上腕二頭筋 を科学的アプローチで徹底的に鍛え上げるトレーニング種目と筋トレ方法

[記事公開日]2018/02/25
[最終更新日]2018/09/04

筋トレでパワーアップ

見事に鍛え上げられた極太の上腕二頭筋はまさに男らしさの象徴であり、トレーニーであれば誰もがそんな極太の上腕二頭筋を手に入れたいと思っていることだろう。

そこで今回は、腕周り40 cmオーバーの上腕二頭筋を作るのに必要なポイントを紹介しよう!

科学的根拠に基づき、かつパーソナルトレーナーである管理人の経験をふんだんに盛り込んだ極太の上腕二頭筋を作り上げる重要ポイントを全て吸収しきって頂きたい。






上腕二頭筋 の基本構造

上腕二頭筋

画像引用:en:Anatomography

 

上腕二頭筋は”にとうきん”と呼ばれる事からも分かるように2つの筋肉部位、長頭と短頭から構成される(上図)。

そしてこの長頭と短頭の基本的な役割は「肘を曲げる」ことである。

しかし、あとほんの少しだけ踏み込んで理解しておけば上腕二頭筋のトレーニング効率は爆発的に向上するので少しだけ我慢してお付き合いいただきたい。

 

長頭の役割(赤色の筋肉)

長頭

長頭は上腕二頭筋のピークを作り上げる筋肉部位

長頭の作用

  • 肘の屈曲作用(肘を曲げる動作:アームカールを行う動作)

 

例えば、バーバルカールを行うと長頭と短頭の両方がその動作に関与するが、肘の屈曲作用においては長頭がより高い割合で関与する。つまり強いて言うならば、バーベルカールは長頭をターゲットとした種目であると言える。

 

 

短頭の役割(緑色の筋肉)

短頭

短頭は身体を正面から見たときの上腕の厚みを決定づける筋肉部位

短頭の作用

  • 肘の屈曲作用(肘を曲げる動作:アームカールを行う動作)
  • 前腕の回外(下に向けた手のひらを上に向けるときの動作)

 

ダンベルスピネイトカールのように前腕を回外させる場合は短頭がより高い割合で関与する。

なぜなら前腕の回外作用は上腕二頭筋の短頭がその役割を担っているからである。

➡したがって短頭をターゲットとする場合はトレーニングに旋回運動を取り入れることが重要となる。

 

これらの事柄からも分かるように上腕二頭筋全体(長頭と短頭)を効率的に発達させるには長頭と短頭の両方をバランスよく鍛え上げられるトレーニングメニューを組むことが重要となる。

 

ここまで読んで頂いて本当に有難く思います。上腕二頭筋の基本構造はこれだけ理解しておけば十分なので、ここからは上腕二頭筋を最も効率的に鍛える方法を見ていくことにしよう(所要目安時間:3分 )。



上腕二頭筋 を最も合理的かつ効率的に筋肥大させる方法は?

筋トレでパワーアップ

 

2007年に発表された研究報告[1]によると上腕二頭筋は主として速筋(タイプⅡ)で構成されているため、上腕二頭筋を効率的に筋肥大させるには積極的に高重量トレーニングを取り入れるべきであると結論付けられている。

時たま「上腕二頭筋は高レップでトレーニングをする方が上腕二頭筋に効かせられる」などという記述を見かけることがあるが、前回の上腕二頭筋の記事でも紹介した通り高レップのトレーニングだけでは筋力の向上は見込めない。

事実、上腕二頭筋を鍛える場合ウエイト重量が増えるにつれて上腕二頭筋がより強く活性化されるという報告もある[2]。

 

さらに一般的に、筋肉はトレーニング後半よりも前半においてより強い筋力を発揮することができるため高重量トレーニングはトレーニングの前半で行うべきであると報告されている[3]。

 

これらの事を総括すると上腕二頭筋を効率的に鍛えたい場合は、まず高重量ウエイトでトレーニングを行い上腕二頭筋全体をアプローチした後、トレーニング後半に差し掛かるにつれ長頭と短頭のそれぞれにターゲットを絞った種目を選択するのが良いだろう。

 

上記の事柄を踏まえた上で、上腕二頭筋を最も効果的に鍛えるメニューを組んでみよう!

