睡眠 の質を飛躍的に高めて筋トレの成果を最大化する3つの方法

[記事公開日]2018/07/19

睡眠

 

筋肥大を最適化する上で睡眠が必要不可欠であることは広く知られているが、なぜ睡眠がそれほど重要なのか、そして睡眠の質を確実に高める3つの具体的方法を最新の文献データ[1~10]に基づいて紹介します。




筋トレをするなら睡眠の重要性を再確認しよう

就寝前

 

睡眠は誰もが必要とする時間帯であるが、トレーニングパフォーマンスをいかに高く保てるかが目標達成のカギとなるアスリートにとっては特に重要となる時間帯である[1]。

睡眠

 

例えば、ボディビルやフィジークといったコンテストの準備期間においては、睡眠時間や睡眠の質がコンテストの結果を大きく左右する要素であることが研究により明らかとなっている[2]。

オーバートレーニング

 

トレーニングを懸命に行う人たちの中には、(自身では気づいていないかもしれないが)オーバートレーニングの症状により、疲れているはずなのにぐっすり眠れないという不眠症状を抱える人も少なくない。

<オーバートレーニングかどうかを見極める5つのポイント>

 

 

さらに、睡眠の時間が不十分であったり睡眠の質が低下すると、ストレスホルモン“コルチゾール”の分泌量が増え[2]、最終的に空腹感や食欲を増大させてしまうことが研究により明らかとなっている[3]。

上記の内容からも想像がつくように、睡眠不足と肥満との間には強い相関関係があることが研究により明らかとなっているのだ[4]。

また、睡眠不足によりもたらされるトレーニング生活への悪影響はこれだけで終わらない。

 

 

睡眠 不足により脂肪燃焼効果が減少

体脂肪

 

一般に、睡眠中は基礎代謝量の約80%~90%のエネルギーが体脂肪の分解によりまかなわれていると言われている。
しかし、睡眠不足が慢性的に続くと睡眠中に消費される体脂肪の割合が低下し、その結果、糖およびアミノ酸(筋肉を分解)をエネルギー源として利用する割合が増えることが複数の研究報告[5]により明らかになっている。

つまり睡眠不足が長く続くと、体脂肪の分解量が減少すると同時に筋肉の分解量が増加するため、結果として、理想の体型を手に入れることがますます難しくなることは言うまでもないのである。

 

 

 

睡眠の質を飛躍的に高める3つの方法

 

睡眠



増量期間中であろうがコンテストに向けた減量期間中であろうが、上記理由により睡眠は常に重要な時間帯であることを忘れてはいけない。

そこで今回は、筋肥大効率を最適化する上で欠かせない「すぐに実践できる睡眠の質を飛躍的に高める方法」を科学的根拠に基づいて3つ紹介しよう。

 

 

就寝前に炭水化物とタンパク質を摂取する

 

2014年に発表された”アスリート選手を対象とした睡眠の重要性”を調査した研究報告[1]によれば、睡眠の質を効果的に高めるためのポイントとして以下の4点が挙げられている。

  1. 就寝前の白米などの高GI値の炭水化物は睡眠を促進する可能性があるが、就寝1時間前までに摂取しておく
  2. 就寝前のタンパク質の摂取は睡眠の質を高める
  3. 就寝前の脂質の過剰摂取は睡眠の質に悪影響を与える
  4. 減量時は睡眠の質が低下しやすい

 

さらに、前回記事<寝る前のプロテイン摂取は筋肥大を加速させるか、それとも太るか>で紹介した筋肥大効率を最適化するための就寝前の食事内容のポイント(以下記載)を改めておさらいしておくと、

  1. 寝る前に食事をしても太る原因にはならない
  2. 食事毎に最低20 gの良質なタンパク質を含める
  3. 就寝前には十分量の良質なタンパク質を摂取する
  4. 就寝時はカゼインプロテインを摂取する
  5. タンパク質と共に(少量の)炭水化物を摂取する

 

これら全てのポイントを考慮し、睡眠の質を高めつつ筋肥大効率を最適化するための就寝前の食事のポイントを簡潔にまとめると以下のようになる。

  • 就寝直前~1時間前にその日最後の食事を摂る

 

その食事内容は、

  • カゼインプロテインを20~40 g摂取する
  • バナナやおにぎりなどの比較的GI値の高い炭水化物を適量摂取する
  • 就寝前の脂質の摂取は最小限に抑える
  • 減量時は睡眠の質が低下しやすいので特に注意する
    ※空腹では就寝しない



プレワークアウトサプリのカフェインに注意

プレワークアウトサプリ

 

普段プレワークアウトサプリを摂取してトレーニングを行い、なおかつ睡眠不足や眠りの浅さにお悩みの場合、プレワークアウトサプリに配合されているカフェインがその睡眠障害の原因となっている可能性が大いに考えられる。

というのも、2013年に発表された”カフェインと睡眠の質との関係”を調査した研究報告[6]によれば、400 mgのカフェインを就寝6時間前に摂取した場合、カフェインを摂取しなかった時と比べて睡眠の質が顕著に低下することが明らかとなったという。

