今回は、ボディビルディングにおいてある意味、究極のトピックである ナチュラルボディビルディング で筋肉量はどこまで増やせるのか?という疑問に焦点を当ててみよう!
記事の後半では、FFMI値(マッチョ指数)を使用して、あとどのくらいの筋肉量を増やせるのかを調べる方法を紹介するのでお楽しみに!
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ナチュラルボディビルディング で増やせる筋肉の限界量は?
体重が100 kgを優に超え、血管が筋肉を駆け巡る海外(あるいは日本)のトップボディビルダー/フィジーカーを見ていると、トレーニングをがむしゃらに頑張れば自分もあのレベルまで到達できるのではないか?とつい錯覚してしまいそうになる。
もちろん志を高く持つことは良いことである。
しかし、(ステロイド等の筋肉増強剤を使用せず)ナチュラルであのレベルにまで到達できるのかと問われれば答えはNoだろう。
事実、フィットネス業界(特に海外)では、ナチュラルでないことはごく一般的なことであり、フィットネスモデルでさえナチュラルでないことが多い。
これが、いわばフィットネス業界の闇の部分でもあり、また現実でもある(ナチュラルでないことを批判しているのではありません)。
一般にナチュラルボディビルディングで増やせる筋肉量の限界は男性で18~22 kg、女性で9~12 kg程度だといわれている。
私がトレーニングを開始した約7年前は、体重63 kgで体脂肪13%程度だったので、当時の除脂肪体重は(63×0.87=)54.8 kgであった。
そして現在は、体重86 kgで体脂肪率が約14%(インボディ測定値)であることを考えると、現在の除脂肪体重はおよそ(86×0.86=)74 kgということになる。
つまり、私の場合を例に挙げるとトレーニングを行うことにより増えた正味の筋肉量はおよそ(74-54.8=)19.2 kgとなり、ナチュラルで到達できる限界に徐々に近づきつつあるようだ。
ナチュラルで増やせる筋肉の限界量の目安(個人差あり)
- 男性:18~22 kg
- 女性:9~12 kg
筋肉量増加のモデル(ナチュラルの場合)
さらに、フィットネス業界の権威であるアラン・アラゴン氏による筋肉増加のモデルを参考にすると、一般的な男性がナチュラルで筋肥大を行う場合、以下に示す速度で筋肉量を増加させることができるという[1]。
アラン・アラゴン氏による1ヶ月当たりに増やせる筋肉量
- 初心者(トレーニング継続1年以下)
体重の1~1.5%
- 中級者(トレーニー継続年数2~3年)
体重の0.5~1%
- 上級者(トレーニング継続年数4年以上)
体重の0.25~0.5%
私がトレーニングを開始した7年前であれば(体重63 kg)、1ヵ月に約0.6~1 kgのペースで筋肉量を増やしていける計算となる。
このペースで筋肉量が増えると、1年後には約7.2~12 kgの筋肉を増やせることになる。
しかし、2年目、3年目とトレーニング経験を重ねるうちに、筋肉の増加速度は次第に鈍化し、上級者ともなると1ヵ月間に増やせる筋肉量は体重の0.25~0.5%(私の場合0.2~0.4 kg)程度となり、筋肉量を増やすのが次第に難しくなる。
参考までに、上のグラフは私が筋トレを開始した月を”0“として、除脂肪体重(筋肉量)の増加量の推移のデータをプロットしたものである(生データ)。
上のグラフから読み取れるように、私の筋肉量の増加の推移は、アラン・アラゴン氏による筋肉増加のモデルに準じるように推移していることがお分かりいただけるだろう。
➡<参考>筋トレを1年間継続して増やせる 筋肉量 は何キロ?
FFMI値を使ってナチュラルで増やせる筋肉の限界量を知る
ナチュラルで自分が筋肉をまだ増やせる余地があるのかどうかは自分のFFMI値を求めることで知ることができる。
FFMI値とは、Fat Free Mass Indexの頭文字をとったもので日本語に訳せば、「除脂肪量指数」となる。
現在では、マッチョ指数という俗名でも知られるようになった。
FFMI値を求めるには以下の簡単な公式に自分の値を入力するだけで簡単に求めることができる。
除脂肪体重とは、体重から体脂肪量を差し引いた量のことで、例えば体重が70 kgで体脂肪率が15%の場合、除脂肪体重は70×(1-0.15)=59.5 kgとなる。
計算するのが面倒な人はこちらのサイトにアクセスし、体重と体脂肪率を入力するだけで簡単に除脂肪体重を求めることができるので是非活用してもらいたい(上のスクリーンショットで、aに体重を、bに体脂肪率を入力すると除脂肪体重が求められる)。
そして、今求めた除脂肪体重と自分の身長を以下の式に入力してFFMI値を求めてみよう。
そして、ナチュラルボディビルディングで到達できるFFMI値の限界値は25前後であるといわれている(研究報告より)。
これらの値は、まだこの世に筋肉増強剤(ステロイド等)が広く出回っていなかった時代に活躍していた複数のナチュラルボディビルダーから導き出された上限の平均値であり、最も高いFFMI値をたたき出した当時のナチュラルボディビルダーのFFMI値は27.3であった。
つまり、遺伝的にも恵まれ、さらに適切なトレーニングを行うことによってナチュラルで到達できる筋肉の限界量はFFMI値が25程度ということになるのである。
もちろん、非ナチュラルとなると、このFFMI値はさらに高い値となる。
このFFMI値を利用すれば、自分の現在の立ち位置を客観的に判断することができる。
FFMI値による筋肉発達レベルの指標化
筋肉の発達レベル | FFMI値 |
---|---|
一般人 | 18~19.5 |
一般的なトレーニー | 20~21 |
上級者トレーニー | 21.5~22.5 |
遺伝的にも優れたトレーニー | 23~23.5 |
(一般に)ナチュラルで到達できる限界 | 24~24.5 |
遺伝的に恵まれていれば到達できる限界 | 25~25.5 |
ナチュラルかどうか疑われるレベル | 26~ |
私も恐る恐る計算してみた
現在の私はというと、除脂肪体重73.1 kgで身長1.68 mなのでFFMI値は、
FFMI値=除脂肪体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
=73.1÷1.68÷1.68=25.89
という値となった。
つまり、筋トレ8年目にしてナチュラルで到達できる筋肉量の限界に近づきつつあるということなのだろう。
これからは少しづつこの値をさらに高めていけるように日々トレーニングを懸命に行うのみである。
ナチュラル で増やせる筋肉量の限界のまとめ
今回は、ナチュラルで到達できる筋肉量の限界にフォーカスしてみました。
フィットネス関連の雑誌を眺めていると、フィットネスモデルと自分の姿のギャップについ溜め息が出そうになってしまいますが、闘う相手は他の誰でもなく自分自身であることを再認識させられる機会となりました。
是非、自分のFFMI値を計算して、自分自身の筋肉増大の可能性を探ってみてはいかがでしょうか。
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最後まで読んでいただき有難うございました!
参考文献
[1][1]ALAN’s VAUIT