今回は、トレーニング効率を大きく左右する要素の一つトレーニング分割法(スプリット)の5つのバリエーションを紹介しよう。
コンテンツ
スプリットトレーニング(部位別 分割方法 )とは
スプリットトレーニングとは、全身の筋肉部位を分割してトレーニングのルーティンを決定し、計画的に各筋肉部位をトレーニングしていく方法の事である。
これから、代表的な分割方法を5つ紹介する。この中から自分にピッタリの分割法を見つけ出し、トレーニングをより効果的なものに変えていこう!
トレーニングの5つの 分割方法
- ブロスプリット(5分割)
- 大筋群分割法(4分割)
- プッシュ-プル-脚スプリット(3分割)
- 上半身-下半身分割法(2分割)
- 全身分割法(1分割)
1.ブロスプリット(Bro-Split)(5分割)
ブロスプリットとは、1回のトレーニングにつき1つの筋肉部位を鍛える分割法である。
大抵の場合、全身の筋肉部位を大胸筋、広背筋、三角筋、上腕、脚の5つに分割し、週に5回トレーニングを行う。残りの2日間はオフ日に充てる。
ナチュラルでないボディビルダーをはじめ、単一部位を多角度から徹底的に鍛えることのできる上級者に取り入れらている場合が多い。
ブロスプリットの利点
- 1日に1部位のみをターゲットとして鍛えるため、その部位を徹底的に追い込むことができる
- 1回あたりのトレーニング時間が短時間で済む
ブロスプリットの欠点
- ブロスプリットでは、各部位に対して1週間に1回しかアプローチを行わないため、各部位に対して休養時間が長くなり過ぎてしまい、筋肥大のペースがスローダウンする
5分割の一例
1日目 大胸筋
2日目 オフ
3日目 広背筋・僧帽筋
4日目 三角筋
5日目 上腕
6日目 脚・腹筋
7日目 オフ
- 各筋肉部位を徹底的に追い込みたい人
- 週5回トレーニングできる人
2.大筋群分割法(4分割)
この分割法では、1回のトレーニングに2つの部位をトレーニングする。
2つの部位の決め方は、大筋群のうちから1部位を選択し、もう1部位を小筋群から選択する。
大筋群とは・・・大胸筋・広背筋・脚・(場合により)三角筋・上腕三頭筋
小筋群とは・・・上腕二頭筋・(場合により)腹筋
4分割の一例
1日目 大胸筋+上腕三頭筋
2日目 オフ
3日目 三角筋+上腕二頭筋
4日目 広背筋+僧帽筋
5日目 オフ
6日目 脚+腹筋
7日目 オフ
大筋群分割法の利点
- 1回のトレーニングで鍛える筋肉を2部位に絞ることにより、1部位の当たりのトレーニングボリュームを高く維持することができる。
大筋群分割法の欠点
- プッシュ-プル-脚スプリット(以下記載)と同様、大筋群のトレーニング後には小筋群がある程度疲労した状態となるので、小筋群の発達に遅れが見られる場合は、小筋群からトレーニングを行う日を不定期に取り入れる必要がある(以下の関連記事を参照)。
- 週4回トレーニングする人
- 各部位をしっかりと追い込みたい人
3.プッシュ-プル-脚スプリット(3分割)
プッシュ(押す)-プル(引く)-脚スプリットとは、筋肉への刺激の与え方(プッシュ系、プル系種目)により、全身のトレーニングを3つに分割する方法である。
具体的には、大胸筋、三角筋、上腕三頭筋の3部位をプッシュの日(1日目)とし、広背筋、僧帽筋、上腕二頭筋の3部位をプルの日(2日目)とする。そして、3日目のトレーニングは脚と腹筋のトレーニングを行う。
プッシュ-プル-脚スプリットの利点
例えば、プッシュの日を例に挙げてみよう。
プッシュの日には、大胸筋からトレーニングを開始する。大胸筋を鍛える代表的な種目といえば、ベンチプレスやダンベルプレス等である。これらのプッシュ系種目を行うとき、上腕三頭筋や三角筋も補助筋として動作に関与する。
➡したがって、同一日にこれらの筋肉群をまとめて鍛えることで、合理的に各部位を追い込むことができる。
プッシュ-プル-脚スプリットの欠点
プッシュ日には、大胸筋、三角筋、上腕三頭筋を鍛えることになる。大胸筋のトレーニング後には補助筋肉群である三角筋および上腕三頭筋はある程度疲労した状態となる。この疲労状況下では、三角筋・上腕三頭筋を極限に追い込むことが難しい場合がある。
➡したがって、三角筋および上腕三頭筋の発達に遅れが見られる場合は、三角筋または上腕三頭筋からトレーニングを開始する日を不定期に設けたほうが良い場合がある。
3分割の一例
1日目 大胸筋・三角筋・上腕三頭筋(プッシュ日)
2日目 オフ
