こんにちは。 ワークアウトサイエンスです。
実はあまり良く知られていないが、ナチュラルボディビルダーと ステロイド 等の筋肉増強剤を使用するボディビルダーとでは、筋肥大を効率的に達成するために必要となるアプローチ方法が若干異なる。
この記事をお読みいただければ、筋肥大に必要となるエッセンス(要素)を普段どの程度取り入れてトレーニングを行っているかを客観的に評価し、それを基にして、より効率的なトレーニングスタイルに改善していくことができるはずである。
それでは、さっそく話を進めることにしよう。
ナチュラルに最適な、
- トレーニング頻度
- 週あたりのセット数
- トレーニング強度
- トレーニング種目の設定方法
- トレーニング前中後の栄養摂取方法
- タンパク質の摂取量 など
コンテンツ
トレーニング頻度について
《良く見かける記述》ナチュラルボディビルダーは、 ステロイド 等の筋肉増強剤を使用するユーザー(以後、ユーザーとする)と比べた場合、筋トレにより損傷した筋肉の回復能力が劣るため、筋肉を完全に回復させるためにユーザーよりも多くの休養日を設ける必要があるという記述を見かけることがある。
確かにユーザーの場合、筋肉増強剤の効果により、テストステロンをはじめとするアナボリックホルモンの値がナチュラルで到達できる値を遥かに超えて高い状態が四六時中持続するため、ナチュラルの場合と比較して、筋肉の修復・回復プロセスは格段にはやい。
だからといって、ナチュラルボディビルダーはユーザーよりも多くの休養日を設けなければならないのか?というと、決してそういう訳ではない。
というのも、一般にナチュラルの場合、筋トレを実施すれば、筋トレ後およそ24時間(最大で36時間)、筋タンパク質合成の感度が高まることが分かっている[1]。
上のグラフからも読み取れるように、筋トレ直後から筋タンパク質合成レベル(赤い線)が上昇していることが分かる。
そして、このタイミングで十分量のタンパク質を含む適切な栄養摂取を行えば、筋肉は以前よりも強くそして大きく発達するのである。
もちろん、トレーニング内容や強度、あるいはトレーニングの継続年数などにより個人差はあるものの、一般に筋トレ後からおよそ36時間が経過した時点で、筋タンパク質合成の感度は筋トレをする前の基準値まで戻るため、それ以後の筋肥大はあまり期待できない。
このような理由から、ナチュラルの場合において、筋タンパク質合成の感度(レベル)を可能な限り長時間維持し、筋肥大効率を最大化するのに最適なトレーニング頻度として、同一部位につき、週に2~3回が推奨されているのである(詳しくはこちらの記事を参照)。
事実、2012年にパワーリフターを対象に行った実験によれば、低頻度のトレーニング(週3回)よりも高頻度トレーニング(週6回)の方が筋肉増加量および筋力向上においてより高い伸びが認められたことが報告されている(備考:週3回、週6回のトレーニング間で、週あたりの総トレーニングボリュームは等しいという条件下で)[2]。
ちなみに、一般論として、トレーニングの継続年数が長くなればなるほど、筋タンパク質合成レベルはより速く基準値に戻り(24~36時間程度)、トレーニング経験が浅い場合、筋タンパク質合成レベルがより長い時間高い状態が持続される(最大で48時間程度)。
➡これが、トレーニング初心者は比較的短期間に筋肉量を増大させられる理由のひとつである。
しかし、ユーザーの場合、筋肉増強剤の使用によりナチュラルの限界を大きく超えて筋タンパク質合成の感度を高めることができるため、結果として、一回のトレーニングで筋タンパク質合成の感度はより(はるかに)高く、そしてより長時間にわたり持続する。
それゆえユーザーの場合、ナチュラルボディビルダーに推奨されるような(各部位を週に2~3回鍛えるような)高頻度トレーニングは必ずしも必要ないのである。
このような理由から、多くのユーザーは全身の筋肉部位を大きく5つ(胸・背中・腕・脚・肩)に分割し、各筋肉部位を週に1回ずつ高ボリュームで鍛える、いわゆるブロススプリットと呼ばれる5分割を取り入れていることが多い。
前述のとおり、このブロスプリット(5分割)は、ナチュラルの場合には、筋肥大効率を最大化する上で、必ずしも最適な分割法であるとは言えないため、各筋肉部位につき週に2回程度鍛える分割法を採用するのが賢明である。
ナチュラルはより高頻度でトレーニングを行う必要がある
トレーニングボリュームについて
一般にナチュラルの場合、ユーザーの場合と比較して、1回あたりのトレーニングで行うことのできるトレーニング量(トレーニングボリューム)は少なくなる傾向にある。
