リフィード の効果を正しく理解して減量の停滞期を乗り越える方法

[記事公開日]2019/07/14

リフィード

リフィード の効果を正しく理解して、回り道することなく減量の停滞期を確実に乗り越えよう!

減量の停滞期

 

減量を行うほぼ全ての人が経験するであろう減量の停滞期

この減量の停滞期は、減量生活によるカロリー不足の状況が長く続いた場合に、体が代謝量(体のエネルギー消費量)を落とすことにより、その状況に適応しようするホメオスタシス(恒常性)の結果により起こると考えられている。

そして、減量を行うほとんどの人が2~4週間の周期でこの停滞期を経験すると言われている。

つまり…

減量をある一定期間継続して行うと、基礎代謝量(体のエネルギー消費量)の低下により、体重の減少速度が鈍化するのである。

 

これが、減量を行う多くの人たちが停滞期を経験する理由である。

チートデイ

 

そして、このような減量の停滞期を打破する目的で取り入れられることの多いチートデイリフィードデイ

減量の停滞期を乗り越える戦略として、チートあるいはリフィードの効果を過剰に期待し、これらをあまりに頻繁に取り入れているなら要注意

 

実は、リフィードあるいはチートは正しく行わないと減量のペースを加速させるどころか単に体脂肪を蓄積させるだけの日になってしまうのだ。

本記事では、減量期間中に頻繁に取り入れられるリフィードの体脂肪燃焼効果の真相について、これまでに発表された文献データ[1~8]に基づき、詳しく解説します。



チートリフィードを定期的に取り入れているにも関わらず、体重が思うように減らないとお悩みの場合は、この記事を読めば正しいリフィードの取り入れ方を学ぶことができます。

本記事で解決できる疑問

リフィードは、

  1. 食欲を抑制して空腹感を和らげるか?
  2. 基礎代謝量を増やして脂肪燃焼効率を上げるか?
  3. 減量生活において本当に有益な効果をもたらすか?




リフィード とは

 

リフィード(Refeed)とは、減量(体重減少)のペースが停滞したタイミングであえて摂取カロリーを増やす日を設けることで基礎代謝量の回復を図り、減量期における停滞期を乗り越えるための減量期の食事管理における一戦略のことである。

 

リフィードを簡単に表すと…
リフィードをもっと簡単に言い表すと、減量期間中のある特定の日に摂取カロリーを増大させる行為のことである。

 

 

リフィード デイ

リフィード

 

特に、リフィードを行う日のことをリフィードデイ(Refeed day)と呼ぶが、このリフィードデイを不定期(一般的には週に1、2回程度取り入れられることが多い)で取り入れることで、長期間にわたる減量生活により落ち込んだ基礎代謝量をいくらか上昇させ、体脂肪の燃焼(体重の減少)を加速させようというのがリフィードを取り入れる狙いである。

リフィードは、かつて主にボディビルやフィジーク大会等に出場する競技者の間で取り入れられることが多かったが、現在では減量を行う多くの人たちの間でも減量のプロセスを加速させる一戦略として、広く一般に取り入れられるようになった。

 

 

リフィード が広く普及したワケ

先述したとおり、現在リフィードは減量を行う多くの人たちに取り入れられている。

この事実はなんら驚くことではない。

というのも、減量期間中に不定期でリフィードデイを設けることによって、普段よりも多くのカロリーを摂取することができ、なおかつ体脂肪の燃焼を加速させられるという(と信じられている)のだから、これを取り入れない手はないのだ。

 

 

リフィード の効果

 

一般に知られているリフィードの効果をまとめてみる(真偽については後述)。

  • 慢性的な空腹感の抑制
  • 基礎代謝量の増加による脂肪燃焼効果の増大
  • 減量による精神的ストレスからの解放
  • トレーニングパフォーマンスの向上

 

このように、リフィードには減量生活をより楽なものに変えてくれる可能性が秘められているのだ。

 

 

リフィード の方法

リフィード

 

リフィードを取り入れる方法はいたって簡単で、通常よりも炭水化物の摂取量を増やして、通常の減量期の摂取カロリーをメンテナンスカロリー(あるいはメンテナンスカロリーを僅かに超える)まで増やせば良い。

