筋トレのパフォーマンスをMAXに引き上げる筋トレ前の具体的食事内容

[記事公開日]2018/03/08
[最終更新日]2018/07/27

こんにちは。ワークアウトサイエンスです。

今回は筋トレのパフォーマンスをMAXに引き上げるために筋トレ前に取しておきたい食事の具体例(プレワークアウトミール)を紹介しよう。

前回記事で筋肥大を加速させるには筋トレ後に行う栄養摂取よりも筋トレ前に行う栄養摂取の方が重要であることを紹介した。


<前回記事>筋肥大のカギを握る栄養摂取(プロテイン)摂取のタイミングは筋トレ前
 

 

前回記事の要点:なぜ 筋トレ前の食事 が重要なのか

筋トレ前の食事

 

筋肥大にはなぜ筋トレ前の栄養摂取が筋トレ直後の栄養摂取よりも重要であるのかの要点をまとめると以下のようになる。

 

筋トレ前に食事を摂取しておくことでアナボリック状態を常に維持することができる

 

筋トレ前に適切な食事を摂取しておくことで血中のアミノ酸濃度を高く維持することができるため、筋トレ時の筋肉分解(カタボリック)作用を最小限に抑えることができる。

逆に空腹で筋トレを行うと身体は筋肉を分解してエネルギーを取り出すため筋肉の分解作用が加速してしまう。

通常、筋トレ前に適切な食事を摂取しておけば食後5時間程度は血中のアミノ酸濃度を高く維持することができるので、筋トレ中はもちろんのこと、筋トレ後においてもアナボリック状態を維持することができる

 

 

筋トレ前に食事を摂取しておくことで筋グリコーゲンを充填し、トレーニングパフォーマンスの向上を図ることができる

オールアウト

 

筋トレ前に食事を摂取しておくことで筋トレ時に必要となるエネルギーを筋肉内に蓄えておくことできる(=筋グリコーゲン)ため、トレーニングパフォーマンスを高く維持することができる。

逆に、エネルギーが足りない状態で筋トレを行うと、トレーニングパフォーマンスが低下するだけでなく、バテやすく疲労感を感じやすくなったり筋トレ後の回復がスムーズに行われなくなる。

 

このように筋トレ前に適切な食事を摂取しておくことで、

  • 筋肥大の加速
  • 筋肉分解の抑制
  • トレーニングパフォーマンスの向上
  • スタミナを維持する
  • 疲労回復の促進

 

といった効果を期待することができるのである。

 

それでは、上記の効果を得るためには具体的にどのような食事を筋トレ前に摂取しておけば良いのかを見ていこう。

 

 

筋トレ前の食事の理想的なPFCバランス

 

P(タンパク質について)

高タンパク質食材で筋肥大

 

筋トレ前に摂取するタンパク質源としてお勧めなのが吸収速度が速いタンパク質源である。

吸収力の速いタンパク質源としては、

  • ホエイプロテイン
  • 卵の白身(全卵でも可)
  • 淡白な白身魚

 

などが挙げられる。

これらのタンパク質源は食後2時間ほどで吸収され、血中のアミノ酸濃度を素早く上昇させることができる。

よって、筋トレ前に摂取する食事に上記タンパク質源のいずれか取り入れることをお勧めする。

<参考>筋肥大に最適な高タンパク質食材5種とそれらの優れた効果

 

 

C(炭水化物)について

 

炭水化物についてはあまり深くこだわりすぎる必要はないが、あえて言うならば中~高GIの炭水化物を摂取しておくと良い

中~高GIの炭水化物源としては、

  • 白米(おにぎり)
  • バナナ
  • マルトデキストリン
  • パン類

 

などがあげられる。

また、食物繊維を多く含むサツマイモなどの炭水化物を筋トレ前に摂取すると満腹感が長時間続いて筋トレ中に胃が不愉快になる場合があるので避けたほうが良いかもしれない(個人差あり)。

<参考>筋肥大に最適な炭水化物源は何か


F(脂質について)

 

筋トレ前にあえて脂質を摂取しておくメリットは特にない[1]。

というのも脂質には筋グリコーゲン(筋トレに使用されるエネルギー源)を充填する作用やアナボリック作用を顕著に加速させる作用はないと考えられるからである。

したがって筋トレ前に脂質を摂りすぎると満腹になりトレーニングのパフォーマンスに支障をきたす恐れもあるので、筋トレ前に摂取する脂質の量は少なめにした方がよいだろう

➡脂質を摂るくらいならタンパク質および炭水化物を優先的に摂取したいところである。

 

 

筋トレ前の食事 にはタンパク質と炭水化物がカギを握る

 

1997年に報告された研究報告[2]によると、筋トレ前にタンパク質と炭水化物を含むサプリメントを被験者ら摂取させてトレーニングを行わせたところ、何も摂取しなかった被験者らに比べて、レップ数が大幅に伸び、さらにトレーニング中および後のテストステロン値が顕著に高い値を示したという。

 

ポイント
このように、筋トレのパフォーマンスをMAXに引き上げ、さらにトレーニングの終始アナボリック状態を維持するためには筋トレ前の食事にタンパク質と炭水化物を摂取しておくことが大きなポイントとなる。

 

これまでの流れで筋トレ前にタンパク質と炭水化物を摂取する重要性が分かったところで、次は筋トレ前に実際に摂取したい具体的な食事の一例を紹介しよう。

 

 

まとめ:筋トレのパフォーマンスをMAXに引き上げる食事例

上記で紹介した、

  • 筋肥大の加速
  • 筋肉分解の抑制
  • トレーニングパフォーマンスの向上
  • スタミナの維持
  • 疲労回復の促進

 

といった種々の効果を享受するために筋トレ前に摂取しておきたい食事例を紹介します。

今回は日々多忙を極める人でも継続して短時間で準備できるよう、最もシンプルな筋トレ前の食事例を用意しました。

シンプルですが、上記効果を得るには十分すぎるほどの食事ですのでご心配なく。

 

タンパク質について

 

吸収の速いタンパク質20~30 g程度

  • ゆで卵3つ程度(白身だけ使用するなら卵6つ分)

または

  • ホエイプロテイン30 g

 

続いて炭水化物について。

 

炭水化物について

 

C(炭水化物)中~高GIの炭水化物50~80 g(個人で調整)

  • おにぎり1~2個

または

  • バナナ2~3本

または

  • 6枚切り食パン2枚

 

筋トレ前の食事

 

つまり、筋トレ前に摂取する食事には、吸収の速いタンパク質20~30 g程度中~高GIの炭水化物50~80 gの両方を含む内容であればよい。

 

例えば、ゆで卵3つを少量のマヨネーズと和え、食パン2枚に挟んで卵サンドにすれば筋肥大を加速させる筋トレ前の最適な食事となる。

さらに面倒くさい人は、筋トレ前にホエイプロテイン30 gとコンビニのおにぎり1つか2つ食べておけば上出来である。

なお、消化不良を行さないために筋トレ前の食事は筋トレ前1~2時間前までには終えるようにしておこう。

筋トレ前の食事を最適化してトレーニングパフォーマンスをMAXに引き上げ、最高の結果を残そう!



参考文献

[1] Hargreaves M, et al (2004) Pre-exercise carbohydrate and fat ingestion: effects on metabolism and performance

[2] Biolo G, at al (1997) An abundant supply of amino acids enhances the metabolic effect of exercise on muscle protein