その理由のひとつとして挙げられるのが、ナチュラルの場合、トレーニングを長時間継続するとコルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌量が増えるという点である。
例えば、筋トレを長時間実施すると、筋トレに必要となるエネルギー源である筋グリコーゲン(糖分)の貯蔵量が次第に低下する。
筋トレの主たるエネルギー源である糖分が枯渇し始めると我々は次第に疲労を感じ、トレーニングのパフォーマンスが徐々に低下し始める。
コルチゾール:過剰分泌により筋分解を加速させる
このとき体内では、コルチゾールの働きにより、不足したエネルギー源(糖分)を新たに合成するために、体に蓄えられたアミノ酸および脂肪が代謝され、筋トレに必要なエネルギーが新たに生成される。
先述のとおり、コルチゾールには筋肉(アミノ酸)を分解してエネルギーを生成する働きがあるため、コルチゾールの分泌量が増大すると、結果的に、筋肉の分解作用が増大してしまうのである。
つまり、ナチュラルの場合、コルチゾールの分泌量を最小限に抑えられるようなトレーニングプログラムを構築しなけばならないのである。
しかし、ユーザーの場合、このコルチゾールの作用は著しく抑制されるため、長時間にわたり高ボリュームのトレーニングを実施したとしても、さして問題とはならないのである。
また、筋肉増強剤には筋肉中に蓄えられる筋グリコーゲンの貯蔵量を増大させる効果があるため、筋グリコーゲンの貯蔵量の増大に伴い、筋肉に蓄えられる水分量も増えるため、結果として筋肉のサイズも当然として増大する[3]。
それだけなく、より多くのエネルギー(筋グリコーゲン)を蓄えられることから、スタミナが持続し、高ボリュームのトレーニングが可能になるのである。
これらの事柄を総括すると、ナチュラルの場合、いくら筋肉を大きくしたいからといって、むやみにトレーニングボリュームを増やす取り組みは賢明ではない。
なぜなら、トレーニングボリュームがある一定の上限値に達した時点で、コルチゾールによる筋肉の分解作用が支配的となり、筋肥大の効果が薄らいでしまうからである。
テンプル大学の教授でありながらボディビルダーでもあるマイク教授の話によれば、ナチュラルの場合、筋肥大効率を最大化する、週あたりの総セット数は、各筋肉部位につき20セット前後であると述べている[4]。
上図は、週あたりのセット数と筋肉増加量の関係を示したグラフである。
このグラフを見てみると、週あたりのセット数が増えるにつれて筋肉増加量(曲線)も次第に増加するが、セット数が10~15セットを超えたあたりから筋肉増加量は伸び悩み始め、週あたりのセット数が20+セット(多少の個人差あり)を超えたあたりでそれ以上の筋肉量の増加は見込めなくなることが読み取れる。
トレーニング頻度とトレーニング量の適切な関係
一般に、トレーニング頻度と、1回の筋トレで行うトレーニング量との間には逆比例の関係が成り立つのが望ましい。
つまり、筋肥大効率を最大化する上で各筋肉部位につき週2~3回鍛える高頻度のトレーニングが推奨されているナチュラルの場合、1回あたりの筋トレで行うトレーニング量(トレーニングボリューム)は(ユーザーよりも)少なめに設定するのが合理的なのである。
つまり、憧れのボディビルダー/フィジーカー/フィットネスモデルが、1回の大胸筋トレーニングで合計30セット行っているからといって同じ真似をするのは、必ずしも合理的選択であるとは言えないのである。
常日頃から高強度なトレーニングを行っている人ならお分かりいただけると思うが、例えば、大胸筋を週に2~3回高ボリュームで鍛えることなどそう簡単なことではない(というよりむしろ現実的ではなく、実際にやってみれば肉体的、精神的なストレスにより鬱のような症状が現れる)し、仮に高ボリュームのトレーニングを長く継続すれば、前回のトレーニングからの疲労や筋肉痛が徐々に蓄積し始め、最終的に怪我をしてしまったり、トレーニングパフォーマンスが著しく低下したり、あるいは日常生活の活動レベルが著しく低下してしまうことも大いに考えられる。
トレーニング強度について
ナチュラルの場合、1回のトレーニングあたりのトレーニングボリューム(特にセット数)に限度があるため(=それほど多くのセット数をこなせないため)、この条件下で筋肥大のスイッチを効果的にオン(筋タンパク質合成レベルを引き上げる)にするには、BIG3(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)に代表されるヘビーコンパウンド種目を優先的に行うメニューを組み、高強度でトレーニングを行うことが必要となる。
トレーニング強度を高めるには
トレーニング強度はどのように高めればよいのだろうか?