リフィードの具体的方法

  1. リフィードは必要に応じて週に1,2回取り入れる
  2. タンパク質&脂質の摂取量は大きく変えない
  3. 炭水化物の摂取量を増やす
  4. 摂取カロリーをメンテナンスカロリーまで増大させる
  5. リフィードは脚トレの前日に取り入れると良い



ポイント
リフィードで計画的に増やすのは、炭水化物の摂取量であり、タンパク質および脂質の摂取量は維持する(あるいはやや減らす)ようにする。

 

それでは実際に、リフィードを行う場合の摂取カロリーおよびPFCバランスを決定してみよう。

今現在のメンテナンスカロリーが2,800 kcal、そして減量期間中の摂取カロリーおよびPFCバランスが以下のような場合、

減量期の摂取カロリー&PFC

  • 総摂取カロリー:2,100 kcal
  • タンパク質(P):210 g (840 kcal)
  • 脂質(F):35 g(315 kcal)
  • 炭水化物(C):236 g (945kcal)

 

炭水化物を摂取することにより、現在の摂取カロリー(2,100 kcal)をメンテナンスカロリーまで増加させるのだから、増やすべきカロリー数はメンテナンスカロリー(2,800 kcal)から、今現在の摂取カロリー(2,100 kcal)を差し引いたカロリー数、つまり700 kcalということになる。

そして、炭水化物は1 gあたり4 kcalの熱量を持つのだから、700 kcal分の炭水化物をグラム換算するために700 kcalを4 kcal/gで割り算すると、700÷4=175 gということになる。

つまり、リフィードを行うためには普段よりも炭水化物を175 g多く摂取すれば良いことになるのである。

 

リフィードデイの摂取カロリー

  • 総摂取カロリー:2,800 kcal
  • タンパク質(P):210 g (840 kcal)
  • 脂質(F):35 g(315 kcal)
  • 炭水化物(C):411 g (1644 kcal)

 

このように、リフィードを行うには、炭水化物の摂取量のみを必要に応じて増やせば良いのである。

 

 

リフィード は本当に効果があるのか?

リフィード

 

ここまでの流れでは、減量期間中にリフィードを取り入れば、普段よりも多くのカロリーを摂取できるだけでなく体脂肪燃焼効率の増大まで期待できるという、まるで神様のような存在にも思えてくるリフィード様様の効果をざっと紹介した。

そんな旨い話が本当に存在するのか?と懐疑的になる人もおられることであろう。

そんな懐疑心をすぅーっと打ち消すためにワークアウトサイエンスはあくまでニュートラルな立場でリフィードについて科学的見地からその効果について徹底的に検証しようとしているのである。

結論から述べると、減量を成功に導く上でリフィードを取り入れるべきかどうかは、個人個人の減量生活の進捗状況に大きく左右される。

 

本記事の後半で、リフィードを取り入れるべきか否かを判断するガイドラインを紹介するので、是非参考にしていただきたい。

それではまず手始めに、ひとつめの疑問「リフィードは食欲を抑制して空腹感を和らげるか?」についての疑問を解決してみよう!


リフィード で空腹感は本当に抑制されるか

筋トレ前後の食事

 

リフィードにより摂取カロリーを増やすと一時的にレプチンと呼ばれるホルモンの濃度が上昇する。

レプチンとは、我々の食欲と代謝をコントロールするホルモンのことで、このレプチン濃度が高まると我々の食欲は強力に抑制される

つまり、リフィードにより摂取カロリーを増やせば、それに合わせてレプチン濃度が高まるため、我々の食欲は急激に低下し、その結果、空腹感を抑制することができるのである。

 

減量を行うほぼ全ての人が経験するであろう空腹感、それは時として、我々に耐え難い苦しみを与えることがある。

空腹時の筋トレ

 

慢性的に襲い掛かる空腹感により、趣味や仕事に対する集中力が低下したり、はたまた、何気ない事柄に対して必要以上にイライラしてしまい、結果、減量中であるにも関わらず、自分の意思に反してやけ食いをしてしまったり、最悪、減量を断念してしまうという最悪の事態を招きかねない。

 

 

リフィード による空腹感の抑制は一時的

空腹時の筋トレ

 

