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マインドマッスルコネクション とは
![](https://i1.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/01/weightlifting-2227543_1920-min-e1515500262822-300x256.png?resize=487%2C415&ssl=1)
マインドマッスルコネクションとは、“筋肉と意識を連結させること”を意味する。
すなわち、効かせたい筋肉をしっかりと意識しながらトレーニングを行うことを意味する。
マインドマッスルコネクションを正しく行うには、集中力を持続させる必要がある。
![](https://i2.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/05/thinking-min.png?resize=600%2C375&ssl=1)
かく言う私も、何か心配するような不安事があるときは、トレーニング自体の集中力が欠如し、ターゲット部位を強く意識することをつい忘れてしまいがちになる。
トレーニングを行う限り、最大限の成果が得られるように最善を尽くすべきなのだから。
それでは早速、マインドマッスルコネクションの効果を科学視点から検証することにしよう。
マインドマッスルコネクションは科学的観点から筋肥大に本当にプラスの効果をもたらすのか
![ボディビル](https://i2.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/05/biceps-min.jpg?resize=590%2C403&ssl=1)
マインドマッスルコネクションを対象とした研究は多くなされており、ターゲット部位を強く意識することで、さほど意識していない時に比べて、より強くターゲット部位を活性化させられることが多くの研究報告で明らかとなっている[1~3]。
これは、マインドマッスルコネクションを駆使してターゲット部位を強く意識することで、その部位に最大負荷を加えることができるようになると同時に、非ターゲット部位の関与を減らすことができるためである。
意識を変えるだけでもターゲット部位は変化する
![](https://i2.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/02/AdobeStock_188440974-コピー-min.jpeg?resize=552%2C368&ssl=1)
マインドマッスルコネクションに関する興味深い実験結果[1]がある。
実験では被験者に以下に示す3種の異なるベンチプレスを行わせた。
- 通常のベンチプレス
- 大胸筋をターゲットとして意識して行うベンチプレス
- 上腕三頭筋をターゲットとして意識して行うベンチプレス
この際、被験者には1RMの20、40、50、60、80%の5種の異なる重量のバーベルを使用してもらい、上記3種のベンチプレスを行ってもらった。
実験結果
その結果、1RMの20~60%のウエイト重量の範囲において、ターゲットとして意識した筋肉部位がより強く活性化されたという。
➡つまり、上腕三頭筋をターゲットとして意識したベンチプレスを行った場合は上腕三頭筋がより強く活性化され、逆に、大胸筋をターゲットとして意識したベンチプレスを行った場合は、大胸筋がより強く活性化されたという。
1RM重量の60 %程度の負荷を用いてトレーニングを行う場合(一般的な筋肥大トレーニング)、ターゲットとする部位を強く意識することによりその部位が強く活性化されることが科学的に認められたのである。
マインドマッスルコネクションにより、ターゲット部位を強く刺激できることは分かったが、これにより筋肥大は促進されるのか?
そんな疑問が出てくるのも当然である。
筋肉は強く活性化されると筋肥大は起こるのか
![](https://i0.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/05/musclefiber-min-1.jpg?resize=565%2C345&ssl=1)
マインドマッスルコネクションと筋タンパク質合成を直接的に関連付ける研究報告は現在のところ見当たらない(2018年に遂にマインドマッスルコネクションにによる筋肥大効果が確認された(後述))のだが、その関連性を強く示唆する研究報告[2]をひとつ紹介しよう。
研究内容
被験者に上腕三頭筋の特定部位を刺激するトレーニングを一定期間(12週間)行わせ、トレーニングのセッション毎にその部位が強く活性化していることを確認し、12週間後の測定日にその部位で筋肥大が起こっているかを調査した。
実験結果
トレーニングにより強く活性化した部位において、顕著な筋肉量の増大(筋肥大)が認められた。
➡つまり、筋肉を強く活性化させることにより(筋肉に強く刺激を送り込むことにより)、筋肥大が促進される可能性が極めて高いという結果が得られたのだ。
マインドマッスルコネクション に関する最新の調査報告(2018年版)
![マインドマッスルコネクション](https://i0.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/01/mindmuscle-min.png?resize=644%2C479&ssl=1)
2018年に発表されたマインドマッスルコネクションにより筋肉量が顕著に増大したことを示す研究報告[3]を紹介しよう。
![テストステロンを爆発的に増やす](https://i1.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/04/armcurl.jpeg?resize=599%2C399&ssl=1)
研究報告によれば、若年男性30名を2グループに分け、一方のグループにはターゲット部位を強く意識してトレーニングを行わせ(マインドマッスルコネクショングループ)、もう片方グループにはとにかくウエイトを挙上させることに意識を集中させ(非マインドマッスルコネクショングループ)、8週間にわたり8~12レップの範囲でアームカールを行わせた。
その結果、非マインドマッスルコネクショングループの上腕サイズの増加率が6.9%であったのに対して、マインドマッスルコネクショングループの上腕サイズの増加率は12.4%となり、マッスルマインドコネクションを駆使することで筋肉量が顕著に増大することが証明されたのだ。
マインドマッスルコネクションは、1~5レップしか反復できないような高重量トレーニング(筋力アップトレーニング)においては、その効果は現在のところはっきりとは分かっていない。
これは、高重量を扱うトレーニングでは、ターゲット部位を意識するよりも優先的にウエイトを挙上することにより集中するようになるからだと考えられる。
![](https://i0.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/05/upperb-min.jpg?resize=633%2C361&ssl=1)
しかしながら、一般的な筋肥大トレーニング(6~12 RMのウエイトを用いたトレーニング)においては、マインドマッスルコネクションにより筋肉を強く活性化させられることの科学的裏付けが取れているため、ターゲットとなる部位を意識してトレーニングを行うことで筋肥大を増大させることができる。と言えるだろう。
結論: マインドマッスルコネクション は筋肥大を誘発する
![ベータアラニン](https://i2.wp.com/workout-science.com/wp-content/uploads/2018/06/chestfry-min.jpg?resize=597%2C398&ssl=1)
高重量トレーニング➡パワーを出し切ることを最優先に考える。
筋肥大トレーニング➡ターゲット部位をしっかりと意識し、マインドマッスルコネクションを駆使することで筋肥大を加速させることができる。
科学的にマインドマッスルコネクションは確かに効果がある。
参考文献
[1] Ranganathan VK, et al (2004) From mental power to muscle power–gaining strength by using the mind [2] Calatayud.J, et al (2016) Importance of mind-muscle connection during progressive resistance training [3] Brad Jon Schoenfeld (2018) Differential effects of attentional focus strategies during long-termresistance training