HIIT (有酸素運動)で脂肪燃焼効果を最大化する具体的方法の完全ガイド

[記事公開日]2018/07/04
[最終更新日]2018/08/18

HIIT

 

今回は、脂肪燃焼効果を最大限に高めるためのHIIT(高強度インターバルトレーニング)の正しい行い方について最新の文献データ[1~7]を基にして、HIITに最適な種目、トレーニング強度、プログラムの組み方といったあらゆる観点から徹底的に解説します。



今回の記事のメインポイント

  • HIITが脂肪燃焼に効果的である真の理由
  • HIITが従来の有酸素運動よりも優れている具体的ポイント
  • 筋肉を落とさないHIIT種目の選び方
  • HIITの具体的プログラム

 

まずは、HIITとはどのようなトレーニングなのかを見ていくことにしよう。



HIIT とは

HIIT

 

HIIT(ヒット:High Intensity Interval Training)とは、限界に近いレベルで行う高強度・短時間の運動(例:20秒)と少しのインターバル(例:40秒)からなるセットを交互に5~10セット繰り返して行うトレーニング法のことであり、複数の研究[1]により、従来の(低強度)有酸素運動よりも脂肪燃焼効果が高いことが示されている。

また、従来の(低強度)有酸素運動で脂肪燃焼効果を得るためには、それなりの長い時間と労力が必要になり、筋肥大効率および最大筋力の両方に対して明らかに負の影響を及ぼすことが研究報告[2]により明らかとなっているが、短時間で従来の(低強度)有酸素運動と同等の脂肪燃焼効果を得られるHIITトレーニングは、減量期間中における筋肉量の減少・筋力低下を最小限に抑えられる減量メソッドであると考えられている。

 

HIITトレーニングのメリット

  1. 短時間で十分な脂肪燃焼効果が得られる
  2. ウエイトトレーニングのパフォーマンス低下を防ぐ
  3. 筋肥大効率・最大筋力の低下を最小限に抑えられる

 

 

そもそも脂肪燃焼にHIIT(有酸素運動)は本当に必要なのか

正しい有酸素運動

 

減量を考えている人の中には、体重(体脂肪)を減らすためには「消費カロリー>摂取カロリーとなる食事管理」さえ行っていれば有酸素運動など行う必要など無いのでは?と思われる人もいるかもしれない。

有酸素運動

 

確かに、2014年に発表された”有酸素運動と脂肪燃焼に関する”最新の研究報告[3]においても、体脂肪を最も効率的に落とす上で重要となるファクターは消費カロリー数>摂取カロリー数となる食事管理を継続的に行うことであり、有酸素運動は脂肪燃焼に必要不可欠な要素ではないと結論付けられている(こちらの記事より)。

 

筋肉を残して体脂肪だけを落とす減量期

このように、最終的に体脂肪を落とせるかどうかは摂取カロリーと消費カロリーのバランス収支(つまり食事管理)によって決まるのは事実である。

 

つまり、理論的には適切な食事管理(カロリー管理)だけで体脂肪を減らすことは可能なのである。

下の写真は私が有酸素運動を一切行うことなく食事管理のみで2ヵ月間減量を行った時のBEFORE&AFTERである。

減量期の摂取カロリー

 

このように、有酸素運動を一切行わずとも減量を成功させることは十分可能なのである。

 

ここまでの話の流れでは、減量を行う上で有酸素運動は一切取り入れる必要が無いようにも思えてしまう。

 

しかし実際には、食事管理とHIIT(有酸素運動)を組み合わせて減量を行うことで、食事管理だけで減量を行うよりも、さらに高い脂肪燃焼効果を期待することができるのである。

 

 

HIITにより体脂肪燃焼効率をさらに高められる理由

HIIT

 

ここからは、食事管理とHIITを組み合わせることで得られるメリットを2つ紹介しよう。


HIIT後のEPOC効果

HIIT

 

HIITトレーニングを行うと、なぜ脂肪燃焼効果が期待できるのか。

 

それは、HIITトレーニング後に期待できるEPOC効果によるものである。

EPOC効果とは、運動を終えた後もエネルギー消費が高い状態が長時間持続する効果のことで、ウエイトトレーニングやHIITトレーニングなどの高強度な運動を行った場合、運動終了後最大で約16時間にわたってエネルギー消費が高い状態が持続するとのデータもある。

 

そして、EPOC効果で消費されるエネルギーの約80%が脂肪を燃焼することで調達されるのである(研究報告[10]より)。

もちろん、HIITのような高強度な運動を行う場合、HIIT中に消費されるエネルギー源は主として炭水化物(糖分)だが、EPOC効果により運動後に消費される主たるエネルギー源は脂肪にシフトするのである。