例えば、今までケーブル種目やマシン種目を中心にトレーニングを行ってきた人に対して、「明日からBIG3を中心としたトレーニングに切り替えてください」といきなりアドバイスをしても、到底実行できるものではない。
そこで、明日からすぐに実践でき、トレーニング強度を着実に高めていける具体的方法を紹介しよう。
アイソレーション種目はケーブルよりもフリーウエイトで
例えば、アームカールやサイドレイズなどのアイソレーション種目を行うのであれば、ケーブルを使用するよりも、ダンベルやバーベル等のフリーウエイトを使用してトレーニングを行えば、トレーニング強度は増大する。
つまり、同じアイソレーション種目を行う場合でもフリーウエイトを優先的に使用することでトレーニング強度を高めることができるのである。
コンパウンド種目はマシンよりもケーブルで
例えば、大胸筋を鍛える場合、チェストフライマシン(ペックデック)を使用するよりも、ケーブルを使用して行うケーブルチェストフライを優先的に行うことで、トレーニング強度を高めることができる。
コンパウンド種目の中でもBIG3を中心に
ベントオーバーローイングやTバーローイングなどのコンパウンド種目を行っているのなら、全身の筋肉に負荷がかかるBIG3(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)を優先的に行えば、それだけトレーニング強度を飛躍的に増大させることができる。
このようにナチュラルの場合は、上記の方法でトレーニング強度を着実に高めていくことが、少ないセット数(=少ないトレーニングボリューム)でも着実に筋肥大を実現していく具体的な戦略となるのである。
忙しい人のためのトレーニング種目の選択について
普段、トレーニングに十分な時間を割くことが難しい忙しい人であればあるほど、一度に複数の筋肉群を効率的に鍛えることできるヘビーコンパウンド種目(BIG3、オーバーヘッドプレス、ベントオーバーローイングetc…)を積極的にトレーニングメニューに加えるべきである。
筋肥大を目的とする場合に積極的に取り入れたい種目(あるいは筋肉部位)を優先度の高い順番に並べると、
- BIG3(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)
- 広背筋のトレーニング(ベントオーバーローイングetc…)
- ベンチプレスのバリエーション(グリップ幅やベンチ角度を変える)
- 三角筋のトレーニング(オーバーヘッド’プレスetc…)
- 腕(二頭筋・三頭筋)および腹筋のトレーニング
という順番になる。
そして、特にナチュラルの場合において筋肥大を確実に達成していく上で最も重要となるポイント(本記事における最重要なポイント)が、ズバリ、オーバーロードを着実に達成していくことである。
オーバーロード(の原則)とは
つまり、毎度同じような負荷・強度設定の単調かつ無計画なトレーニングを実行しているだけでは、身体はトレーニングの刺激にすぐに慣れてしまい、それ以上の筋肥大は見込めなくなるのである。
我々の体は必要最低限の筋肉しか保持したがらないという特性を忘れてはならない。
このように、オーバーロードを着実に達成していく取り組みこそが、我々が筋肉量を着実に増やし、なおかつ筋力を向上させていく唯一の方法なのである[5]。
つまるところ、トレーニングの実施には、野獣のようなアグレッシブさが要求される一方で、オーバーロードを着実に達成していくための綿密なトレーニングプランの構築も同時に必要不可欠になってくるのである。
もちろん、ユーザーの場合も同様に高強度トレーニングを行い、長期的な視点でオーバーロードを達成していく必要はあるのだが、筋肉増強剤の効果により筋肉量の増大および筋力向上の速度が腱や関節の発達速度よりもはるかに速いため、怪我を未然に防止するという目的も兼ねて、高強度(高重量)トレーニングだけに特化するのではなく、中負荷のウエイトを用いてターゲット部位を徹底的に追い込むパンプアップトレーニングが取り入れられることも非常に多い。
一般に、ユーザーがケーブルやスミスマシンを大いに好むのは上記理由からである。
また、先ほど紹介したように、一般にユーザーはスタミナが長時間持続するため、筋肥大に必要な十分なトレーニングボリュームを確保するために、ウエイト重量を少し落とし(つまり中負荷のウエイトを使用し)、レップ数を高めに設定して行う高ボリュームの(パンプ系)トレーニングがどうしても必要になってくるのである。
つまり、ナチュラルの場合、(一般にユーザーが多用する)ケーブル種目やアイソレーション種目を中心とするトレーニングメニューでは筋肥大を最適化するのは難しいのである。
筋トレによる筋分解を最小限に抑える方法について
先ほども紹介したように、ナチュラルの場合、筋肥大効率を最大化するためにはコルチゾールの分泌量を可能な限り抑える取り組みが非常に重要になってくる。
その具体的な方法を食事管理の観点から筋トレ前・中・後の3つのタイミング別に紹介しよう。
筋トレ前:プレワークアウトミールの摂取を怠らない
