<現役ボディビルダー仲間に質問してみたシリーズ第一弾>
本記事では、私のライバルであり良き友人でもある現役ボディビルダー、フィジーカーと上腕(上腕二頭筋、上腕三頭筋)を太く大きく発達させるために普段どんなテクニックを使用し、どんな点に気を付けてトレーニングに取り組んでいるのかについて合同ワークアウト後に意見を交換したのでその内容を紹介したいと思う(議事録形式)。
コンテンツ
上腕二頭筋・三頭筋を大きく発達させるトレーニングのコツおよび種目は?
今回は、現役のボディビルダー、フィジーカー、そしてパーソナルトレーナーのそれぞれが使用する上腕トレーニングのテクニックを覚えている限り、全て箇条書きにて列挙する。
各3名のトレーニングに対するテクニックや考え方の違いがよくわかるようにシンプルにまとめているので、自身のトレーニングに応用できそうなポイントがあれば積極的に取り入れていただきたい。
現役ボディビルダー が使用する上腕トレの具体的テクニック
- 大会での入賞経験あり(IFBB)
- 20代後半
上腕トレーニングの頻度
- 週に2回“腕の日”を設けて上腕二頭筋・三頭筋をまとめてトレーニング
高重量種目から始める
上腕二頭筋の第1種目はストレートバー・バーベルカール、そして上腕三頭筋の第1種目はクロースグリップ・ベンチプレスまたはディップスから始めることが多い。
ディセンディングピラミッド法を取り入れている
ウォーミングアップ後、1セット目でMAX重量のウエイトを扱い、セット数を重ねるごとにウエイト重量を徐々に下げていく方法を取ってる。
ネガティブ動作を重視
プリーチャーカールを行う際は、スポッタ(補助者)にバーを手で押し下げるように頼み、その負荷(ウエイトの負荷とスポッタが押し下げる力)に耐えるようにしてネガティブ動作を特に意識してウエイトの挙上を行っている。
ストリクトフォームが大原則
常に正しいフォームで動作を行うこと心がけている。
記録ノートをつけている
トレーニングで扱うウエイトの重量およびセット数をノートに記録している。
さらに、オーバーロードの原則に従い、トレーニング毎にセット数を徐々に増やすようにトレーニングサイクルを組んでいる。
また、トレーニング記録を残すことで日々の成長を客観視し、漠然としがちな目標を常に明確にしてトレーニングに取り組んでいる。
フィジーカーが使用する上腕トレの具体的テクニック
- 大会での入賞経験有り
- 20代後半
新鮮な刺激を重要視している
トレーニングメニューが単調にならないように毎回異なる刺激を送り込むように心がけている。例えば、日によって上腕二頭筋の長頭と短頭のどちらをターゲットとするかを明確に決め、トレーニング種目やグリップ幅を変えて、毎度のトレーニングが決して同じにならないように心がけている。
12~15 RMの高レップトレーニングが中心
特に上腕のトレーニングにおいては高重量トレーニングをトレーニングの前半に素早く終わらせ、高レップ(12~15レップス)トレーニングに多くの時間を割くようにし、筋肥大に特化したトレーニングを行っている。
<参考>上腕のサイズアップに悩んでいるなら高レップ(20 RM)トレーニングを取り入れてみよう
上腕を鍛える高重量種目
上腕トレーニングにおいて高重量を扱うのは上腕三頭筋を鍛えるクロースグリップ・ベンチプレスと上腕二頭筋を鍛えるバーベルカールが主である。
スポッタの存在は重要
高重量トレーニングを行うときは、必ずスポッタを付けるようにしている。スポッタがいることによりフォーストレップが可能になりトレーニングのパフォーマンスが飛躍的に向上する。
<参考>トレーニングパートナーの存在はトレーニング強度およびボリュームを増大させる効果がある
パンプ種目は必須
彼の経験上、腕を大きく成長させたいなら強烈なパンプが得られるように筋肉を長時間強い緊張状態に置くようにトレーニングを行うべきとのこと。
例えば、ケーブルエクステンションで限界回数に達したら、そこからパーシャルレップで可動域を一部に限定して(狭めて)さらに5レップ追加してターゲット部位をパンプさせる。
➡<参考>筋肉の緊張持続時間(TUT)を長く取ると筋肥大は加速する
彼の考えでは、上腕トレーニング終了後に強烈なパンプ感が得られない場合はトレーニング方法(特にレップ数)を見直した方が良いとのこと。
強いパンプ感が思うように得られない場合は、低レップばかりでトレーニングを行っていないか?あるいは可動域が狭すぎないか?をチェックすると良い。
その他のテクニック
- ドロップセット法を多用している
- レストポーズ法を多用している
強烈なパンプ感を得るために、レストポーズ法におけるセット間のインターバルは5~10秒程度と短く設定し、これを3セット連続して行うようにしている。
レストポーズ法とは
レストポーズ法とは、8 RMのウエイトを使用して限界回数までウエイトを挙上した後、10秒程度の短いインターバルの後にすぐさま同じ重量のウエイトを使用して限界回数まで再度ウエイトの挙上を続け、これを2~3回繰り返すテクニックである。
レストポーズ法の効果
- 短いインターバルを挟んでセット数を重ねるのでターゲット部位を強烈に追い込むことができる
- インターバルを短く取ることでトレーニング強度を飛躍的に高めて筋肥大を誘発できる
パーソナルトレーナーが使用する上腕トレの具体的テクニック
- 来季大会での入賞を目指す(INBA)
- 20代後半
上腕のトレーニング頻度
- 週に2回、上腕二頭筋は広背筋の後、上腕三頭筋は大胸筋の後にトレーニングを行う。
- 腕の日を不定期で取り入れている。
高重量種目から始める
上腕三頭筋は、加重ディップスまたはクローズグリップ・ベンチプレスから、上腕二頭筋はネガティブ動作を意識したストレートバー・バーベルカールを行う。
そして、両トレーニングにおいて可能な限りスポッタを利用してフォーストレップを利用し、限界を超えるように心がけている。
フルレンジモーションと基本とし、ピークコントラクションを強く意識
高重量トレーニングと中重量トレーニングの割合はそれぞれ50%、50%、つまりトレーニングの前半は高重量トレーニング(チートも使用)、そしてトレーニング後半は8~16 RMのウエイトを用いて、正しいフォームで動作を行う。
パーシャルレップを多用する
ウエイトの反復が限界回数に達したら可動域を狭めて5+レップス追加してさらに追い込む。
TUTを長く取るように意識
トレーニング後半はレップ数と筋肉の緊張持続時間(TUT)により重点を置き、いかにして強いストレスを筋肉に与えられるかを考えながらトレーニングを行っている。
マインドマッスルコネクションを意識する
マインドマッスルコネクションを強く意識してターゲット部位に集中することで、ターゲット部位に最大負荷が加えられるのと同時に、他の部位に加わる負荷を減らすことができるようになる。
これにより、ターゲット部位をより強く収縮させ、強い刺激を加えることができるようになる。
<参考>マインドマッスルコネクションで筋肉と意識を連結させる
まとめ
今回はトレーナー同士の会話を議事録のような形式で紹介してみた。
他の人が使っているテクニックを実際に知ることで、これまで自分ではあまり積極的に取り入れてこなかったテクニックや種目を取り入れる機会が生まれる。
これにより新たな刺激が生み出され、さらなる筋肥大を誘発させることができるはずである。
我々の会話の中に少しでも役立つ何かが埋もれていたら大変うれしく思います。