今回の記事では、
- 3分割の筋トレで筋肥大は可能か
- 筋肥大の成果を大きく左右するトレーニングボリューム
- 筋肥大に効果的なトレーニング頻度
の3点に着目し、3分割の筋トレで筋肉量を最大限に増やすための具体的な筋トレメニューを最新の文献データ[1~7]を基にして詳しく解説します。
コンテンツ
3分割の筋トレ
世の中の全ての人たちが週5や週6で筋トレを行える訳ではない。仕事や家庭等の事情によりトレーニングを行う時間が取れない場合だってある。
それに、世の中の全ての人たちが週5や週6で筋トレを行いたい訳ではない。筋トレの他にも素晴らしい趣味を持っている場合もあるだろう。
しかし、週3回という限られた時間の中で筋肉量を最大限に増やしたいという目的は両者とも同じのはずである。
3分割の筋トレ で筋肥大は可能か
週3回の筋トレで本当に筋肥大は可能なのか疑問に思う人は多い。
しかし、これまでに発表された多くの研究報告[1~3]により週3回の筋トレで筋肥大を引き出していくことは十分に可能であることが分かっている。
トレーニングボリュームこそ筋肥大の主要ファクター
当サイトを長く利用して下さっている方はもうお気づきかもしれないが、筋肥大の成果を大きく左右するキーファクターは、実のところトレーニングボリュームである。
<トレーニングボリュームこそが筋肥大を誘発する最重要ファクター>
トレーニングボリュームは、レップ数×使用ウエイト重量×セット数で定義される量であり、いわばトレーニングにおける総負荷量である。
つまり、筋肉を増やしたければ、トレーニングボリュームを増やすように筋トレを行えば良いのである。
トレーニングボリュームを増やすには、使用ウエイト重量、レップ数、セット数のいずれか(または全て)を増加させていけば良い。
つまり、以前扱ったウエイトよりも重いウエイトを、より高回数、そしてより多いセット数こなしていくことで、筋肉は徐々に増えていくのである。
そして、筋肉を確実に増やすためには、筋肥大を誘発するのに十分となるトレーニングボリューム(後述)を週単位で確保していくことが重要となるのである。
週単位でトレーニングボリュームを確保?
勘が鋭い方は、なぜトレーニングボリュームを1日単位ではなく、週単位で確保するのかと疑問に思われているかもしれない。
これには理由がある。
つまり、どれだけの筋肉を増やせるのかについては、トレーニング頻度よりも週あたりのトレーニングボリュームがより重要なファクターとなるのである。
とは言ったものの、現実はもうほんの少しだけ複雑な要素が絡んでくる。
高頻度トレーニングVs低頻度トレーニング
週あたりのトレーニングボリュームが等しくなる限り、得られる筋肉増加量はほぼ等しくなることはたった今紹介した通りである。
しかし、多くの研究報告[4,5]では、筋肥大の効果をより高めるには、週あたりのトレーニング頻度は各筋肉部位につき週1回よりも週2回が推奨されている。
というのも一般に、高頻度でトレーニングを行えば週あたりのトレーニングボリュームは、低頻度でトレーニングを行う場合よりも増大する傾向にある。
良く考えれば当たり前のことである。
高頻度トレーニングの方が筋肥大効率は良い
とは言いつつ、筋肥大を究極的に狙いにいくには、やはり高頻度トレーニングが適していると言えるだろう。
例えば、週1回のトレーニングで週2回分のトレーニングボリュームを確保しようとすると、単純計算で2倍のセット数をこなす必要がある。
普段、週2回のトレーニングで1種目につき4セット行うのなら、週1回のトレーニングでは8セットこなさなければならなくなる。