ひとつめは、トレーニングの数時間前までに適量の炭水化物(糖分)とタンパク質を含む食事を摂取し、トレーニングに必要となるエネルギー源をしっかりと充填しておくことである。
プレワークアウトミール(筋トレ前の食事)についてのより詳しい内容はこちらの記事を参考にして頂きたいのだが、理想的なプレワークアウトミールの条件を簡潔に示すと以下のようになる。
《筋トレの成果を最大限に引き上げる理想的なプレワークアウトミールの条件》
- 筋分解の抑制&疲労回復の促進のために十分量のタンパク質を摂取すること
- トレーニング中のスタミナ維持のために十分量の炭水化物を摂取すること
- 十分な水分補給を事前に行っておくこと
これらの諸条件を満たす食事をトレーニング前に摂取しておくことで、コルチゾールの分泌を可能な限り抑制できる(=筋分解の抑制)だけでなく、トレーニングパフォーマンス(およびスタミナ)の向上・維持、トレーニング後の疲労回復の促進といった諸効果を期待することができる。
筋トレ中:BCAAおよびカーボドリンクを摂取する
トレーニング中は、BCAA(アミノ酸)およびカーボドリンク(糖分)を必要に応じて摂取することで、コルチゾールの分泌を最小限に抑えて筋分解を効果的に抑制できるだけでなく、トレーニングパフォーマンスを良好に維持できることが複数の研究報告[6,7,8]により明らかとなっている。
さらに詳しい内容について知りたい方は、以下の関連記事を参考にして下さい。
筋トレ後:ビタミンCを摂取する
トレーニングを実施することによるコルチゾールの分泌を効果的に抑制するもうひとつの方法が、筋トレ(前)後にビタミンCのサプリメントを摂取することである。
トレーニングを実施すると、コルチゾールの分泌量の増大に伴い、アナボリックホルモンであるテストステロン値が急激に低下することが分かっている[13]。
例えば、2014年に発表された研究報告[9]によれば、トレーニング前後にそれぞれ約500 mgのビタミンCを被験者らに摂取させたところ、コルチゾールの分泌が抑制され、トレーニング後のテストステロン値の急降下を抑制することができたと報告されている。
実際のところ私もビタミンCのサプリメントは欠かさずトレーニング前後に摂取している。
私が個人的に摂取しているビタミンCサプリメントは、NOW Foods のビタミンC1000である。このサプリメントの良さは何と言ってもそのコストパフォーマンスの良さにある。
ビタミンC1000mgあたり約5.5円という安さは大手他社製品(大塚製薬 ネイチャーメイド C500はビタミンC、1000 mgあたり9.7円)よりも安い。
1粒の大きさはやや大きいものの、たった1粒で1000 mgものビタミンCの摂取が可能であるため手軽さも高ポイントである。
なお、強い愛国心をお持ちの方は、国内ブランドである大塚製薬のネイチャーメイド C500をお勧めします。
タンパク質の摂取量について
ボディビルダーと言えば、プロテイン(タンパク質)とすぐに頭に浮かんできそうな程、ボディビル=プロテインというイメージは強く定着している。
事実、過去に海外でボディビルディングを行った経験を持ち、現在日本でパーソナルトレーナーをされているある方の(メルマガの)内容によると、筋肥大に最適なタンパク質の摂取量は1日あたりざっと体重(kg)×4 g以上は摂取すべきであるというだからただただ驚きの一言である。
これは、ナチュラルボディビルダーに推奨される1日あたりのタンパク質摂取量、1.2~2.2 g/体重 kg[10]という値をはるかに上回る。
その方曰く、体重×4 g以上というタンパク質の摂取量は、アメリカのアスリート選手に推奨されている値らしいのだが、少なくとも私はそのような大量のタンパク質の摂取を推奨する文献にこれまで一度もお目にかかったことがない。
アメリカのどこのアスリート選手だか知らないが、もしそのアスリート選手というのがユーザーであるボディビルダーであるのなら、話の辻褄はいろいろと合う。
というのも実際、ユーザーの場合は、ナチュラルよりも多くのタンパク質の摂取が推奨されている。
先述したとおり、ユーザーの場合、ナチュラルの場合に比べて筋タンパク質合成レベルが高く、そして、その高い状態が長時間持続する。
また、筋肉増強剤には、アミノ酸をはじめとする各栄養素をより効率的に新たな筋肉の合成に使用する効果があるため(すべての増強剤がこの効果を持つ訳ではないが)、ユーザーの場合はより多くのタンパク質の摂取が必要になるのである。
このような理由から、ユーザーの場合は1日に少なくとも6回程度のタンパク質の補給を行うことが望ましいとされているのである。
しかし、ナチュラの場合は、ユーザーの場合に比べ、筋肉の合成速度がはるかに緩やかであるため、筋肉の合成に使用されるタンパク質の量には限度がある。
また、2004年に発表された研究報告[11]によれば、ナチュラルの場合、筋タンパク質合成(筋肉の合成量)を最大化するには、食事と食事の間隔を最低でも4~5時間程度の間隔を空けることが望ましいとされている。
逆に、あまりに頻繁に食事を摂り、血中アミノ酸濃度が常に高い状態が維持されてしまうと、筋タンパク質合成の応答は著しく鈍化することが分かっている[12]。
