筋肥大と脂肪燃焼 を両立するための3つの具体的方法

[記事公開日]2018/03/11
[最終更新日]2018/08/09

筋肥大と脂肪燃焼

こんにちは。ワークアウトサイエンスです。

今回は筋肥大と体脂肪の燃焼を同時に達成する具体的方法を科学的見地から紹介します。



本記事の内容がぴったりの人

  • 現在の体脂肪率が15%以上で減量するか増量するか悩んでいる人
  • 体脂肪は落としたいけど筋肉量も同時に増やしたい人
  • 減量で筋肉が落ちるのが怖い人
  • 常に低体脂肪率で増量を行いたい人
  • 減量によりトレーニングパフォーマンスを低下させたくない人

 

このように体脂肪を落としながら(あるいは体脂肪率を低く保ったまま)増量を行いたい人にぴったりとなっています。

私は前回記事<筋肥大と脂肪燃焼の両立は可能か>という記事の中で、筋肥大と脂肪燃焼の両立できるケースは主として4つあることを紹介した。



筋肥大と脂肪燃焼 が両立できる4つのケース

 

一般に筋肥大(筋肉量の増大)と脂肪燃焼(体脂肪の減少)の両立はある一定の条件下でしか起こりえない。

そのある一定の条件下というのが以下の4つのケースである。

減量期のトレーニング
  1. トレーニング初心者もしくは未経験者の場合
  2. トレーニング歴があり、かつトレーニングを一時的(長期的)に中断していたトレーニーがトレーニングを再開した場合
  3. 肥満体質の場合
  4. ナチュラルトレーニーではない場合

 

この4つの条件に当てはまる人については筋肥大と脂肪燃焼の両立が可能であることは多くの研究報告により明らかとなっている(詳細については前回記事を参照)。

では、上記4つのケースに当てはならないトレーニーが筋肥大と脂肪燃焼を両立することはできないのか。

 

筋肥大と脂肪燃焼 の両立は上記ケース以外でも可能!

筋肥大と脂肪燃焼

 

実のところ、トレーニング経験を豊富に積み、なおかつトレーニングを継続的に休まず行っているトレーニーが筋肥大と脂肪燃焼の両立を達成した事例は複数報告されている。

ただし、筋肉量の増加速度および体脂肪の減少速度は上記で紹介した4つのケースよりも緩やかな速度となる。

 

したがって、現在バルクアップ中であり、体脂肪率(15~20%超)がそろそろ限界かな~と感じているトレーニーの場合、いったん減量を行い体脂肪を10%台に下げてからリーンバルクを再開するのが一般的なバルクアップ&減量のサイクルとなる。

リーンバルクと減量方法については以下の記事を参考にして頂きたい。

<参考>筋肉量を減らさずに体脂肪だけを落とす減量のポイント5つ

<参考><リーンバルク>体脂肪を増やさずに筋肉量を増やす増量方法の具体的方法

 

しかし、本記事の冒頭で紹介したように、

  • 現在の体脂肪率が大体15~20%前後で減量するか増量するか悩んでいる人
  • 体脂肪は落としたいけど筋肉量も同時に増やしたい人
  • 減量で筋肉が落ちるのが怖い人
  • 常に低体脂肪率で増量を行いたい人
  • 減量でトレーニングパフォーマンスを低下させたくない人

 

といった人の場合は、これから紹介する3つのポイントを押さえておけば筋肥大と脂肪燃焼の両立を緩やかなペースで確実に達成することができる。

 

注意
筋肥大と脂肪燃焼の両立にはある程度の体脂肪量(体脂肪率15%超)が必要となる。
一般に体脂肪率が高いほど両立は達成しやすく、逆に体脂肪率が低いほど達成は困難となる。

 

 

筋肥大と脂肪燃焼を両立するための3つの具体的方法

それではさっそく筋肥大と脂肪燃焼を両立するための3つの具体的方法を見ていくことにしよう。

 

1.摂取カロリー数が消費カロリー数を僅かに下回るように食事管理を行う

リーンバルク の計算

 

筋肥大と体脂肪燃焼の両立を成功させるには、摂取カロリー数が消費カロリー数を僅かに下回るようにカロリー管理を行うことが必要条件となる。

こうすることで、トレーニングや日々の活動で消費されるエネルギーのうち、食事から供給されるエネルギーだけでは補いきれない分のエネルギーが体脂肪を燃焼することで供給されるため、結果として体脂肪の減少と新たな筋肉の合成(つまり筋肥大)を同時に達成することができるのである。

 

事実、2011年に発表された研究報告[1]によると、プロのアスリート選手24名を対象とし、週当たりの減量速度を体重の0.7%としたグループと、体重の1.4%としたグループに分け、9週間にわたる減量後、体重減少量、体脂肪減少量、筋肉減少量を測定したところ次の結果が得られという。

その結果を簡潔に以下にまとめる。

実験結果

体重の0.7%の減量速度(ゆっくり減量)グループ

  • 体重減少量:5.6%
  • 体脂肪減少量:31%
  • 筋肉増加量:+2.1%

 

体重の1.4%の減量速度(はやい減量)グループ

  • 体重減少量:5.5%
  • 体脂肪減少量:21%
  • 筋肉増加量:-0.2%

 

