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【本題】 筋肥大を増大させるにはどの サプリメント をどれだけ摂取すべきなのか
トレーニングに真剣に励むトレーニーであれば、トレーニングの効果を最大限に引き出したいと思うのが当然の事だろう。
当サイトでもサプリメントを多く紹介しているが、サプリメントの数が多すぎて一体どのサプリメントを摂取したらよいのか迷うケースが非常に多い。
ひとたびサプリメントの説明書きを読めば、筋肉増強効果、疲労回復効果、脂肪燃焼効果など、喉から手が出るほど欲しい効果が目白押しである。
そこで今回は、科学的根拠に基づき、筋肥大に最も効果のある必須サプリメントを3種厳選して紹介しよう。
その前に軽く筋肥大についておさらいしておこう。
筋肥大を成功に導く4大要素
適切なトレーニング
まず、重要なのは適切な頻度で継続的に筋トレを行うこと。
筋トレを行うことで筋繊維は損傷を受け、身体はそれを修復しようとする。
つまり、筋タンパク質合成レベルが上昇し、新たな筋肉を増やして刺激から身体を守ろうとする。
筋トレ時を正しく行うことで、トレーニングの質が向上し、その結果筋肥大の効率は向上する。
筋肥大に最適なレップ数に関する記事を是非とも参照してもらいたい。きっと役に立つはずである。
適切な栄養管理
筋肥大を建物の建設に例えるなら、筋トレは大工さんであり、栄養(食事)は建設資材である。
つまり、大工さんがいても資材が無ければ家は建たない。逆も同様で資材があっても大工さんがいなければ家は建たないのである。
つまり、栄養管理は筋トレの成果を大きく左右する重要な要素なのである。
十分な休養
筋トレにより損傷した筋肉を回復させるには十分な休息が必要である。筋トレは筋肉を増やす活動ではなく、筋肉を損傷させ、筋肉が増大するきっかけを作る活動である。
実際に筋肉が成長するのはジムを去ってからのトレーニングを行っていない時間である。
よって、十分な休息、特に十分な睡眠(7~8時間)を取ることで筋肥大を最大限に引き出すことができる。睡眠不足になりがちの場合は、その重要性を再認識し、睡眠に充てる時間の優先度を上げる努力をしてみよう。
➡<参考>【筋トレと睡眠】睡眠が筋肥大にもたらす4つのプラスの効果
サプリメント の摂取
さていよいよ本題のサプリメントの出番である。
なぜ、必須サプリメント紹介の記事なのに、サプリメントの説明が最後の最後に追いやられているのか。
それは、サプリメントは、その名の通り、サプリメント(supplement:補う:補完:補助)、つまり“不足分を補うという”位置づけであるからである。
例えば、いくら筋肉増強効果のあるサプリメントを摂取したとしても、根本的に、摂取カロリー>消費カロリーを満たす食事生活を行わなければ、筋肉量の増加は見込めない。
したがって、サプリメントは、上記の3大要素(筋トレ・栄養管理・休息)に対して正しくアプローチを行った上で、さらにエクストラ(+α)の成果が欲しい場合に、摂取するのが望ましい。
とは言ってもサプリメントが私のトレーニング生活に大きな影響を与えてくれているのは事実なので、サプリメントの力も借りながらワークアウトライフを楽しむのがベストな選択であろう。
そのことを踏まえた上で、筋肥大に最も効果のあるサプリメントを厳選して3種紹介しよう。
科学的裏付けの取れた厳選 サプリメント 3種
- ホエイプロテイン
- プレワークアウトサプリ
- クレアチン
それでは、これらのサプリメントについて順番に詳しく見ていこう。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、牛乳を主原料とするプロテインの一種であり、牛乳の主成分の約20%をこのホエイプロテインが占めている。残りの80%はカゼインプロテインと呼ばれる動物性タンパク質である。
吸収の速いホエイプロテインと吸収の遅いカゼインプロテイン
ホエイプロテインは、吸収速度が速いため、1~2時間程度で完全に吸収される。よって、筋トレ後の素早いタンパク質補給に最適なプロテインであると言える。
カゼインプロテインは、吸収速度がホエイプロテインに比べ遅く、完全に吸収されるまでに7~8時間かかるとされるため、就寝前に摂取することで、就寝中のカタボリックをある程度防ぐことができる(完全にはできないが)。
優れているのはホエイプロテインかカゼインプロテインか?