 

つまり、HIITトレーニング後のEPOC効果により1日の消費カロリーが増大し、脂肪燃焼効果が高まるのである。

 

 

食欲減退効果

HIIT

 

HIITを行うことで期待できるもうひとつの効果は、HIIT後の食欲抑制効果である。

2014年に発表された研究報告[4]によると、体脂肪が約30%の被験者らに強度の異なる有酸素運動を行わせた後、普段通りに自由に食事をしてもらい、その後彼らの食事内容(カロリー数)を調査した。

その結果、有酸素運動の強度が高くなればなるほど、運動後の摂取カロリーが減少し、食欲が顕著に低下することが判明した。

 

運動30分後の摂取カロリー(kJ)

  • 非運動時:3199±1642
  • 従来の有酸素運動:2974±1370
  • (通常の)HIIT:2602±1086
  • (強烈な)HIIT2488±1202

 

上記結果からも分かるように、運動強度が上がるにつれて運動30分後の摂取カロリー数が低下していることが見て取れる。

HIIT

 

さらに、強烈なHIITトレーニングを行った場合においては、摂取カロリーが低くなる状態が運動後36時間にわたって持続することが分かった(他の有酸素運動との比較)。

 

つまり、HIITを取り入れることで、HIITを行うことによる脂肪燃焼効果に加えて、HIIT後の食欲を長時間にわたって抑制することができるのである。

 

これにより、食欲抑制効果による摂取カロリーの減少と、HIITトレーニングによる消費カロリーの増加のWアプローチで脂肪燃焼を最大限に加速させることができるのである。



HIITトレーニングの高い脂肪燃焼効果が分かったところで、次は脂肪燃焼効果を最大限に高めるためのHIITトレーニングの具体的方法について見ていくことにしよう。

 

 

HIIT トレーニングの具体的方法

 

HIITトレーニングに最適な種目

HIIT

 

減量期に目標とすべき事柄は主として2つある。

それは「体脂肪をいかに効率的に燃焼させるか」そして「筋肉量をいかに維持するか」の2点に尽きる。

そして上記2つの目標達成に最適なHIIT種目は3つある。

それがズバリ、サイクリング、ローイング、スプリント(トレッドミル)の3種目である。

というのも、HIITトレーニングで行う運動の動作が、筋トレで行う動作に近ければ近いほど、最大筋力および筋肥大効率に悪影響を及ぼしにくいことがこれまでの研究[5]で明らかとなっているのである。

 

例えば、サイクリング・スプリントはスクワット時の動作に、ローイングはまさにケーブルローイング動作と瓜二つである。

 

それだけでなく、HIITトレーニングは従来の(低強度)有酸素運動に比べて、ウエイトトレーニングのパフォーマンス低下を最小限に抑えられることが複数の研究報告[6]により明らかとなっているため、筋肉を落とさずに減量を行いたい場合は、HIITトレーニングが適している。

 

したがって、HIITトレーニングを行うことで、ウエイトトレーニングのパフォーマンス・最大筋力・筋肥大効率を可能な限り維持したまま、脂肪燃焼を効果的に促進することができるのである。

 

 

HIITに求められるトレーニング強度

HIIT

 

HIITトレーニングにおける脂肪燃焼効率を最も大きく左右する重要ポイントがHIITトレーニング時の運動強度である。

HIITトレーニングと従来の(低強度)有酸素運動との最も大きな違いは「スピード」である。

HIITトレーニングで脂肪燃焼効率を最大限に高めるには、最大心拍数の90~95%程度の運動強度でトレーニングを行う必要がある。

 

心拍数
最大心拍数の90~95%程度の運動強度の目安としては、ほぼ全力(本気)を出し切る運動強度で、インターバル時にまともに会話などできず、呼吸するのに精一杯の状態になるのが目安となる(ネットでは良く「ゼーゼーする程の息絶え絶えの状態と表現される」)。

 

そして、高い脂肪燃焼効果を得るには、毎セット可能な限り全力を出し切る強度で運動を行うのが最重要ポイントとなる。

 

HIITトレーニングは、ウエイトトレーニングと同様に、同じようなメニューを繰り返し続けると体はその運動の刺激にすぐに慣れてしまうため、次第に脂肪燃焼効果は低下する。

したがって、HIITトレーニングでの脂肪燃焼効果を高く維持するにはHIITトレーニングの運動強度を段階的に引き上げていく必要がある(オーバーロードの原則)。

 

 

HIIT で脂肪燃焼効率を段階的に高める6つの方法

HIIT

 

HIITトレーニングで脂肪燃焼効果を段階的に引き上げていくには次の6つの方法を取り入れるとよい。

  1. 運動強度を上げる
  2. 運動時間を長くする
  3. インターバルを短くする
  4. セット数を増やす
  5. HIITトレーニングの頻度を増やす
  6. トレーニング種目を変更する