この実験結果からも分かるように、体重の0.7%の減量速度で減量を行った場合を、体重の1.4%の減量速度で減量した場合と比較すると、体重減少量および体脂肪減少量はほぼ同じ値を示したが、前者では筋肉量に増加が見られ、一方後者で筋肉量が減少したのである。

➡つまり、減量をゆっくりと行うことで筋肉量を増やしつつ体脂肪の燃焼が可能となるのである。

 

したがって、筋肥大と脂肪燃焼の両立するには、週当たりの減量速度を体重の0.7%程度に設定するのが最良の選択であるといえる。

 

減量時の摂取カロリー数の具体的計算方法

筋肥大と脂肪燃焼

 

私の場合を例に挙げて、週当たり体重の0.7%のペースで減量を行う場合の摂取カロリー数を実際に計算してみよう。

ちなみに以下に示す計算が面倒な場合は、計算過程を読み飛ばして「自分のメンテナンスカロリーから500 kcalを引いた値を筋肥大と脂肪燃焼の両立に必要な摂取カロリー数」として設定すれば大体OK!

 

体重88 kgの管理人の場合(3ステップ)

1. 週当たりに減らすべき体重(kg)を計算

週当たりの減量速度は体重(88 kg)の0.7%なので、週当たりの体重減少量をグラム換算で表すと88×0.007=616 gとなる

➡つまり、週当たり616 g減量するということになる。

 

2. 1日あたりカロリー数をいくら減らせばよいかを計算

週当たり616 g減量する際、この616 gの正体が体脂肪であると仮定すると、体脂肪が燃焼することにより取り出されるカロリー数は616 g×7.2 kcal=4435 kcalとなる(体脂肪1 g=7.2 kcal)。

➡この4435 kcal分の体脂肪を1週間で燃焼させるということは、1日当たりに換算すると4435 kcal÷7日=634 kcalとなる。つまり、1日あたり643 kcalのカロリー不足環境を作り出す必要があるということになる。

 

3. ところで、私のメンテナンスカロリー(=体重が増えも減りもしないカロリー数)はおよそ3,000 kcalなので(詳しい計算方法はこちらの記事を参照)、週あたりの0.7%の減量速度で減量する場合、メンテナンスカロリーから上で求めた674kcalを差し引いた値が筋肥大と脂肪燃焼を両立するために1日に摂取すべき総カロリー数となる。

➡よって、3000 kcal-634kcal=2366 kcalが減量時の総摂取カロリー数となる。

 

これまでのポイントをまとめると以下のようになる。

筋肥大と体脂肪燃焼を両立する方法

  • 体脂肪率は15%を超えていること
  • 減量のペースは体重の0.7%/週
  • 【重要】上記の計算が面倒な場合は、メンテナンスカロリーから500 kcal程度を引いた値を摂取カロリー数として設定する

 

ポイント

注意しておきたいのは、減量速度を0.7%/週以上の速度に設定すると筋肉量の減量は避けられない可能性が高くなることに留意する。



2.筋肉の維持に必要となるタンパク質量を確保する

高タンパク質食材で筋肥大

 

筋肥大と脂肪燃焼を両立する場合には、通常の増量期よりもタンパク質の摂取量に敏感になる必要があり、推奨量(2.3~3.1 g/体重kg)を確保するように努めることが重要となる。

事実、タンパク質の摂取量が不足している状態で減量を行うと通常よりも高い割合で筋肉量が減少することが2018年に発表された研究報告[2]により明らかとなっている。

筋肥大と脂肪燃焼の両立を成功に導くために必要な1日当たりのタンパク質摂取量は、複数の文献を考慮して2.3~3.1 g/体重kgと導き出すことができる。

 

 

3.トレーニングの強度を下げずにオーバーロードを達成する

ダンベル

 

筋肉量を増やし続けるには筋肉に適切な刺激を与え続ける必要がある。

たとえカロリー不足の状態であっても、オーバーロードの原則に従って着実に筋肉量を増やすようにトレーニング計画を行うことが、筋肉量の増大と体脂肪の減少を同時に達成するポイントとなる。

<参考>オーバーロードので筋肥大を確実に加速させる具体的方法

 

 

筋肥大と脂肪燃焼を両立する方法のまとめ

 

今回は、筋肥大と脂肪燃焼を両立するための3つの具体的方法を紹介した。

ポイントは次の通りである。

  • 体脂肪率が15%を超えていること
  • 減量のペースは体重の0.7%/週とする
  • 2.3~3.1 g/体重kgのタンパク質を摂取する
  • オーバーロードで筋肥大を確実に達成する
  • トレーニング強度は下げない

 

このように、1日当たりの摂取カロリー数とタンパク質摂取量を把握し、オーバーロードの原則に従い筋肉量を増加させるアプローチをとれば、筋肥大と脂肪燃焼の両立は可能となる。

筋肉を増やしながら体脂肪を減らしてみよう!


参考文献

[1] Ina Garthe,et al (2011) Effect of Two Different Weight-Loss Rates on Body Composition and Strength and Power-Related Performance in Elite Athletes

[2] Campbell BI, et al (2018) Effects of High vs. Low Protein Intake on Body Composition and Maximal Strength in Aspiring Female Physique Athletes Engaging in an 8-Week Resistance Training Program