 

上腕二頭筋 の理論的トレーニングメニュー

 

1種目目:バーベルカール(両頭)

アームカール ​​

バーベルカールは高重量のバーベル(5~8 RM)を使用することで長頭と短頭の両頭を容易にオーバーロードさせることができる。

 

ポイント
スポッタ(補助者)の利用が可能であればポジティブ動作時はスポッタの力を借りウエイトを挙上させネガティブ動作時は重力に逆らうようにして可能な限りゆっくりとウエイトを降ろすようにする。

 

数多くの研究報告によりコンセントリック収縮(ポジティブ動作)とエキセントリック収縮(ネガティブ動作)の両方のムーブメント(運動)において筋肥大の効果が確認されている。

しかしながらエキセントリック収縮(ネガティブ動作)が筋肥大に大きく寄与するという報告が多くなされていることから、ネガティブ動作を特に意識してウエイト挙上を行うことが上腕二頭筋全体に強い刺激を送り込み、筋タンパク質合成を増大させる合理的方法である。

アームブラスター

 

また、バーベルカールを行う際に肘が動き、上腕二頭筋に上手く効かせられない人はアームブラスターを利用することで、肘のポジションを強制的に固定して正しいフォームでバーベルの拳上を行うことができるので強烈な刺激を上腕二頭筋に加えることができる。

 

 

2種目目:インクラインダンベルカール(長頭)

​​

インクラインダンベルカール

 

2種目目は長頭をターゲットとしたインクラインダンベルカールを行う。

 

ポイント

インクラインダンベルカールを行うと長頭と短頭の両頭に刺激が加わるが、上腕二頭筋の構成上インクラインのポジショニングでは長頭がより強烈にストレッチされ、長頭により強い刺激が加わる。

 

 

3種目目:コンセントレーションカール(短頭)

コンセントレーションカール

 

3種目目は短頭をターゲットとしたコンセントレーションカールを行う。

2000年に発表された研究報告[2]によるとコンセントレーションカールは上腕二頭筋を最も強く活性化させることのできる種目であると結論付けられている。

さらに冒頭でもちらっと紹介したが上腕二頭筋の構成上、短頭により強い刺激を送り込むにはコンセントレーションカールに旋回動作を取り入れたダンベルスピネイトカールを行うことで短頭を最も強く刺激することができる(研究報告[3])。

 

ダンベルスピネイトカール

 

手のひらを内側に向けた状態からダンベルを挙上させるにつれ、手のひらを外側に向ける回転動作を加えて行うコンセントレーションカールのバリエーション。

 

さらに、コンセントレーションカールのポジショニングでは動作時に肩の関与を最小限に抑えることができるため、上腕二頭筋を理想的にアイソレートして鍛えることができるメリットもある。

 

 

4種目目:ライイングケーブルカール(追い込み)

 

4種目目は​​追い込み種目としてライイングケーブルカールを行う。

ライイングケーブルカールを行うのメリットは主に2つある。

ライイングケーブルカールの2つのメリット

メリット1. 上腕二頭筋をアイソレートできる

ひとつ目のメリットはライイングポジションを取ることによって(上図)、肩(の筋肉)の関与を最小限に抑えることができ、上腕二頭筋をアイソレートして鍛えることができる点である。

 

メリット2. 負荷が筋肉から抜けない

ふたつ目のメリットはケーブルを使用することによって全可動域においてターゲット部位から負荷が抜けてしまうのを防ぐことができる点である。これによりターゲット部位にテンションをかけ続けることができる。

 

一度試してみると、通常のケーブルカールを行う場合よりも強烈に二頭筋を収縮させることができ、かつ身体の余計な反動を最小限に抑えられるのが分かるはずである。

グリップは肩幅~肩幅のやや狭めに設定する。グリップ幅が狭くなるにつれ長頭がより強く刺激されるようになる

追い込み種目として、強いパンプ感を得るために12~20レップスを目安に4セット程度行い、ピークコントラクションを取り入れてトップポジションで上腕二頭筋を強く収縮させた状態を1~2秒程度維持させると良い。

<参考>上腕のサイズアップに悩んでいるなら高レップ(20 RM)トレーニングを取り入れてみよう

 

 

効果的な上腕二頭筋トレーニングのまとめ

上腕二頭筋

 

今回は、科学的アプローチで徹底的に上腕二頭筋を鍛え上げる方法を紹介した。ゴリゴリとしたフォルムの上腕二頭筋を手に入れるには長頭と短頭のそれぞれにアプローチを図ることが重要となる。

これらの知識を駆使して極太かつゴリゴリの上腕二頭筋を手に入れよう!




参考文献
[1] Srinivasan RC, et al (2007) Fiber type composition and maximum shortening velocity of muscles crossing the human shoulder

[2] Dahmane R et al. (2005) Spatial fiber type distribution in normal human muscle Histochemical and tensiomyographical evaluation

[3] Simão R et al. (2012).Exercise order in resistance training

[4] Staudenmann D, et al (2015) Brachialis muscle activity can be assessed with surface electromyography.