オーバートレーニング かどうかを見極める5つのポイント

[記事公開日]2018/01/04
[最終更新日]2019/02/11

もしかしたらオーバートレーニングの状態に陥っているかも?と心配しているそこの貴方。

この記事を読めば、オーバートレーニングとは具体的にどういった状態なのか?そして自分はオーバートレーニングの状態に陥っているのか?を診断することができ、筋肥大の効率を改善することができるようになります。




 

 

オーバートレーニングとは

オーバートレーニング

 

オーバートレーニングとは、“トレーニングにより生じた肉体疲労が十分に回復せず、それが蓄積することで起こる慢性的な疲労状態”のことである。

 

もう少しかみ砕いて分かりやすく表現すると、

トレーニングと休養(回復)のバランスが崩れ、数週間単位でトレーニングのパフォーマンスが悪化する状態”のことを指す。

 

オーバートレーニングの主な症状

筋肉痛と筋肥大

 

オーバートレーニングの状態に陥ると一般に以下のような諸症状が現れる。

  • 夜眠れない
  • 慢性的な倦怠感
  • 食欲不振
  • 極端な体重減少
  • 意欲減退
  • トレーニングパフォーマンスの低下
  • 筋力・筋量の減少

 

これらの症状が継続的に見られる場合、オーバートレーニングの状態に陥っている可能性が高くなる。

 

 

オーバートレーニングに対する誤解

良くある誤解

「オーバートレーニングは一般的なトレーニーには無縁であり、プロのアスリート選手でさえオーバートレーニングに陥るまで追い込んでトレーニングを行うのは容易ではない。

したがって、一般人はオーバートレーニングを問題視する必要などない」などという記述をネットメディアでちらほらと見かけるが、この考え方は適切ではない。

 

というのも、トレーニングの強度・ボリューム(どれだけ追い込めるか)だけが自身をオーバートレーニングに追い込む要因ではないのである。

これらはオーバートレーニングを引き起こすひとつの主要因でしかない。

 

上述したように、オーバートレーニングとはトレーニングと休息のバランスが崩れた場合に発症する数週間単位のパフォーマンス低下の状態”を指すのであった。

 

 

 

つまり、仕事や私生活による疲労や睡眠不足が慢性的に続くと、トレーニングにより損傷を受けた筋肉が回復しそして以前よりも強く大きく成長するための休養時間が不足するため、結果として疲労が蓄積し、トレーニングパフォーマンスの低下を招き、さらに日々の生活においても悪影響が出始める。

 

つまるところ
仕事とトレーニングを日々両立しなければならない我々にこそ、オーバートレーニングの状態に陥る危険性が潜んでいるのである



オーバートレーニングについて知っておくべきこと

3分割の筋トレ

オーバートレーニングには、2つのフェイズ(段階)がある

 

フェイズ1 オーバーリーチング(overreaching)

筋トレのセット数

 

オーバーリーチングとは、症状が軽度で、かつ短期間で回復するオーバートレーニングの一歩手前の初期状態のことを指す。

 

オーバーリーチングの状態では、高強度なトレーニングを行うことにより一時的にトレーニングパフォーマンスが低下するが、2~3日の休養を適切に設けることで、休養後は以前よりもトレーニングパフォーマンスの向上が期待できる。

 

ポイント

オーバーリーチングは、2~3日の休息をしっかりと確保し、蓄積疲労をしっかりと抜くことで、トレーニングパフォーマンスが飛躍的に向上するといわれている。.