確かに、リフィードにより摂取カロリーを増やせば、レプチンの濃度が上昇するため結果として食欲が抑制され、空腹感が減少することは十分に考えられる。

ただし、ここで押さえておかなければならないのはレプチン濃度は食事の摂取から6時間経過の時点ですでに低下し始めるという点である[8]。

つまり、慢性的に続く空腹感から逃れるために、リフィードを行ったとしてもリフィードが持つ食欲の抑制効果(=空腹感の低減)は一時的なものに過ぎず、リフィードをひとたび止めてしまえば、レプチン濃度は通常値まで戻ってしまうのである。

 

ポイント
リフィードにより得られる空腹感の抑制効果は一時的なもので、長時間持続しない

 

 

レプチン 濃度は体脂肪率に大きく左右される

 

リフィードによりレプチン濃度を高め、空腹感から逃れようとする行為はあまり合理的選択でないことがこれで分かった。

次に、レプチンに関する重要な事実をもうひとつ紹介しておこう。

実は、レプチン濃度は、その時々の摂取カロリーあるいはPFCバランスのみに左右されるだけでなく、現時点における体脂肪率にも大きく左右されるという特性があるのである。

 

具体的に言うと、体脂肪率が高ければ高いほど、レプチン濃度の基準値は高くなり、逆に体脂肪率が低ければ低いほどレプチン濃度は恒常的に低い値となるのである[1]。

リフィード

 

2005年に発表された研究報告[1]によれば、体脂肪率が低い被験者らのレプチン濃度(6.3 ng/ml)と体脂肪率が高い被験者らのレプチン濃度(47.9)を比較したところ、それらの値にはおよそ8倍もの差があることが分かったという。

言い換えると、体脂肪率が低くなると、レプチン濃度の基準値も同じく低下するため、仮にリフィードにより一時的に摂取カロリーを増大させたとしてもレプチン濃度の基準値を底上げすることはできないのである。

 

つまり、減量により低下するレプチン濃度を無理して高く維持しようとする行為は決して合理的であるとは言い難いのである(なぜなら避けられないから)。


「それじゃあリフィードを可能な限り頻繁に取り入れて減量を行えば、レプチン濃度を高く維持することができるのでは?」と疑問に思われる方もおられるかもしれない。

 

この疑問に対する答えは、以下の研究報告を参照することににより一定の答えを導き出すことができる。

体脂肪率5%

 

例えば、2013年に発表された研究報告[2]によると、リフィードを頻繁に取り入れて、リフィードが有する(とされる)空腹感の低減効果を最大限に引き出そうと試みた場合であっても、体脂肪率の低下に伴いレプチン濃度は減量開始時に比べておよそ40%も低下することが明らかとなったという。

この実験では、12週にわたる減量において、リフィードを1日おきに取り入れるという非現実的な減量プランを実施しているにも関わらず、それでもなおレプチン濃度の低下は防げなかったのだ。

 

また、上記報告以外にも、体脂肪率とレプチン濃度の関係を調査した研究報告が多数なされているが、いずれの研究報告においても「体脂肪率の低下に伴いレプチン濃度は低下する」と結論付けられている。

 

つまり、いかなる減量戦略を練りに練って、レプチン濃度を何とか維持しようと試みようとも、減量により体脂肪率が下がれば、結果的としてレプチン濃度は否応なしに低下するのである。

さらに、一度低下してしまったレプチン濃度は、減量生活を終了するまで、その後大きく回復することはないことも別研究報告により明らかとなっている[3]。

先ほども述べたように、リフィードにより炭水化物(あるいは摂取カロリー)を増やせば、レプチン濃度の一時的に上昇するが、その値は食後数時間が経過すると元の基準値まで低下する。

 

したがって、単発的なリフィードの実施により体のホルモンバランスを騙すようなことはできないのである。

つまり、リフィードとは基本的に減量期間中に摂取カロリーを増やす行為に過ぎず、それ以上それ以下でもないのである。

ポイント
食欲を抑える目的、あるいは空腹感を減らす目的でリフィードを取り入れた場合、それらの持続的効果は期待できない

 

続いて、リフィードに関する二つ目の疑問、基礎代謝量を増やして脂肪燃焼効率を上げるか?についての真相に迫ることにしよう!