さらに、2015年に発表された研究報告[8]においても、週あたりのトレーニングボリュームが等しい場合、トレーニング頻度を増やして1回のトレーニングあたりのセット数を少なく設定した方が、トレーニングパフォーマンスを高く維持することが容易となり、結果として最大筋力の向上、回復能力の向上、そして筋量増加の促進のいずれにおいてもより効果的であることが実証されている。
こういった理由から、トレーニングを高頻度で行えば1回のトレーニングで行うセット数を減らしつつ、疲労蓄積や怪我のリスクを抑えながら、週単位のトレーニングボリュームを効率的に増やすことができるという点で、高頻度トレーニングがより筋肥大に効果的であると言われているのである。
3分割の筋トレの合理的メニュー
これまでに紹介した筋肥大のポイントを3分割の筋トレにうまく適応すると次のようになる。
ポイント
3分割の筋トレで筋肥大を最大限に引き出すには、大胸筋、広背筋、大腿四頭筋などの大筋群を高頻度で鍛えることが望ましい。
大筋群を高頻度で鍛えることで次に示すメリットを享受することができる。
大筋群を高頻度で鍛えるメリット
- 高頻度かつ高ボリュームのアプローチが可能となる
高頻度で鍛えることで低頻度で鍛えるよりもトレーニングボリュームを増大させることができる
- 高頻度で鍛えることでオーバートレーニングを防止
高頻度で鍛えれば、トレーニングあたりのセット数を少なくでき疲労の蓄積を防ぐことができる
- 高頻度で鍛えることでオーバーロードが容易になる
筋肉を増やすためにはトレーニングの度にトレーニングボリュームを増大させていく必要があるが、高頻度で鍛えればオーバーロードのプランを組みやすくなる
筋肥大に必要なトレーニングボリューム
筋肥大を誘発するのに必要となるトレーニングボリュームは個人のレベルにより多少変動するが、7~12 RMのウエイトを使用して(一般的な筋肥大トレーニングにおいて)、
大筋群(三角筋・大胸筋・三頭筋・広背筋・大腿四頭筋・ハムストリングス)の場合
各部位につき、10~20セット/週(つまり70~120レップ/週)
小筋群(二頭筋・腹筋・カーフ)の場合
各部位につき、6~12セット/週(つまり40~70レップ/週)
※2018年6月14日に一部訂正
を目安にしてセット数を決定すると良い。
3分割の筋トレ メニューの具体例
最後に、まとめとして3分割の筋トレメニューの具体例を紹介しよう。
Day 1
- ダンベルベンチプレス(大胸筋)
- デッドリフト(下半身・広背筋)
- ラットプルダウン(広背筋)
- ダンベルランジ(下半身)
- バーベルカール(上腕二頭筋)
- ライイングスカルクラッシャー(上腕三頭筋)
- バーベルシュラッグ(僧帽筋)
Day 2
- スクワット(下半身)
- ケーブルローイング(広背筋)
- ベンチプレス(大胸筋)
- レッグカール(下半身)
- ラテラルレイズ(三角筋)
- レッグエクステンション(下半身)
- プリーチャーカール(上腕二頭筋)
- ディップス(上腕三頭筋)
Day 3
- レッグプレス(下半身)
- プルアップ(広背筋)
- チェストフライ(大胸筋)
- ダンベルショルダープレス(三角筋)
- ヒップスラスト(大殿筋)
- ダンベルローイング(広背筋)
- クローズグリップベンチプレス(上腕三頭筋)
3分割の筋トレのまとめ
今回は、3分割の筋トレで筋肉量を最大限に増やすための具体的な筋トレメニューを最新の文献データに基づき紹介しました。
これまで紹介してきたように、週3回のトレーニングで筋肥大を引き出すことは十分に可能である。
筋肥大を確実に達成していくには、筋肥大を誘発するのに十分となるトレーニングボリューム(上記)を週単位で確保しつつ、各部位を高頻度で鍛えることが最重要ポイントとなる。
また、以下の記事においても筋肥大の重要ポイントを紹介しているので是非ご覧下さい。
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参考文献