筋肥大に最適なレップ数 を科学的根拠に基づき把握しておこう!

[記事公開日]2018/05/19
[最終更新日]2019/11/13

筋肥大に最適なレップ数

 

これまでに発表された文献[1~6]データを基にして、筋肉量を最も効率的に増加させる「 筋肥大に最適なレップ数 」を今一度確認し、筋トレの効率を可能な限りに高めて筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出そう。




レップ数が異なると筋トレ効果も異なる

筋肥大に最適なレップ数

 

ご存知の通り、レップ数の取り方によってトレーニングで得られる効果は異なってくる。

一般的に、1セットにつき1~6 RM(RM:最大反復回数 )のウエイトでトレーニングを行えば筋力向上に効果があり、7~12レップが筋肥大に、そして12レップ以上になると筋持久力の向上に効果的であることが知られている。

 

そして、2016年に発表された筋肥大とレップ数の関係について調べた有名な研究報告[1]によると、高負荷トレーニング(2~4 RM)と、中負荷トレーニング(8~12 RM)における筋肥大率と最大筋力の伸び率をそれぞれ調べたところ次のような結果が得られたという。

 

筋肥大(筋量増加)について

 

  • 中負荷(8~12RM)グループ:筋肉サイズ10%UP
  • 高負荷(2~4RM)グループ:筋肉サイズ4%UP

※大腿四頭筋サイズ

 

 

最大筋力の向上について

筋肥大に最適なレップ数

 

  • 中負荷(8~12RM)グループ:筋力16%UP
  • 高負荷(2~4RM)グループ:筋力29%UP

※スクワットの1 RM記録

(※中負荷・高負荷、両者とも3セットで限界回数まで挙上を繰り返した)

 

このように、筋肉量の増大(筋肥大)を主たる目的としてトレーニングを行う場合は、高負荷のウエイトよりも中負荷のウエイト(8~12 RM)を使用してトレーニングを行う方が筋肉量の増大にはより効果があるといえるのである。

これらの事柄を一言でまとめると以下のようになる。

 

筋肥大を主たる目的とする場合、中負荷(8~12レップ)でトレーニングを行うとよい(セット数が同じ場合)。

 

しかし、話はまだここで終わらない。

さらに重要なポイントを押さえておく必要がある。

それが筋肉増加量とトレーニングボリュームの重要な関係である。


筋肥大の主要ファクターはトレーニングボリューム

筋肥大に最適なレップ数

 

実は、筋肥大の成果を大きく左右する張本人は、レップ数などではなく、トレーニングボリュームなのである。

というのも、多くの研究報告[2~5]により「高負荷トレーニングと中負荷トレーニングを比較した場合、両者のトレーニングボリュームが等しい限り、両トレーニングで合成される筋肉の増加量は等しい」ことが分かっているのだ。

つまるところ、こういうことである。

扱うウエイトの重さに関わらず(つまりレップ数の違いにかかわらず)、最終的なトレーニングボリュームが同じであれば、筋肉の増加量は同じになる。

 

実際のところ、これまでに発表された数多くの研究報告[2~4]が、この事実を強くサポートしている。その具体例をいくつか紹介しよう。

 

研究報告1
3 RMのウエイトを用いた場合と10 RMのウエイトを用いた場合を比較した場合、筋肉増加量はほぼ同じ値を示した(トータルボリュームは同じに設定)[2]

 

研究報告2
8~12 RMのウエイトを用いた場合と20~25 RMのウエイトを用いた場合を比較した場合、筋肉増加量はほぼ同じ値を示した(トータルボリュームは同じに設定)[3]

 

研究報告3
3~5 RMのウエイトを用いた場合と9~11 RMのウエイトを用いた場合を比較した場合において筋肉増加量はほぼ同じ値を示した(トータルボリュームは同じに設定)[4]。

 

つまり、レップ数よりもトレーニングボリュームこそが筋肥大の成果を大きく左右する主要ファクターなのである。

よし、レップ数よりもトータルボリュームが筋肥大の成果を大きく左右することは分かった。

 

では、トータルボリュームさえ等しければ、物凄く軽いウエイトを超高回数反復しても筋肉は肥大するのか?

 

この問いに対する答えを得るために、ここで筋肥大を誘発する3つのメカニズムを思い出してみよう(前回記事より)。

 

筋肥大を誘発する3つのメカニズム

ボディビル

 

筋肥大を誘発するメカニズムはたったひとつではなく、少なくとも3つあることがこれまでの臨床研究により分かっている[5]。

 

筋肥大を誘発する3つのメカニズム

忙しい人のための筋トレ
  1. プログレッシブテンションオーバーロード(斬進的な過負荷)
  2. メタボリックストレス(代謝ストレス)
  3. マスキュラーダメージ(筋肉の損傷)

 

これらの各メカニズムが、筋肥大プロセスにおいてある一定の役割を担っているのである。

それでは、これらの各メカニズムがどのように作用するのか順番に確認してみよう。

 

プログレッシブテンションオーバーロード

筋トレ方法の間違い

 

プログレッシブテンションオーバーロードは、高重量ウエイトを使用して筋肉に強烈な張力を生じさせ、扱うウエイト重量を段階的に達成していくことで誘発されるオーバーロードについて詳しく)。