筋肥大にはホエイかカゼインか?という議論はいまだに行われているが、2016年に行われた研究報告によると、トレーニング直後の迅速な栄養補給が求められる状況においてもカゼインプロテインの有効性が示されており、ホエイプロテインとカゼインプロテインを混合して摂取するのが最も合理的としている[1]。
さらに、この主張を強めるように、“The Protein Book”の著書であるライルマクドナルド氏は、プロテインの摂取においては、ホエイプロテインとカゼインプロテインを混合して摂取することで、ホエイプロテインが持つ筋タンパク質合成効果と、カゼインプロテインが持つ筋破壊抑制効果の両方の効果を享受できるとしている。
プレワークアウトサプリ
プレワークアウトサプリメントを摂取しているだろうか。広く一般的に摂取されているプロテインパウダーに比べ、摂取者はずっと少なく、どちらかというとマイナーなサプリメントの部類に入るだろう。
その主たる理由として挙げられるのが、
- どんな成分が入っているのかわからない
- 上級のトレーニーが摂取する上級者サプリメント
といった意見が多いことによる。
しかし、今回プレワークアウトサプリメントを厳選サプリに紹介したのは、その科学的裏付けのある効果を多くの人に知ってもらうと同時に、意外に身近な存在であることを知ってもらう為である。
管理人おすすめのプレワークアウトサプリメントは別記事で紹介したのでそちらをご覧いただくとして、今回はプレワークアウトサプリに含まれる特に注目したい成分を2種類ピックアップして紹介する。
カフェインは興奮作用を持ち、集中力を高めてトレーニングのパフォーマンスを向上させる効果が期待できる。
ご存知の通り、カフェインはお茶や紅茶、そしてコーヒーに多く含まれており、コーヒーを例に挙げると、(ブラック)コーヒー100mg当たり約60mgのカフェインが含まれている。
筋持久力アップ
疲労軽減
脂肪燃焼効果
テストステロンレベルのアップ
このように、カフェインを摂取することでトレーニングのパフォーマンスの向上が期待できるのである。
2012年に行われた興味深い研究報告[2]を紹介しよう。
ラグビー選手16名を2つのグループに分け、一方のグループ(グループAとする)には体重1kg当たり4mgのカフェインを摂取させ、もう一方のグループ(グループBとする)にはプラシーボ(偽薬)を摂取させた。
さらに、グループA、グループBの選手群をそれぞれさらに2つのグループに分け、一方の選手たちを睡眠不足の状態、そしてもう一方の選手たちには十分な睡眠をとらせて彼らのトレーニングパフォーマンスを測定した。
研究結果グループB(カフェイン無)の睡眠不足の選手においてのみ、パフォーマンスの低下が見られた。
つまり、カフェインを摂取することにより睡眠不足によるパフォーマンス低下を阻止する効果が期待できることが判明した。
さらに、グループA(カフェイン有)の十分な睡眠をとった選手においてのみ、ウエイトの最大挙上重量の増加が認められた。
さらに、カフェイン摂取によりテストステロン値を高める効果があることが実験により判明している。
摂取量の目安は、体重1kg当たり4mgをトレーニング30分前に摂取するとよい。
体重80kgの私であれば、80×4=320mg程度のカフェインを摂取すればよいことになる。
私が普段使用するプレワークアウトサプリは、このゴールドスタンダードのプレワークアウトなのだが、1スクープ当たり、175mgのカフェインが配合されているため私は、2スクープ摂るようにしている。
Lシトルリンは、Lシトルリン単体でもサプリメントとして販売されているが、一般にほとんどのプレワークアウトサプリに配合されているので、プレワークアウトサプリメントを摂取しておけば必要量を摂取することができる。
シトルリンは、スイカから発見されたアミノ酸の一種であり、摂取すると腎臓でアルギニンに変換され、このアルギニンが一酸化窒素(NO)に変換される。
一酸化窒素は血管を拡張する作用があり血流を増大させる。この作用により、筋細胞にグリコーゲンやアミノ酸が運搬されやすくなることで筋量や持久力が向上し、より強いパンプ感が期待できる。
2010年の研究報告によると[3]、ベンチプレス(8セット)を出来るだけ高回数反復し、その回数を調べる実験において、シトルリン摂取により、3セット目以降全てのセットにおいて非摂取時よりも多い回数ベンチプレスを反復できることが判明した。
これにより、高ボリュームトレーニングが可能になることが実証されたのである。
クレアチン
クレアチンは肝臓や腎臓などの臓器で生成されるアミノ酸の一種である。
筋トレなどの高強度な運動において筋肉を収縮・進展させるためには、多量のエネルギーが必要となるが、この時、筋肉を爆発的に動かすエネルギー源としての役割を担っているのがアデノシン三リン酸(ATP)とよばれる化合物である。
このATPは3つのリン酸基を持つが、そのリン酸基のうちの1つが放出されるときに、ATPはアデノシン二リン酸(ADP)へと構造を変化させ、多量のエネルギーが生成される。
筋トレなどの瞬発力を要する運動においてATPが急激に枯渇した場合、筋肉中に存在するクレアチン(クレアチンリン酸として存在)は、
という化学反応を起こし、エネルギー源となるATPを瞬時に再合成することができるため持久力が持続し、結果として高ボリューム・高重量のトレーニングが長時間にわたり可能になるのである。
クレアチンの安全性は数多くの研究結果により実証されており、長期摂取においても健康を害することはないとされている。
ローディング期(約1週間):1日20 gを4回に分けて摂取する(例:朝、筋トレ前、筋トレ後、就寝前)
メンテナンス期(2~3ヶ月):筋トレ後に5 gを摂取する。
炭水化物と一緒に摂取するのが望ましい。
以上、科学的裏付けの取れた必須サプリメントを3種類紹介した。
サプリメントの基本編でのお話ししたように、サプリメントは摂取するだけでゴリマッチョになれる魔法の薬などではなく、筋肥大に重要な3大要素、筋トレ・栄養管理・休息をしっかりと行った上で摂取することによりワンランク上のレベルに引き上げてくれる補助的なものなので、まずは3大要素を軽視することなく懸命に取り組み、サプリメントの力を借りるとよいだろう。
どのサプリメントを摂取すべきかを悩んでいる人に有益な記事となることを願いつつ今日はこの辺で。
さあ、プレワークアウトサプリを摂ってワンランク上のトレーニングを目指そう!