一流のプロボディビルダーが行うトレーニング覗いてみよう!
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カルム・ボン・モガー (Calum Von Moger)とは
カルム・ボン・モガー(Calum Von Moger)は、1990年生まれオーストラリア出身のプロボディビルダーであり、14歳の時にボディビルディングを始めたという。
身長:188cm、体重:106~108 kg(コンテスト時)、117 kg(オフ時)という、規格違いの体の持ち主である。
ちなみにFFMI値は約28.5というから驚き(FFMI値って何?)。
<参考:FFMI値による筋肉発達レベルの指標化>
そんなカルム・ボン・モガーが”ARM DAY(腕の日)”に行っている、極太の上腕を手に入れるためのトレーニング種目とテクニックを丁寧に解説した動画を紹介します。
この動画を紹介しようと決めた理由
カルム氏が今回の動画で紹介している上腕トレーニングは、基本に忠実でありながら実践的なトレーニング内容であり、まるで教科書に載っていそうな”お手本のようなトレーニング”であったので、是非多くの人に知ってもらいたいという思いから今回はこの動画を皆さんに紹介することに決めました。
上腕(上腕二頭筋・三頭筋)ワークアウトのポイント
コンパウンド→アイソレーションの流れ
カルム氏によると、上腕トレーニングはコンパウンド種目から始め、アイソレーション種目に移行するメニューの組み方が好きとのこと。
コンパウンド種目から始めてアイソレーション種目に移行する流れはごく一般的なトレーニングメニューの組み方で、コンパウンド種目でまずはターゲット部位全体のサイズアップを狙い、次いでアイソレーション種目で(上腕二頭筋なら長頭と短頭を鍛え分けることで)細部を仕上げていくという流れである。
レップ数の範囲:6~12レップ、セット数:4~5セット
カルム氏はセット数が進むにつれてウエイト重量を増加させていくピラミッドセット法を採用している。
つまり、1~2セット目はウォームアップとして(あるいは事前予備疲労法を兼ねて)中重量(12~15 RMのウエイト)でマインドマッスルコネクションを駆使してターゲットをしっかりと意識し、3~5セット目(メインセット)に高重量(6 RM)を扱うことでターゲット部位を限界まで追い込むのである。
ここで少し豆知識
速筋線維(タイプ2b)を鍛えるには4~6回で反復限界となる高重量のウエイトを使用し、速筋繊維(タイプ2a)を鍛えるには12~15回で反復限界となる中重量のウエイトを使用すると良い。
つまり、ピラミッドセット法は速筋線維タイプ2aとタイプ2bの両方を鍛えて、筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出す、非常に理にかなったテクニックなのである。
ARM DAYのトレーニングメニュー
カルム氏の腕の日のトレーニングメニューは、上腕二頭筋をターゲットとする3種目、そして上腕三頭筋をターゲットとする3種目の合計6種目から成る。その6種目の流れを以下に示す。
第1種目:バーベルカール
- 5セット
- 1~2セット目:ウォームアップセット
- 3~5セット目:メインセット
1~2セット目は6~12 RMの範囲で自分に合った重量のウエイトを使用し、インターバルを短め(30~60秒)にとる。
3~5セット目は、高重量を扱うメインセットとなる(インターバルは1~2分)。
3、4セット目は8 RM程度のウエイトを使用してストリクトなフォームで動作を行う。
そして、最終セットの5セット目は、5 RM前後の高重量ウエイトを使用し、やや背中を反らせて反動を使って動作を行う(チートカール)。
チートカールを行う際は、ネガティブ動作をしっかりとコントロールして行い、長時間にわたり最大に近い張力で筋収縮を起こすことを目標とする(TUT)。
第2種目:プリーチャーカール
- 4セット
プリーチャーカールは(反動を使わないように)ストリクトフォームでマインドマッスルコネクションを駆使し、ターゲット部位をアイソレートするようにして動作を行う。