このプログレッシブテンションオーバーロードを達成するには、高負荷・低回数のトレーニングを行うことで、筋肉に過負荷を与え続けていくことが必要となる。

 

 

メタボリックストレス

テストステロンを爆発的に増やす

 

メタボリックストレスは、高レップで筋肉の収縮を繰り返す(低負荷・高回数でパンプアップさせる)ことで誘発される。

このパンプアップ作用により、乳酸やクレアチニンをはじめとする代謝物質が産生され、これが成長ホルモンの分泌を促進させ、結果的に筋肥大が誘発されるのである[6]。

このメタボリックストレスを誘発するには、低負荷・高回数トレーニングにより(短いインターバル)、筋肉をパンプアップさせることが必要となる。

 

マスキュラーダメージ

カーボドリンク

 

マスキュラーダメージは、筋肉の損傷させることで誘発される。

例えば、トレーニング翌日に良くみられる筋肉痛は筋肉が損傷を受けた証であり、この筋肉の損傷により筋肉の回復および合成に必要なシグナルが生成され、筋肥大が誘発される。

このマスキュラーダメージを誘発させるには、ネガティブ動作(エキセントリック収縮)をゆっくりと行うか、定期的にトレーニング種目を変えてより多くの筋線維を動員するように努めることが必要になる。

 

冒頭でも紹介したように、これら3つのメカニズム全てが筋肥大を誘発する主要ファクターであるため、全メカニズムを考慮した幅広いレップ数の範囲(5~20RM)で筋肉を刺激することこそが筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出す方法なのである。

つまり、単調な10レップ×3セットといったレップ・セットの設定では、筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出すことは極めて難しいのである。

 

これらを踏まえて筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出すトレーニングプログラムを指南しよう。


筋肥大に最適なレップ数 の具体例

ドロップセット

 

筋肥大トレーニングにおいては、十分なトレーニングボリュームを確保し、幅広いレップ範囲(5~20 RM)で筋肉を刺激することが重要となる。

つまり、以下に示す3つの異なるレップ範囲をバランスよく組み合わせてトレーニングメニューを組むことで筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出すことができる。

  1. 高負荷・低回数トレーニング:5レップ×4セット(インターバル:3~5分)
  2. 中負荷・中回数トレーニング:8~12レップ×4セット(インターバル:1~2分)
  3. 低負荷・高回数(パンプ) :15~20レップ×3~4セット(インターバル:30秒)

 

まずは高負荷・低回数(5 RM)で筋肉および神経系の発達を促し、最大筋力の向上に努める。(プログレッシブテンションオーバーロード)。

筋力と筋肥大には一定の相関関係があるので、筋力がアップすれば筋量も増加する。

 

続いて、高負荷・低回数トレーニングだけでは十分なトレーニングボリュームを確保するのが難しいので中負荷・中回数(8~12レップ)トレーニングを取り入れて筋肥大に必要となるトレーニングボリュームを確保する

また、マスキュラーダメージを誘発するためにネガティブ動作は重力に逆らうようにしてゆっくりと行うようにするTUTを長く取ることでも筋肥大を誘発できる)。

そして、トレーニングの仕上げに低負荷・高回数のトレーニングを取り入れて仕上げに筋肉をパンプアップさせ成長ホルモンを分泌させ、筋肥大を引き出す(メタボリックストレス)。

 

このアプローチを大胸筋トレーニングに応用してみよう。

 

大胸筋トレーニングに応用した場合

ベンチプレス

5レップ×4セット(インターバル:3~5分)

インクラインダンベルプレス

8~12レップ×3セット(インターバル:1~2分)

ダンベルフライ

8~12レップ×3セット(インターバル:1~2分)

ケーブルクロスオーバー

15~20レップ×4セット(インターバル:30秒)

合計セット数:24セット

 

 

筋肥大に最適なレップ数 のまとめ

筋肥大に最適なレップ数

 

今回は、 筋肥大に最適なレップ数 に焦点を当ててみました。

筋肉量の増大を限りなく追及するには、決まりきったレップ数だけでアプローチを図るのではなく、ウエイト重量、レップ数、インターバル、トレーニング種目、ネガティブ動作といった様々な要素に変化を加えつつも十分なトレーニングボリュームを確保することが何よりのポイントとなる。

筋肥大を誘発する3つのメカニズムを日々のトレーニングに効果的に取り入れていこう。



参考文献

[1] Brad J. S,et al (2016) Differential Effects of Heavy Versus Moderate Loads on Measures of Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men

[2] Schoenfeld BJ, et al (2014) Effects of different volume-equated resistance training loading strategies on muscular adaptations in well-trained men.

[3] Schoenfeld BJ, et al (2015) Effects of Low- vs. High-Load Resistance Training on Muscle Strength and Hypertrophy in Well-Trained Men.

[4] Weiss A, et al (2000) High intensity strength training improves strength and functional performance after stroke

[5] Schoenfeld BJ, et al (2010) The mechanisms of muscle hypertrophy and their application to resistance training

[6] Lowery RP,et al (2014) Practical blood flow restriction training increases muscle hypertrophy during a periodized resistance training programme.