 

 

リフィード で基礎代謝量は上昇するか

リフィード

 

もうひとつ良く知られているリフィードの効果として挙げられるのが、冒頭でも紹介した基礎代謝量の増大による脂肪燃焼効果である。

結論から述べてしまえば、この効果についても残念ながらあまり過度な期待はできない。

リフィード

 

例えば、2000年にネイチャー誌において発表された研究報告[4]によると、3日間にわたり炭水化物の摂取量を大幅に増やしてオーバーカロリーとなる食生活を被験者らに行わせたところ、1日あたりの総消費カロリーが(たった)7%しか増加(140 kcal分のエネルギーに相当)しないことが分かったという。

しかし、この140 kcal分の消費エネルギーの増大は基礎代謝量の上昇によるものではなく、(トレーニングを除外した)日常生活における活動レベルが無意識的に増大したためだと説明されている。

また、この研究報告は他の研究報告によってもサポートされている。

 

この研究報告の要点を簡潔にまとめると…

減量期間中に炭水化物の摂取量を増やすと、一時的にレプチン濃度は上昇するが、基礎代謝量は増加しない
→リフィードによる基礎代謝量の上昇は期待できない

 

また、2015年に発表された別途研究報告[5]によれば、メンテナンスカロリーを大きく上回る量のカロリーを被験者らに摂取させたところ(同報告によればメンテナンスカロリー+1200 kcalとなる、いわゆる大食い)、1日あたりの基礎代謝量が約54 kcal(のみ)上昇したことが分かった。

これらの研究[4,5]とほぼ同一内容の研究が複数行われているが、いずれの研究報告においても、たとえメンテナンスカロリーを大きく上回るカロリーを摂取したとしても、基礎代謝量の大幅な上昇は期待できないと報告されている。



 

体脂肪率5%

 

体脂肪率5%を確実に達成する方法について解説した記事においても紹介したように、チートあるいはリフィードにより一時的に摂取カロリーを(たとえ爆発的に)増大させたとしても、それにより得られる基礎代謝量の増大効果は非常に微々たるものなのである。

もう少し説得力を持たせるために、もうひとつの研究報告[3]をここで紹介しておこう。

チートデイ

 

研究報告[3]によれば、メンテナンスカロリーの約1.6倍(=これはメンテナンスカロリー+約2,000 kcalといういわゆる大食い状態)もの摂取カロリーを9日間にわたり被験者らに摂取させたところ、1日あたりの総消費カロリーが約500 kcal増加したと報告されている。

つまり、メンテナンスカロリーを超えた分の過剰カロリー(2,000 kcal)のうち、その25%(=500 kcal)は、消費カロリーの増大により消費され、残りの75%は体脂肪として体に蓄積されたと結論付けられているのだ。

これらの報告から導き出されるのは、リフィードが持つ基礎代謝量の増大効果を享受する目的で摂取カロリーを大幅に増やしたとしても、増大させた摂取カロリーを上回るだけの基礎代謝量の増大は期待できないという事実である。

 

分かりやすく例えると、普段よりも100 kcal多く摂取したからといって、100 kcalを超える基礎代謝量の増大は、現実として期待できないのである。

 

ポイント
リフィードの導入による基礎代謝量の上昇は非常に僅かであるため、体脂肪の燃焼効果は期待できないばかりか、摂取カロリーの過剰分は体脂肪として蓄積されることになる



また残念ながら、リフィードにより僅かに上昇した基礎代謝量は、リフィード後すぐに元の基準値まで低下するため、一時的に取り入れたリフィードにより上昇した基礎代謝量がその値を維持することはないのである。

これらの事柄を総括すると、基礎代謝量の上昇を目的としてリフィードを取り入れようと考えている場合は、リフィードを取り入れない方が良い。

少なくともリフィードを行うことにより体脂肪の燃焼効率が向上するとは考えにくい。

 

 

リフィード で期待できる本当のメリット

チートデイ

 

ここまでの内容をおさらいすると、たとえリフィードを行ったとしても食欲抑制効果や脂肪燃焼の効率化はほぼ期待できないことが分かった。

それでもなおリフィードは、適切なタイミングおよび目的で取り入れることにより、我々に一定のメリットをもたらし、減量をより高い確率で成功に導いてくれるのもまた事実なのである。