睡眠

 

また、カフェイン摂取による睡眠障害の程度には個人差があることが分かっているので[7]、カフェインを日常的に摂取する習慣がある人で、なおかつ睡眠に問題を抱えている場合は少なくとも就寝6時間前にはカフェインの摂取を控えるのが賢明であると考えられる。

 

プレワークアウトサプリの摂取はトレーニング(特に夜間にトレーニング行う場合)には欠かせないという人は、睡眠の質を害さないためにカフェインを含まないプレワークアウトサプリを自作してみると良い。

カフェインを配合しなくても、トレーニングパフォーマンスを効果的に高められるプレワークアウトサプリは格安で自作できるので是非一度検討していただきたい。

自作プレワークアウトサプリ詳しいレシピについては以下の記事を参考にして下さい。



就寝前のPC等の使用に気を付ける

睡眠

 

睡眠の質を高める最も効果的な方法のひとつは、寝る直前にPC、テレビ、スマホのディスプレイから発せられる光を極力浴びないようにすることである。

 

なぜなら、テレビ、PC、スマホといったディスプレイモニターから発せられるいわゆる青い光源(波長:約450 nm)には睡眠サイクルを乱す可能性があることが研究[8]により明らかとなっているからである。

そして、その影響は翌日に起こる眠気や翌日のエネルギー消費量の低下といった負の影響をもたらすことが分かっているのである[9]。

つまり、寝る直前までモニターから発せられる光を浴びすぎると、翌日の活動レベルが低下する可能性があるのである。

 

しかし、多忙な我々が仕事を終えてやっと一息つき、PCやテレビを見ながらつかの間休息を取るのは大抵の場合寝る直前である。

理想的には、就寝する1~3時間前はディスプレイを一切見ないようにするのが睡眠の質を高める上で最も確実な方法なのだが、これはあまりにも現実的な状況を反映したものではない。

 

そういった現実的な状況においてもすぐに試せるのが、青い光をカットしてくれる眼鏡(=ブルーライトカットメガネ)を購入するか、あるいは寝る前にPCやスマホを操作する場合はディスプレイの輝度を下げてディスプレイを薄暗くするのが効果的な方法となる。

ブルーライトカットメガネの効果については、就寝の3時間前から使用することにより、睡眠の質を改善する効果があるだけでなく、うつ病をはじめとする気分障害の抑制にも効果があることが研究により明らかとなっている[10]。

現在、ブルーライトカットメガネは広く一般に普及したこともあり、価格が非常に安価(2000円程度)となり、その費用対効果は”とてつもない”と研究報告では述べられている。

 

 

 

睡眠 の質を高める方法のまとめ

睡眠

 

これまでに紹介したように、睡眠不足はトレーニングにおいて最高の結果を目指す我々にとって大敵であることがおわかりいただけただろうか。

特に、コンテストに向けた減量期間中は睡眠不足の症状が顕著に現れる期間なので、今回紹介した3つの方法を実践して積極的に睡眠の質を改善していく取り組みが重要となる。

最後に、今回の記事の要点を分かりやすくまとめておこう。

睡眠不足による悪影響

  1. トレーニングパフォーマンスの低下
  2. エネルギー消費量の低下
  3. ストレスホルモン”コルチゾール”の分泌量の増加
  4. 睡眠中の脂肪燃焼効率の低下
  5. 睡眠中の筋肉分解の増加
  6. うつ病などの気分障害の誘発

そして、これらの悪影響を防ぐために就寝前にしておきたい対策が以下の3ポイントとなる。

 

睡眠の質を改善する3つのポイント

  1. 就寝前にタンパク質と炭水化物を摂取する
  2. 夜間のカフェイン摂取に気を付ける
  3. ブルーライトカットメガネを使用する

睡眠環境を最適化して筋肥大のポテンシャルを最大限に発揮してみよう!


参考文献

[1] Halson SL (2014) Sleep in elite athletes and nutritional interventions to enhance sleep

[2] Leproult R,et al (1997) Sleep loss results in an elevation of cortisol levels the next evening

[3] Leproult R,et al (2010) Role of sleep and sleep loss in hormonal release and metabolism

[4] Aldabal L,et al (2010) Metabolic, endocrine, and immune consequences of sleep deprivation

[5] Nedeltcheva AV,et al (2010) Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity. Ann Intern Med

[6] Drake C,et al (2013)Caffeine effects on sleep taken 0, 3, or 6 hours before going to bed

[7] Guimarães-Ferreira L,et al (2017) Role of Caffeine in Sports Nutrition

[8] Chellappa SL,et al (2013) Acute exposure to evening blue-enriched light impacts on human sleep

[9]Kayaba M,et al (2014) The effect of nocturnal blue light exposure from light-emitting diodes on wakefulness and energy metabolism the following morning

[10] Burkhart K,et al (2009) Amber lenses to block blue light and improve sleep: a randomized trial