そして、トップポジションで上腕二頭筋を出来るだけ強く収縮させるようにする(ピークコントラクション)。
セット数を重ねるごとにウエイト重量を12 RM→8 RM→6RMというように段階的に増やしていく。
そして、4セット目(最終セット)はグリップ幅を狭めにとり、上腕二頭筋の長頭をターゲットとしている。
第3種目:コンセントレーションカール
- 4セット
カルム氏は、上腕二頭筋をコンセントレーションカールで締めくくるのが好きだという。
その理由は、コンセントレーションカールは二頭筋をアイソレートして鍛えるのに最適な種目であり、二頭筋のピークを作り上げるのに大きく貢献しているからだという。
コンセントレーションカールのポイントは、肩(三角筋)を動員しないように肩の力を抜いた状態でダンベルを挙上させることである。
カルム氏によれば、座って行うシーテッド・コンセントレーションカールはあまり好きではないという。
その理由は、二頭筋に強い刺激が感じられない点、ダンベルをスイングしてしまいがちになる点、そして背中を動員してしまいがちになる点が主な理由だという。
もし、コンセントレーションカールを座って行う場合に同じような問題点をかかえているのなら、一度コンセントレーションカールを立って行ってみてはいかがだろうか。
ダンベルの挙上は爆発的に行い、ボトムポジションに戻すときは、ネガティブ動作をしっかりと意識してゆっくりと行うようにする。
第4種目:フレンチプレス
- 5セット
フレンチプレスは別名、ライイング・トライセプス・エクステンションとも呼ばれる。
フレンチプレスは容易にオーバーロードが可能なコンパウンド種目であるため、上腕三頭筋の第一種目として採用している。
1、2セット目は軽め(12 RM)のウエイトでウォームアップを兼ねてターゲットをしっかりと温め、3、4セット目に高重量(5~6 RM)のウエイトでしっかりと刺激を送り込む。
フレンチプレスを行う際、バーベルをおでこの真上の位置に下げるようにすることで上腕三頭筋をより強烈にストレッチさせることができる。(高重量を扱う際は安全のためにスポッタを必ずつけよう)。
第5種目:オーバーヘッドダンベルプレス
- 5セット
このオーバーヘッドダンベルプレスは上腕三頭筋の長頭をメインターゲットとしている。
ポイントはストリクトフォームでフルレンジを心がけることである。
これまでと同じように1,2セット目はウォームアップを兼ねて軽めの重量(12 RM)で筋肉を温め、3セット目以降にしっかりと限界まで追い込むようにする。
第6種目:ディップス
- 4セット
上腕三頭筋トレーニングはディップスで締めくくる。
ディップスを行う時点で上腕三頭筋はかなり疲労した状態となっているはずである。この疲労状態でディップスを4セット、レップ数を決めずに限界回数に達するまで動作を継続する。
ディップスを行う際、15レップ以上容易にこなせる場合は、セット間のインターバルを短めにとることでトレーニング強度を高め、より強烈なパンプを得ることができるはずである。
以上、上腕を徹底的に鍛え上げるカルム・ボン・モガー直伝の腕の日トレーニングが終了となる。
上腕トレーニングの終わりに肩を触れるようならまだ上腕のパンプアップが足りない証拠である。
(半分冗談だと思うが)肩に手がタッチできなくなるまで上腕をしっかりパンプアップさせて初めて上腕トレーニングは無事終了する。
カルム・ボン・モガー の上腕トレーニングのまとめ
今回は、プロボディビルダー【カルム・ボン・モガー】の上腕トレーニングを紹介しました。
今回のトレーニングは非常にオーソドックスでありながら、上腕のサイズアップを効率的に目指すためのエッセンスが多く含まれているので、上腕のサイズアップに悩んでいるトレーニーはこのトレーニングを週に1回程度、腕の日と称して取り入れてみてはいかがだろうか。
➡<参考>上腕二頭筋を科学的アプローチで徹底的に鍛え上げるトレーニング種目と筋トレ方法
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実際の動画をご覧になりたい方はこちら(bodybuilding.com海外サイト)からどうぞ。