リフィードは、

  1. 食欲を抑制して空腹感を和らげるか?
    No(一時的)
  2. 基礎代謝量を増やして脂肪燃焼効率を上げるか?
    No
  3. 減量生活において本当に有益な効果をもたらすか?
    Yes(リフィードの真のメリット)

 

上記3つ目の疑問リフィードは減量生活において本当に有益な効果をもたらすか?」という疑問に対する答えが“Yes”となっているのはそのためである。

 

メリット1:精神的ストレスの軽減

リフィード

 

リフィードを適切に取り入れれば、減量生活におけるストレスレベルを効果的に下げることができる。

事実、私は先日出場したボディビル大会に向けた減量期間中においてリフィードデイを3回ほど取り入れたが、リフィードデイは、減量中の心が本当に折れそうな時にそっと救いの手の差し伸べてくれる神様のような存在であったと痛感している。

一般に、大会に向けて行われる減量の平均的な期間は2~5ヶ月である。

 

また、減量を行うことによる筋肉減少を最小限に抑えるために減量期間を半年以上に設定し、減量のペースをできる限り緩やかに設定する経験豊富なボディビルダーが多数存在するもの事実である。

そうなると、1年の半分以上を減量期間に充てることになるので、このような長期戦となる減量を成功に導くためには、リフィードを定期的に取り入れることで、減量期間中の食事管理に多少の柔軟性(余裕)を持たせて、減量生活を継続可能な生活に調整していけるかが重要となる。

例えば、

  • 友人や家族との外食等
  • 旅行時などの自炊が困難な場合
  • 週に一度の自分へのご褒美

 

というような普段よりも摂取カロリーが増大する傾向にある状況下では、リフィードデイという名目で普段よりも多めのカロリーを摂取する日を設け、存分に楽しむと良い。

 

また、真面目で几帳面な人ほど、減量期間中は体重減少のペースを一定に保たなければならないのだから、自らが定めた減量期の摂取カロリーを厳密に守らなければならない!などという厳しいルールを自己に課してしまい、減量生活が非常にストレスフルな生活になってしまいがちである。

そして、減量期の食事制限の辛さやストレスが突如爆発し、減量期間中であるにも関わらず、ある日突然何かが弾けたように大食いを始めてしまい、全く動けなくなるまで食べ続けてしまうという事態は誰にでも起こり得る。



事実、私はリフィードデイを取り入れないために、突如爆発したストレスにより大食いをしてしまい、減量中であるにもかかわらず1日で8,000 kcalものカロリーを摂取してしまった経験がある。

このような事態を未然に防ぐためにも、リフィードデイを計画的に取り入れることで、精神的なストレスを定期的に取り除くのはリフィードデイを効果的に取り入れる良い具体例である。

また、リフィードテイを設ける日(または頻度)を前もって設定しておけば、減量期間中であっても罪悪感を感じずに普段よりも多くのカロリーを摂取することができる

 

 

メリット2:トレーニングパフォーマンスの向上

オーバートレーニング

 

当然のことながら、体重を減らすためには摂取カロリーを減らす必要があるが、このときどうしても減らさなければならないのが、そう、炭水化物の摂取量である。

プロテインと筋トレ

 

なぜなら、タンパク質の摂取量を減らして摂取カロリーを下げた場合減量期間中に失われる筋肉量が顕著に増大するとの報告[7]がなされていることからも分かるように、減量期間中はタンパク質の摂取量を極力高く維持するべきなのである。

となると、炭水化物(と同時に脂質)の摂取量を減らさざるを得ない。

減量の停滞期

 

しかし、ご存知の通り、炭水化物はトレーニングに必要となる主要エネルギー源であり、炭水化物の摂取量が不足すると、トレーニング強度およびパフォーマンスを高く維持することが通常よりも困難となる。

このような炭水化物が枯渇した減量期間中において、定期的にリフィードデイを取り入れることにより、トレーニングのエネルギー源となる血中グルコース濃度および筋グリコーゲンを効果的に充填することができるようになるため、一時的ではあるが普段よりも高強度かつ高ボリュームのトレーニングが行えるようになる(場合が多い)。

高強度かつ高ボリュームのトレーニングを行えるということは、減量期間中における筋肉量の減少を最小限に食い止める効果が期待できるだけでなく、トレーニングにより消費されるカロリーを増大させることができることを意味する。
リフィード

