
というように、これらの様々な要素のうちのいずれかを周期的に変化させることでピリオタイゼーションを実行することが可能である。
例えば、トレーニング毎に、バーのグリップ幅を変化させて、ベンチプレス→ナローベンチ→ベンチプレス→ナローベンチと交互に行うのも立派なピリオダイゼーションの一例である。
このようにピリオダイゼーションの実施には、ありとあらゆる戦略が考えられる(組み合わせはほぼ無限大)。
しかしながら、ピリオダイゼーションは主としてパワーリフティング競技をはじめとする瞬発力やパワー(筋力)を要する競技のパフォーマンスを最大限に引き上げるために導入されたテクニックであり、これらのテクニックを筋肥大パフォーマンスを最大限に発揮する競技であるボディビル競技にそのまま適応するのは得策ではない。
筋肥大に効果のある2大ピリオダイゼーション
- 重量ピリオダイゼーション
- 種目ピリオダイゼーション
重量 ピリオダイゼーション
ウエイト重量に変化をつけるピリオダイゼーション(以後、重量ピリオダイゼーションと呼ぶ)は、数あるピリオダイゼーションの中でも、これまでに最も活発に調査研究が行われたピリオダイゼーションの方法であり[1]、筋肥大の観点から有効なピリオダイゼーションのひとつである。
具体的方法
具体的方法としては、3~6回で反復挙上の限界がくる高負荷のウエイトを使用してトレーニングを行うヘビーデイ(Heavy Day)、そして10~15回で反復挙上の限界がくる中負荷のウエイトを使用してトレーニングを行うライトデイ(Light Day)を交互に繰り返す、というのものである。
ライトデイを取り入れることで、筋肥大誘発レップ数を十分に確保できるというメリットに加えて、高重量を扱うときよりも正しいフォームでトレーニングが実施できるというメリットを享受することができる。
一方、ヘビーデイでは、神経系およびパフォーマンスの向上を狙い、筋力アップを狙う目的がある。
さて、このように扱うウエイト重量をピリオダイズすることで、筋肥大を目的とする我々に一体どのようなメリットをもたらしてくれるのだろうか?
速筋と遅筋の両筋線維を鍛えられる
重量ピリオダイゼーションのひとつ目のメリットは、幅広い範囲の重量のウエイトを使用することで(つまり、幅広いレップ数の範囲でトレーニングを行うことで)、より多くの種類の筋線維を刺激することができる(可能性が高い)点にある。
例えば、2007年に報告された研究報告によれば、異なる重量でトレーニング行い、より幅広いレップ数の範囲で反復動作を行えば、それだけ種類の異なるより多くのモータユニットを刺激できることが示唆されている[2]。
例えば、高負荷トレーニング(低レップ)ではより大きな運動単位が動員されることから、とりわけ速筋線維のサイズアップに効果的である。
その一方、中負荷トレーニング(高レップ)を行えば、それだけ筋収縮が長時間継続されることから、速筋線維よりも遅筋線維のサイズアップに効果的であるとされる[3]。
確かに理論としては十分納得できるのだが、私的には少しだけ引っかかる部分がある。
《ワークアウトサイエンスの疑問》
前回の記事でも軽く触れたかもしれないが、高負荷であろうが中負荷であろうが、そのウエイトをオールアウトする(または直前)まで挙上運動を繰り返せば、やがて大きな運動単位が動員されるため、遅筋線維は発達せず、結局のところ速筋線維が肥大するのではないか?という疑問である。
なぜなら、トレーニングを長く経験している人ならお分かりいただけるだろうが、仮に、中負荷のウエイトを使用してオールアウトからほど遠い時点で挙上運動を止めてしまえば、速筋線維はおろか遅筋線維も肥大などしないだろう(経験上、そんな方法で筋肉が大きくなるはずがない)[5]。
しつこいようだが、もう一度念を押しておくと、中負荷のウエイトをオールアウトまで挙上すれば、やがて大きな運動単位が動員され、高負荷のウエイトを使用してオールアウトさせた場合と同様の筋肥大効果が得られることが分かっている(詳しい解説)[6]。
つまり、中負荷のウエイトを使用する場合、
- オールアウトさせれば速筋線維が肥大する
- オールアウトさせなければ筋肉は肥大しない
という構図が成り立ち、結局のところ遅筋線維を効率的に肥大させることなどできないのではないか?と私には考えられて仕方ないのである。
そして、実際のところ、この議論に対する明確な答えは現在のところ出ていない。
そのため、世界的に有名な筋肥大に最適なレップ数のガイドライン(上写真はガイドラインからの抜粋)[4]では、速筋および遅筋の両筋線維の筋肥大ポテンシャルを最大限に引き出すためのレップ数について次のように記されている。