3日目 広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋(プル日)
4日目 オフ
5日目 オフ
6日目 脚・腹筋
7日目 オフ
- 限られた時間で合理的にトレーニングを行いたい人
- 週3回トレーニングする人
- 週6回トレーニングする人で高頻度で各部位を鍛えたい人
4.上半身-下半身分割法(2分割)
上半身-下半身分割法とは、全身の筋肉を上半身と下半身の2つの部位に分割し、1回のトレーニングに上半身あるいは下半身の筋肉を鍛える分割方法である。
上半身-下半身分割法の利点
全身の筋肉を上半身と下半身の2部位に分けてトレーニングを行うために、他の分割法に比べて脚(大腿四頭筋、カーフ、ハムストリングス、臀部)のトレーニング頻度が増し、脚の発達によりターゲットを絞りたい場合などにお勧めである。
上半身-下半身分割法の欠点
全身の筋肉を2つに分割してトレーニングを行うため、1回のトレーニング当たりのトータルボリュームが多くなり(例えば、上半身の日には、大胸筋、広背筋、三角筋、上腕の全てを鍛える必要がある)、各部位を追い込むことが難しい。
2分割の一例(週に2回トレーニングを行う場合)
1日目 上半身
2日目 オフ
3日目 オフ
4日目 下半身
5日目 オフ
6日目 オフ
7日目 オフ
2分割の一例(週に4回トレーニングを行う場合)
1日目 上半身
2日目 オフ
3日目 下半身
4日目 オフ
5日目 上半身
6日目 下半身
7日目 オフ
- 週2回トレーニングする人
- 週4回トレーニングする人で脚を特に強化したい人
5.全身分割法(1分割)
全身分割法では、全身の筋肉部位を1回のトレーニングで全て鍛える分割方法である。厳密には分割法とは言えない気もするが。
全身分割法の利点
- 1回のトレーニングで全ての筋肉群を鍛えるため、筋トレを始めて間もない初心者が全身の筋肉部位を満遍なく刺激し、全身の筋肉の発達を促すのに最適な分割法である。
- 各部位につき1~2種目で鍛えていくため、トレーニング種目のバリエーションが乏しくてもトレーニングを行える。
全身分割法の欠点
- 1回のトレーニングで全筋肉部位を鍛えるため、必然的に各部位当たりのトレーニングボリュームは少なくなるため、上級者には向かない。
- 週1回しかトレーニング出来ない人
- トレーニング初心者
- 週3回トレーニングする人
筋肉を最速で発達させるにはどうすれば良いか
筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出したい場合
筋肥大の成果を誰よりも早く手に入れたいのなら(筋肉を出来るだけ早期に付ける必要がある場合)、各部位を週2回鍛えるのが最も合理的な選択である。
➡トレーニング頻度の詳しい説明については、こちらの記事をご覧いただきたい。
というのも、筋肥大プロセス(筋タンパク質合成)は、筋トレ終了から約24時間経過した時点でピークに達し、約48時間経過後の時点でほぼ正常レベルにまで回復する。
管理人の現在のトレーニングスプリット
現在、私は自身の分割法として“大筋群分割法(4分割)”を採用している(ワークアウトサイエンスの最新のトレーニングスプリットについてはこちらの最新記事をご覧ください)。
そして、トレーニング頻度は週に5~6回程度である。というのも、1回のトレーニングで2つの筋肉部位を鍛えるのが私には最もしっくりとくるサイクルだからである。このしっくりくるというフィーリングが重要である。
表にすると以下のようになる。
4分割の応用例(管理人のワークアウトスケジュール)
2日目 広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋
3日目 三角筋・上腕三頭筋
4日目 脚・腹筋
5日目 オフ
7日目 広背筋・僧帽筋・上腕三頭筋
8日目 三角筋・上腕二頭筋
9日目 脚・腹筋
10日目 オフ
(以後、上記サイクルの繰り返し)
このように、4分割スプリットを1サイクルとし、サイクル間に1~2日のオフ日を設けることで、各筋肉部位を可能な限り高頻度で鍛えられるように工夫している。
これにより、筋肥大を加速させることができるのである。
分割方法 についてのまとめ
最も重要なのは、継続的にトレーニングを楽しめるようなスプリットを見つけることである。
上記で紹介した様々な分割法を試し、自分に最もしっくりとくる分割法を見つけ出し、筋肥大をさらに加速させていこう。
<オススメ記事>