 

したがって、脚のトレーニングなどのヘビーコンパウンド種目を行う前日にリフィードを行っておくのが望ましいというわけだ。

 

ポイント
リフィードを適切なタイミングで取り入れれば、トレーニングパフォーマンスを向上させ、消費カロリーを増大させられる可能性が高い。

 

 



リフィード は効果があるか?のまとめ

リフィード

 

うまい話には必ずウラがある。

基本的には、減量期間中にリフィードを取り入れたからといって、レプチン濃度を効果的に高め、脂肪燃焼効率および食欲を抑える効果は期待できないと考えられる。

ただし、リフィードを取り入れることにより、「次のリフィードデイまで減量生活を頑張ろう!」と減量に対するモチベーションを高く維持できると感じる場合は、定期的にリフィードを取り入れると良い。

また、脚のトレーニングの前日にリフィードデイを取り入れることで、トレーニングパフォーマンスを飛躍的に向上させ、結果として1日あたりの消費カロリーを効果的に増大させられると感じる場合にも、リフィードの積極的な導入が推奨される。

 

 

カーボローディングの予行練習にもなる

リフィード

 

長く続く減量生活により炭水化物の摂取量が慢性的に不足すると、筋肉に蓄えられる筋グリコーゲンが枯渇するため、筋肉が萎んだ状態となり、筋肉の張りが失われる。

またドロップセットなどを行ってもパンプ感を得るのが難しくなる。

トレーニーにとって張りがなく萎んだ筋肉を目の当たりにすることは、モチベーションの低下にも繋がりかねない。

そんな場合には、定期的にリフィードを取り入れることで、筋肉に筋グリコーゲンが急速に充填されるため、リフィードデイの翌日には筋肉に張りが戻るのを感じることができる。

また、パンプアップも格段にさせやすくなる。

リフィード

 

また、リフィードにより増やした炭水化物の摂取量と、翌日の筋肉の張り具合の関係を記録に残しておけば、大会1週間前に行うことになるカーボローディングで炭水化物の摂取量をどのくらい増やせば良いのかについてのおおよその見積もりを立てることができる。

ポイント
リフィードは、カーボローディングの予行練習として取り入れることもできる。

 

 

リフィード を取り入れるべきか否かのガイドライン

 

これまでの内容を総括し、リフィードを取り入れるべきか否かを決定するガイドラインを紹介しておこう。

リフィードが推奨されない場合

  • 基礎代謝量を上げる目的でリフィードを取り入れる場合
  • 空腹感を長期間抑制する目的でリフィードを取り入れる場合

 

リフィードが推奨される場合

  • リフィードを定期的に取り入れることで、モチベーションを高く維持できる場合
  • 減量によるストレスを効果的に解消できる場合
  • リフィードを取り入れないと何かの拍子に大食いをしてしまう可能性のある場合
  • トレーニングパフォーマンスを一時的に回復させたい場合
  • 筋肉の張りを一時的に取り戻したい場合
  • カーボローディングの予行練習を行いたい場合



参考文献

[1] Michael Rosenbaum,et al (2005) Low-dose leptin reverses skeletal muscle, autonomic, and neuroendocrine adaptations to maintenance of reduced weight

[2] Krista A Varady,et al (2013) Alternate day fasting for weight loss in normal weight and overweight subjects: a randomized controlled trial

[3] N L Keim,et al (1985) Relation between circulating leptin concentrations and appetite during a prolonged, moderate energy deficit in women

[4] M Dirlewanger,et al (2000) Effects of short-term carbohydrate or fat overfeeding on energy expenditure and plasma leptin concentrations in healthy female subjects

[5] Manfred James Müller,et al (2015) Metabolic adaptation to caloric restriction and subsequent refeeding: the Minnesota Starvation Experiment revisited

[6] E. Ravussin,et al (1985) Short-term, mixed-diet overfeeding in man: no evidence for “luxuskonsumption”

[7] Jim Walberg,et al (1988) Macronutrient content of a hypoenergy diet affects nitrogen retention and muscle function in weight lifters

[8] G Boden,et al (1996) Effect of fasting on serum leptin in normal human subjects