このような理由から、ナチュラルの場合、1日に推奨されるタンパク質摂取量は、先ほど紹介したように体重(kg)×1.2~2.2 gとなる。
一方、ユーザーの場合は、体重(kg)×4 g程度、あるいはそれ以上のタンパク質の摂取が推奨されている(もちろん、筋肉増強剤の種類によって、上記の推奨摂取量は大きく異なる)。
ステロイド 無しで筋肥大効率を最大化する13のポイントのまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ナチュラルとユーザーの違いをはっきりと理解して、筋肥大をより効率的に達成できるトレーニングプログラムの作成をお手伝いする目的で本記事を執筆しました。
本記事で紹介した筋肥大における重要ポイントを以下にまとめておくので是非活用してください。
本記事のポイント
ナチュラルの場合、
- トレーニング頻度は週2~3回/各部位
- 各筋肉部位につき15~20セット前後/週
- 各種目のセット数は3~4セット
- 高強度にトレーニングを行う
- ケーブルよりもフリーウエイトを優先
- マシンよりもフリーウエイトを優先
- アイソレーション種目よりもコンパウンド種目を優先
- 綿密な計画によりオーバーロードを達成する
- プレワークアウトミールを必ず摂取する
- トレーニング中はBCAA&カーボドリンクを摂取する
- トレーニング前後はビタミンCを摂取する
- 1日に推奨されるタンパク質摂取量は体重(kg)×1.2~2.2 g
- 食事と食事の間隔は4~5時間程度空ける
<参考文献>
[1] Alexander C. Boivin (2016). The Effects of Resistance Training Frequency On Muscle Hypertrophy And Strength In Healthy Trained Individuals: Literature Review
[2] Raastad T,et al (2012) Powerlifters improved strength and muscular adaptations to a greater extent when equal total training volume was divided into 6 compared to 3 training sessions per week
[3] Dr. Willey (2011) How Anabolic Steroids Work
[4] http://www.jtsstrength.com/articles/author/mikeisraetel/
[5] Thomas R. Baechle,et al (2008) Essentials of Strength Training and Conditioning
[6] MacLean DA,et al (1994) Branched-chain amino acids augment ammonia metabolism while attenuating protein breakdown during exercise
[7] Carter J,et al (2003) Carbohydrate supplementation improves moderate and high-intensity exercise in the heat
[8] el-Sayed MS,et al (1997) Carbohydrate ingestion improves endurance performance during a 1 h simulated cycling time trial
[9] Vijayprasad S, et al (2014) Effect of vitamin C on male fertility in rats subjected to forced swimming stress
[10] Phillips SM (2014) Protein requirements and supplementation in strength sports
[11] Layman DK (2004) Protein quantity and quality at levels above the RDA improves adult weight loss.
[12] Julien Bohé,et al (2001) Latency and duration of stimulation of human muscle protein synthesis during continuous infusion of amino acids
[13] Vijayprasad S, et al (2014) Effect of vitamin C on male fertility in rats subjected to forced swimming stress