古くから、パワーリフティング等のパワー系競技におけるパフォーマンス向上のテクニックとしても用いられている。

つまり、オーバーリーチングはオーバートレーニングとは異なり、トレーニングと休養のバランスが取れている状態である。

 

 

フェイズ2 オーバートレーニング(overtraining)

​​

HIIT

 

オーバートレーニングとは、パフォーマンスが完全に回復する前(つまり、オーバーリーチングの状態)にトレーニングを行うことにより(つまりは不十分な休養)、日を追うごとにトレーニングパフォーマンスが低下していき、そして筋肉量の減少を招く状態をいう。

 

 

オーバーリーチングと オーバートレーニング の決定的な違い

オーバートレーニング

 

オーバーリーチングは回復期間を十分にとることにより結果としてパフォーマンスが向上する。

その一方でオーバートレーニングは回復期間が不十分であることから結果としてパフォーマンスが悪化する。


オーバートレーニングかどうか自己診断してみよう!
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疲れが蓄積したり、トレーニングに対するモチベーションやパフォーマンスが低下していると感じる場合はオーバートレーニングに陥っているかどうか自己診断してみるのが良い。

 

 

オーバートレーニングかどうかを見極める5つのチェック項目

オーバートレーニング

 

以下の5つのチェック項目に率直に回答することで、オーバートレーニング状態に陥っているかを客観的に判断することができる。

 

  1. 夜ぐっすりと眠れるか
  2. 体重が極端に減少していないか
  3. 普段以上に疲労を感じていないか
  4. 最大筋力(MAX重量)は低下してないか
  5. 慢性的な筋肉疲労(筋肉痛および関節痛)を感じていないか

 

これら上記に対する自身の率直な回答が、

 

  1. 眠れない(翌朝目覚めが非常に悪い)
  2. 食べているつもりなのに体重が減少している
  3. 日中を通して疲労感が強い
  4. 最大筋力(MAX重量)が低下している
  5. 関節に痛みを感じる

 

のような回答に近ければ、オーバートレーニング状態にあると客観的に判断してよいだろう。

 

 

オーバートレーニング (もしくはオーバーリーチング)状態に陥った場合

オーバートレーニング

 

もし、上記の自己診断によりオーバートレーニングの状態にあると判断した場合は、上記の症状が緩和するまで十分な休養期間を設けるか、トレーニングを休むなど言語道断だという真剣なトレーニーの場合はディロードの導入を検討すると良い。

 

 

ディロード(Deload)とは

 

ディロードとは、トレーニングの強度または/かつボリュームを一定期間意図的に減らすことで、蓄積した疲労を完全に回復させ、ディロード後の筋肥大を加速させる、積極的休養のことである。

 

ディロードに関する詳しい説明はこちらの記事を参照してもらいたいのだが、ディロードには主として2つの効果を期待することができる。


ディロードの効果

 

オーバートレーニングによる疲労および怪我からの回復

 

トレーニングの強度または/かつボリュームを一定期間減らすことで、深刻な怪我(関節痛など)を防ぐとともに、蓄積疲労を取り去り筋肥大を再加速させる。

 

 

トレーニングの刺激に対する感受性を高める

オーバーロード で筋肥大促進

 

ディロードを適切に取り入れることにより、疲労した筋肉を完全に回復させるとともに、ディロード終了後のトレーニング再開時に、トレーニングの刺激に対する筋肉の応答が敏感になり、筋肥大を加速させることができる。

 

ポイント
ディロードを適切にトレーニングプログラムに組み込めば、トレーニング強度・ボリュームが減少しても長期的スパンで見れば筋肉量および筋力は低下しないことが複数の研究報告により明らかとなっている。

 

 

オーバートレーニング についてのまとめ

オーバートレーニング

オーバートレーニングは、プロのアスリート選手にだけ起こり得る症状などではなく、日々の生活に多忙を極める我々にこそ起こり得る症状である。

オーバートレーニングに陥らないようにするためには、休養がトレーニングと同等レベルで重要であることを念頭に置いて置き、万が一、オーバートレーニングに陥ってしまった場合は、積極的に休養を取るか、ディロードを取り入れてみよう。

 

筋トレは生涯スポーツであり、肩、肘、腰、その他関節を痛めてしまうと、筋トレ自体が苦痛な活動になってしまう。

そうなってしまわないように、怪我を未然に防ぐ対策を講じ、長きにわたって筋肥大を加速させながら、より良いトレーニングライフを楽しもう!