 

このように、オーバーロードの原則に従い、HIITトレーニングの運動強度を段階的に高めていくことで脂肪燃焼効率のプラトーを防ぎ、減量を確実に成功へと導くことができるのである。


HIITを行うベストタイミング

HIIT

 

減量期間中はいわば、慢性的なカロリー不足となる期間のため、筋肉の回復能力が低下し、ウエイトトレーニングのパフォーマンスが低下しやすい状態となる。

一般に、減量期におけるトレーニングパフォーマンスを低下は最大筋力の低下および筋肉量の減少を意味する。

 

つまり、筋肉量を減らずに減量を成功させるには、ウエイトトレーニングのパフォーマンスを低下させないように、HIITトレーニングのプログラムを組む必要があるのである。

 

2016年に発表された研究報告[7]によれば、ウエイトトレーニングのパフォーマンスを高く維持するには、HIITトレーニングを、

  1. ウエイトトレーニングのオフ日
  2. ウエイトトレーニングの後

 

のいずれかのタイミングで行うことが推奨されている。

このいずれかのタイミングでHIITを取り入れることで、ウエイトトレーニングのパフォーマンスを低下させずにHIITトレーニングを取り入れることができる。

 

※ぐれぐれも、ウエイトトレーニング前にHIITトレーニングは行わないようにしよう。

 

 

HIITの具体的プログラム

 

今回は、サイクリング(エアロバイク)でHIITトレーニングを行う場合の具体的プログラムを紹介しよう。

 

1~2週目

HIITの頻度:週1回
HIITの強度:最大心拍数の80%
運動時間:20秒
インターバル:40秒
セット数:5セット

※インターバルでは軽く流す強度で運動を行う

 

3~4週目

HIITの頻度:週2回
HIITの強度:最大心拍数の90%
運動時間:30秒
インターバル:60秒
セット数:5セット

 

5~6週目

HIITの頻度:週2回
HIITの強度:最大心拍数の95%
運動時間:30秒
インターバル:40秒
セット数:7セット

 

このように、2週間単位で、HIITの頻度HIITの強度運動時間インターバルセット数のいずれかを少しずつ増やしていくことで、HIITトレーニングの強度を段階的に引き上げることが可能となり、オーバーロードの原則により脂肪燃焼効果を高く維持したまま効果的に減量を行うことができるのである。

 

ポイント
HIITトレーニングは週1回の頻度から始め、体脂肪(体重)の減少の経過を観察しつつ、必要に応じて頻度を上げていくようにしよう。

 

 

最後に

 

今回は、HIITトレーニングについて可能な限り詳しく、そして簡潔に解説を行うことを心がけました。

HIITトレーニングの積極的な導入が望まれる人物像は、以下のような場合に当てはまる場合である。

  1. 体脂肪を最速で落としたい人
  2. ボディビル大会等の準備で体脂肪率を5~7%まで下げる必要のある人
  3. 食事管理だけでは体脂肪が落ちなくなった人
正しい有酸素運動

 

冒頭でも紹介したように、減量を成功させるには食事(カロリー)管理が最重要要素であり、HIIT(有酸素運動)は脂肪燃焼をアシストしてくれるサポーター的存在であるということを覚えておこう。

くれぐれも、HIIT(有酸素運動)に頼り過ぎないようにして減量を行うようにしよう。

 

まずは食事管理だけで減量を開始し、体重が思うように減らなくなってきたらHIITトレーニングを取り入れて、減量のプラトーを乗り越えるように戦略を立てると良いだろう。

 

このように、HIITを減量期における最後の切り札として最後に残しておくことで、体重減少が停滞してきた時でも焦ることなく次のアプローチを取れる心の余裕が持てるようになるはずだ。

 



参考文献

[1] Stephen H. Boutcher (2011) High-Intensity Intermittent Exercise and Fat Loss

[2] Wilson JM,et al (2011) Concurrent training: a meta analysis examining interference of aerobic and resistance exercise

[3]  J. Funct,et al (2017) Effect of Overnight Fasted Exercise on Weight Loss and Body Composition: A Systematic Review and Meta-Analysis

[4] Sim AY, et al (2014) High-intensity intermittent exercise attenuates ad-libitum energy intake

[5] Gergley JC (2009) Comparison of two lower-body modes of endurance training on lower-body strength development while concurrently training

[6] Rhea MR,et al (2008) Noncompatibility of power and endurance training among college baseball players

[7] Ratamess NA,et al (2016) Acute Resistance Exercise Performance Is Negatively Impacted by Prior Aerobic Endurance Exercise