このように、ボディビルをはじめとする筋肉量の増大(筋肥大)を主たる目的としてトレーニングを行う場合は、筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出すため、速筋および遅筋の両筋線維を多角的にアプローチすることが望ましいのである。
我々がボディビル競技において達成すべき目標は、様々な戦略を実施することで「FULL DEVELOPMENT(フル・デベロプメント)」、つまり筋肥大の可能性を最大限に開花させることなのである。
筋肉に対する刺激を変化させられる
重量ピリオダイゼーションのふたつ目のメリットは、ウエイト重量を変え、レップ数を変化させることで刺激が入る筋肉群が変化するという点である。
例えば、BIG3をはじめとするヘビーコンパウンド種目を行う際、使用するウエイト重量に関わらず、各筋肉群への刺激の入り方は変わらないと考えるのが普通だろう。
しかし実際のところ、使用するウエイト重量(つまり異なるレップ数の範囲)で動作を行えば、最も強く刺激される筋肉部位も異なってくるのである。
例えば、ベンチプレスの場合を例に挙げてみよう。
2017年に発表された研究報告[7]によれば、ベンチプレスで扱うウエイトの重量が増大するにつれ、上腕三頭筋への刺激が徐々に増大することが報告されている。
これはベンチプレスに限ったことではなく、スクワットやデッドリフトをはじめとする他のヘビーコンパウンド種目においても同様である。
つまり、重量ピリオダイゼーションにより、より幅広いレップ数の範囲で挙上動作を行うことにより、同一種目を行う場合であっても、各筋肉部位への刺激が変化し、新しい刺激を生み出すことができるのである。
トレーニングボリュームを増大できる
重量ピリオダイゼーションの3つ目のメリットは、トレーニングボリュームを効率的に増大させられる点である。
いつも高負荷(レップ範囲:3~5)でトレーニングを行うことが多い場合は、高負荷トレーニングと中負荷トレーニングの両トレーニングを交互に行うことで、トレーニングボリュームを増大させ、筋肥大効率を高めることができる[8]。
つまり、高ボリュームのトレーニングに適応できるという訳である。
たとえば、BIG3のような瞬発的なパワーやスピードが要求される高強度な筋力トレーニングは通常、無酸素運動に分類される。
しかし、研究報告によれば、我々がどれだけ高強度にトレーニングを実施しようとも、筋力トレーニングは純粋な無酸素運動にはなりえず、無酸素運動と有酸素運動の両要素を含んだ混合運動であることが分かっている[9]。
詳しい解説はこちらの記事を参照して頂きたいのだが、重要なポイントをまとめると以下のように簡潔に記すことができる。
- 高強度なトレーニングであっても、無酸素系エネルギーシステムのみならず、有酸素系エネルギーシステムからエネルギーが供給されている
- セット数を重ねるにつれ(=疲労が蓄積するにつれ)、有酸素系エネルギーシステムからのエネルギー供給が支配的になる
- 中強度トレーニング(レップ範囲:8~12)を行えば、有酸素系エネルギーシステムが強化される
- 有酸素系エネルギーシステムが強化されるとエネルギー効率が向上し、筋肉疲労の遅延、持久力の向上が期待できる
- 結果、無酸素系および有酸素系の両エネルギーシステムを最適化できるため、トレーニングボリュームの増大に貢献する
- トレーニングボリュームは筋肥大効率を決定付ける重要要素であるため、結果として筋肥大効率が向上する
このように、重量ピリオダイゼーションにより中負荷トレーニングを定期的に実施することで、有酸素系エネルギーシステムが強化され、結果として、持久力の向上および疲労蓄積の遅延といった複数の効果を期待することができるようになるのである。
それにより高ボリュームのトレーニングが実行可能になれば、筋肥大誘発レップ数を効果的に増大させることができるようになるため、筋肥大効率を向上させられると考えられるのである。
高負荷トレーニングばかりを行うと筋肥大誘発レップ数が必然的に減少するが、中負荷トレーニングを取り入れることにより、筋肥大の最適化に必要となる筋肥大誘発レップ数を効果的に増やすことができる。
重量ピリオダイゼーションの注意点
重量ピリオダイゼーションは、取り入れるべき人と、そうでない人がいるので重量ピリオダイゼーションを取り入れるべきかどうかのガイドラインを明確にしておこう。
重量ピリオダイゼーションを取り入れた方が良い場合
重量ピリオダイゼーションの導入を検討した方が良い場合として考えられるのが、普段、中負荷(レップ範囲:8~15)でトレーニングを行うことが多く、なおかつ使用重量あるいはレップ数が長らく伸びておらず、効率的にオーバーロードが達成できてない場合である。
重量ピリオダイゼーションを取り入れない方が良い場合
