腹筋を割るためには、第一に食事管理が重要と言われる。確かに、体脂肪を落とせば自然とシックスパックは姿を現し始める。
実際のところ、フィジーク選手の中には週6のトレーニングのうちの1日を腹筋だけのトレーニング日に充てている選手がいることを考えると、腹筋のトレーニングに費やす時間をしっかりと確保することが見事な腹筋を作り上げる何よりも確実な方法であると言える。
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疑問1.なぜ 腹筋 を発達させるために高強度トレーニングが必要なのか?
腹筋は、速筋線維と遅筋線維とがほぼ同じ割合で構成されているため、速筋線維と遅筋線維の両方から構成される腹筋を効率的に肥大させるには速筋線維に働きかける高負荷トレーニングと、遅筋線維に働きかける中負荷トレーニングをバランス良く組み合わせることで、腹筋を大きく肥大させることができるのである。
疑問2.デッドリフトやスクワットといったヘビーコンパウンド種目をメニューに取り入れている限り、 腹筋 も同時に鍛えられるのでは?
確かに、私の通うジムにもデッドリフトで十分に腹筋も鍛えることができるため、腹筋のトレーニングをわざわざする必要はないと主張するトレーナーもいる。
しかしながら、バックスクワットと自重シットアップによる腹筋の活性度合いを調査した最近の研究報告[1]によれば、自重トレーニングであるシットアップは、バックスクワットに比べて、およそ2倍の活性度が得られたという。
疑問3. 腹筋 トレーニングに最適な頻度とレップ数は?
腹筋を最速で発達させたい場合のトレーニング頻度
腹筋を最速で肥大させたい場合、週に3~4回程度鍛えることが合理的であると考えられる。週に5~6回トレーニングを行っている場合は1日置きに腹筋を鍛えるのが目安となる。
腹筋トレーニングのレップ数
レップ数の目安としては、長年の経験と研究から筋肥大に最も効果的であるとされる5~12レップスの範囲で行うようにする。この時のポイントは、レップ数に変化を付けることである。
筋肥大に最適なレップ数の考え方についてはこちらの記事を参考にして頂きたい。
疑問4. 腹筋を最大限に活性化させる高強度トレーニング種目とは?
今回は、腹筋を腹直筋上部、腹直筋下部、腹斜筋の3部位に分けて考え、科学的観点に基づいて各部位を最も活性化することのできる腹筋種目を紹介しよう[2]。
腹直筋上部
V字クランチ
腹直筋下部
ハンギングレッグレイズ
腹斜筋
ダンベルサイドベント
疑問5.筋肥大に効果的な腹筋のトレーニングメニューは?
上記3種のトレーニングを各3~4セット、週に2~4回程度行う。
腹筋メニューの具体例
- V字クランチ 4セット
- ハンギングレッグレイズ 4セット
- ダンベルサイドベント 4セット
さらに、必要に応じて腹斜筋をターゲットとするダンベルサイド、ツイストクランチまたはハンギングワイパー(上図)を取り入れると良い。
以下に、クランチ種目とレッグレイズ種目のバリエーション例を挙げておく。
クランチ種目
- (ノーマル)クランチ
- アブドミナルクランチ
- アブローラー
- ケーブルクランチ
- V字クランチ
レッグレイズ種目
- ハンギングレッグレイズ
- ハンギングレッグツイスト
- ドラゴンフラッグ
- レッグレイズ
誰もがうらやむボコボコに割れた腹筋を手に入れるためには継続的な努力が必要不可欠である。
自重の腹筋トレーニングに合わせて、ウエイトを使用した高強度な種目も積極的に取り入れていこう。
腹筋全体を高強度に追い込むことのできる上記のトレーニングメニューを是非とも試して頂きたい。
参考文献
[1] Aspe RR, et al (2014) Electromyographic and kinetic comparison of the back squat and overhead squat. [2] Boeckh-Behrens and Buskies (2011) SuppVersity EMG Series – Rectus Abdominis, Obliques and Erector Spinae: The Very Best Exercises For Sixpack Abs and a Powerful Midsection