現時点で、使用重量あるいはレップ数が順調に伸び、問題なくオーバーロードが達成できている場合は、重量ピリオダイゼーションの導入は必ずしも必須ではない。
なぜなら前述のとおり、重量ピリオダイゼーションにより高負荷トレーニングの日を設けると、トータルで見たときのトレーニングボリューム(あるいは筋肥大誘発レップ数)が減少する。
したがって、中負荷トレーニングにおいて使用重量(あるいはレップ数)が思うように伸びていない場合において、神経系およびトレーニングパフォーマンスの向上を目的として高負荷トレーニングを取り入れることにより、再びオーバーロードが達成できるよう戦略を立てるのである。
種目ピリオダイゼーション
筋肥大に効果のあるもうひとつのピリオダイゼーションの方法が、トレーニング種目を変化させる方法である。
同一部位を鍛える場合でも、異なる種目でその部位をアプローチすれば、最も強く刺激が入る部位や刺激が入る角度を微妙に変化させることができる。
つまり、普段行うトレーニング種目をワンパターンに固定してしまうのではなく、一定周期ごとに変化させることで、結果的により多くの筋線維に対して、より多角的に刺激を送り込むことができるようになるため、筋肥大のポテンシャルをさらに引き出すことができるのである。
事実、単一種目よりも、複数種目で筋肉部位を鍛える方が、筋肥大には効果があることが分かっている(互いにトレーニングボリュームが同じという条件下で)[10]。
ピリオダイゼーション のさらなるメリット
今紹介したピリオダイゼーションの筋肥大効果の他にも、普段のトレーニングメニューにピリオダイゼーションを取り入れることで筋肥大効率をさらに高められる可能性は大いにある。
ピリオダイゼーションの他のメリットを少し違った角度から見てみることにしよう。
オーバートレーニングの防止
種目ピリオダイゼーションには、オーバートレーニングの防止にも一定の効果があると考えられている。
それはなぜなのか?その理由をさっそく解明してみよう。
ワークアウトサイエンスでは、これまで口が酸っぱくなるほど紹介してきた事柄ではあるが、ナチュラルの場合、筋肥大効率を最適化するには各筋肉部位につき週あたり2~3回トレーニングを行うのが合理的であると考えられている[11]。
(トレーニング継続年数により、筋肥大に最適なトレーニング頻度は若干異なるため、詳しい内容についてはこちらの記事を参考にして頂きたい)
しかし、いくら同一部位を週2~3回アプローチするのが筋肥大に効果的であるからといって、セット数や種目の選択など、無計画に高頻度で同一部位を鍛えすぎてしまうと、前回のセッションからの筋肉の疲労が回復していないまま、再度同一部位を鍛えてしまうことになる。
その結果、筋出力が低下した状態で次のトレーニングを行うことになる。
すると、前回のセッションよりもトレーニングパフォーマンスが低下した状態でトレーニングを行うことになるため、結果としてオーバーロードが達成できなくなり、筋肥大効率は大きく鈍化してしまうのである(←トレーニングをハードに頑張っているのに筋肉が思うように増えない主原因のひとつ)。
前述のとおり、種目ピリオダイゼーションにより、前回のトレーニングで行った種目と異なる種目を選択して(はたまた、グリップ幅などを変えるなどして)同一部位を鍛えた場合、前回とは微妙に異なる部位をアプローチすることができる。
こうすることにより、刺激が特定部位だけに集中しないように「鍛え分け」ができ、なおかつ、背中を構成するより多くの筋線維を合理的に鍛えられるようになるのである。
逆に、種目を変えずに同じ部位を同一種目で高頻度でトレーニングした場合、前回セッションからの疲労が完全に抜けず、筋肉痛が残った状態でトレーニングを行うことになる可能性が極めて高くなる。
これでは、筋肥大効率が鈍化するだけでなく、不十分な休養により怪我のリスクの非常に高くなってしまう。
同様に、重量ピリオダイゼーションを行うことでも、前述のように、使用重量(つまりレップ数)を変化させることにより各筋肉部位への刺激の入り方や割合が変化することから、オーバートレーニングの防止にある一定の効果をもたらすと考えられる(が、しかし種目ピリオダイゼーションよりはその効果は低いと考えられる)。
ピリオダイゼーション 方法
実際のところ、筋肥大トレーニングにおいて、パーフェクトな種目やプログラムなどは存在しない。
これまで解説してきたように、定期的かつ(計画的に)、トレーニング種目や可動範囲、あるいは使用重量に変化を加えながら、トレーニングプログラムをピリオダイズさせ続けることが、筋肉の成長を引き出し続ける合理的な方法なのである。
ピリオダイゼーションは導入すべきか
結局のところ、ピリオダイゼーションは導入すべきなのか?
そうお悩みの方も多いことであろう。
筋肥大トレーニングを行う場合においてピリオダイゼーションの導入を検討すべきタイミングは、ズバリ、同一種目を行い続けた場合においてオーバーロードが長らく達成できなくなった場合である。
例えば、肩のトレーニングにおいてオーバーヘッド・ショルダー・プレス(OHP)は三角筋前部を効果的に鍛えることのできるコンパウンド種目である。
いくらオーバーヘッドプレスが肩の筋肥大に効果的な種目であるからと言って、同じ種目を同じように継続して行えば、やがてレップ数が伸びなくなり、オーバーロードが達成できなくなる局面(プラトー)に必ずと言っていいほど直面する。
頑張ってベンチプレスを継続して行っているにも関わらず、最近レップ数が全く伸びていないな、という経験はないだろうか。
この時、重量ピリオダイゼーションによりライトデイとヘビーデイを繰り返したり、あるいは種目ピリオダイゼーションによりOHPとダンベルショルダープレスを交互に行ったりすることで、このプラトーを乗り越えることができるようになる。
おすすめのピリオダイゼーション
ピリオダイゼーションは、アイソレーション種目よりも、BIG3種目に代表されるようなコンパウンド種目に導入することで、その有効性を最大限に発揮することができると考えられる。
各筋肉部位を週に2回程度鍛えることのできる時間的余裕がある人は、筋肥大効率を最適化する上で、この方法がとりわけお勧めである。
初めのうちは、異なる種目から構成される2種類のメニュー(メニューA、メニューB)を交互に行うシンプルなピリオダイゼーションから始めると良いだろう。
そして、次第にそのサイクルに慣れてきたら、周期的にウエイトの可動範囲や使用重量にも変化を加えて、少しずつトレーニングメニューをカスタマイズしていくと良いだろう。
この時、どの種目をどのような条件で行ったかのかということが後で確認できるように出来るだけ詳細にメモを取るように心がけよう。
種目ピリオダイゼーションの具体例
ここで、背中と大胸筋のトレーニングにおける種目ピリオダイゼーションの一例を紹介しておこう。
背中のトレーニング
メニューA
- ペンドレイロウ
- ワンハンド・ダンベルロウ
- Vバー・ケーブルロウ
メニューB
- ドリアンロウ
- ワイグリップ・プルアップ
- ラットプルダウン
大胸筋のトレーニング
メニューA
- ベンチプレス
- ナローベンチ
- ダンベルフライ
メニューB
- ダンベルプレス
- ケーブルクロスオーバー
- ディップス
もちろん、仕事や恋人、その他、充実した趣味等の理由により、トレーニングのために十分な時間が取れない人もいるであろう。
その場合は、忙しい人のための筋トレ【必須種目と&テクニックの完全ガイド】の記事を参考にしてください。
ピリオダイゼーション の意義
本記事ではあまり深く言及しなかったが、筋肉(筋線維)を大きく発達させると一口に言っても、筋線維数を増やすのか、はたまた筋線維の長さを成長させるのか、あるいは筋線維自体を太く成長させるのか、というように、筋肉が大きく成長するメカニズムは決して単純なものではなく、さまざまなプロセスが複雑に絡み合い、そして最終的に筋肉は太く成長する。
見かけ上は、「筋肉が太くなった」と一言で片づけられても、筋肉の中で実際に起こっている筋肥大プロセスは非常に複雑なものなのである。
例えば、フルレンジで動作を行ったりネガティブ動作を強く意識してトレーニングを行えば、筋線維の長さが増大する作用が高まり、一方で、パーシャルレップを取り入れれば、筋線維を太くする作用が大きくなるとされている[12]。
このように、ピリオダイゼーションにより異なるテクニックを周期的に取り入れることが、複雑なメカニズムが絡み合う筋肥大のポテンシャルを最大限に発揮する方法なのである。
ピリオダイゼーション のまとめ
本記事では、筋肥大トレーニングにおけるピリオダイゼーションの具体的方法について文献データ[1~12]に基づき詳しく解説を行いました。
今回紹介したピリオダイゼーションにおけるポイントを以下にまとめておくので是非、参考にしてください。
本記事のTAKE AWAY
- ピリオダイゼーションは筋肥大効率を最適化し続けるテクニック
- ピリオダイゼーションの実施には無限の可能性がある
- 重量&種目ピリオダイゼーションは筋肥大に特に効果的
- ピリオダイゼーションはオーバートレーニング防止に効果的
- ピリオダイゼーションによりより多くの筋線維を刺激
- ピリオダイゼーションで計画的なトレーニングが可能になる
《参考文献》