筋肥大に最適な 筋トレのタイミング は朝か夜か?

[記事公開日]2018/09/08

筋トレのタイミング

 

筋肥大を最適化するのにベストな筋トレのタイミングは朝(早朝)か?夜(夕方)か?

実のところ、この質問は読者の方々からかなり頻繁にお問い合わせ頂く質問内容なのだ。

特に、仕事の都合等で早朝にトレーニングを行う方々から、「早朝に筋トレをしても筋肥大はちゃんと起こりますか?」とのご質問をしばしば頂くのだ。

そこで、本記事ではこれまでに発表された文献データ[1~7]に基づき、早朝に筋トレをしても筋肥大は最適化できるのか?そして、筋肥大を最適化するのにベストな筋トレのタイミングは朝なのか?夜なのかを詳しく解説します。




筋トレは継続が命

筋トレのタイミング

 

まず第一に、筋トレにより筋肥大を着実に達成していく上で最重要となる要素は「筋トレを継続的に行えるようにトレーニングのスケジュールを確保すること」である。

筋トレを朝にやるべきか夜にやるべきか云々(うんぬん)の前に、まずは、早朝であろうと夕方であろうと筋トレを継続して行える時間を確保することが何より重要となる。

 

 

体温リズムとトレーニングパフォーマンスの関係

筋トレのタイミング

引用元[1]

 

我々人間の体温は、1日のうち、活発に活動を行う日中から夕方にかけて高くなり、睡眠をとる夜から早朝にかけて低くなる一定のリズムで、周期的に変動している[2]。

そして複数の研究報告[3,4]により、上記の体温リズムと同じ曲線を描くように、体温が上昇する夕方にかけてトレーニングパフォーマンスが向上することが明らかとなっている。

つまり、トレーニング効率を最適化したい場合は、体温が最も高くなる午後5時頃から午後8時頃に筋トレを行うことが合理的であると考えられるのだ。
筋トレのタイミング

では、早朝にしかトレーニングを行えない場合、トレーニング効率を最適化することはできないのか?という疑問が生まれる。

この疑問について調査した興味深い研究報告[5]がある。



筋トレは同じ時間に行うべし

筋トレのタイミング

 

先程、トレーニング効率を最適化したい場合は、夕方の時間帯に筋トレを行うことが推奨されることを紹介した。

しかし、例え何らかの理由で夕方に筋トレを行えない場合であっても、いつも決まった時間帯に筋トレを継続して行うことでトレーニングパフォーマンスを最適化できる可能性があることがアスリート選手を対象とした研究報告により明らかとなっているのだ[5]。

 

同研究では、実験に参加する被験者ら12名を2つのグループに分け、一方のグループにはトレーニングを午前に行わせ(午前グループ)、もう一方のグループにはトレーニングを午後に行わせる(午後グループ)実験を5週間にわたり継続した。

そして5週間後、両グループの被験者らに午前と午後の両方にトレーニングを行わせ、時間帯別のトレーニングパフォーマンス(疲労困憊に達するまでの時間)の差異を調べたところ、次の結果が得られた。

午前グループは、午前に行うトレーニングにおいて高いパフォーマンスが発揮され、一方、午後グループは午後に行うトレーニングにおいて高いパフォーマンスが発揮される結果となったのだ。

つまり、筋トレを行う時間帯に関わらず、いつも決まった時間に筋トレを継続して行うことで、筋肉はそのリズムに適応し、やがて我々はその時間帯で高いトレーニングパフォーマンスを発揮できるようになるのである。

 

 

同じ時間に筋トレを行うと筋肥大も最適化できるのか

 

ここまでは、「決まった時間に筋トレを行うことで、その特定の時間帯において我々は高いトレーニングパフォーマンスを発揮できるように適応できるようになる」ことを紹介した。

 

トレーニングパフォーマンスを最適化できるのは分かった。では、決まった時間に筋トレを継続して行えば、筋肥大効率も最適化することができるのか?

 

この疑問を解決してくれるいくつかの研究報告を紹介しよう。

オールアウト

 

一つ目の実験[6]では、トレーニングを早朝(7~9AM)に行うグループと、夕方(5~7PM)に行うグループの2つのグループに分けて脚のトレーニングを10週間にわたり行ってもらった。

筋トレのタイミング

 

そして10週後、各グループの大腿四頭筋の筋肉量および筋量(1 RM)の増加量を調べたところ、両グループにおいて大腿四頭筋の筋肉量および筋力が顕著に増大し、グループ間において統計学的に有意な差は認められなかったというのだ(僅かに夕方グループの方が結果は高かった)。

 

二つ目の実験では、一つ目の実験から約7年後の2016年に、上記とほぼ同一内容の実験を前回よりも長いトレーニング期間(24週間)で行った。

その結果、両グループにおいて筋肉量および筋力が有意義に増加したが、早朝グループに比べて、夕方グループにおいて筋肉量および筋力の増加量がより高い値を示したことが分かった。

 

そして、これらの研究報告をまとめると、以下の結論を導き出すことができる。

 

 

筋トレのタイミング が筋肥大に与える影響

筋トレのタイミング

 

筋肥大を目的として筋トレを行う場合、筋トレを夕方(5PM~8PM)に行うことで筋肥大効率は最も高くなると考えられるが、ある一定期間(10週間)以上、特定の時間帯に筋トレを継続して行うことで、その時間帯におけるトレーニングパフォーマンスを最適化し、筋肥大効率もある一定の範囲で最適化できると考察できる。

 

 

筋トレのタイミング のまとめ

 

今回は、ワークアウトサイエンスに頻繁に寄せられる質問のひとつ「筋トレは朝やるべきか、夜やるべきか」についての疑問にお答えしてみました。

筋肥大およびトレーニングパフォーマンスを最適化する上で押さえておくべきポイントを重要な順番でまとめておこう。

  1. 時間帯に関わらず筋トレを継続して行う
  2. パフォーマンスが最も高くなると自分が思う時間帯に筋トレを行う
  3. 同じ時間帯に筋トレを行うように心がける
  4. 夕方(5PM~8PM)に筋トレを行う

 

個人的意見としては、①「時間帯に関わらず筋トレを継続して行う」、②「パフォーマンスが最も高くなると自分が思う時間帯に筋トレを行う」ことが何よりも重要であり、③「同じ時間帯に筋トレを行うように心がける」、および④「夕方(5PM~8PM)に筋トレを行う」ことはその次に考慮すれば良いと思います。

早朝にトレーニングを行う必要のある場合でも、筋肥大は確実に達成できますのでご心配なく[5,6]。



参考文献

[1] テルモ株式会社[体温リズムと身体活動]

[2] Scales W,et al (1988) Human circadian rhythms in temperature, trace metals, and blood variables

[3] Milan.S,et al  (2009) Effect of Time‐of‐Day‐Specific Strength Training on Serum Hormone Concentrations and Isometric Strength in Men

[4] Sedliak.M,et al (2009) Effect of Time-of-Day-Specific Strength Training on Muscular Hypertrophy in Men

[5] Hill.D,et al (1998) Temporal specificity in adaptations to high-intensity exercise training

[6]  Sedliak M, et al (2009) Effect of time-of-day-specific strength training on muscular hypertrophy in men

[7] Küüsmaa M,et al (2016) Effects of morning versus evening combined strength and endurance training on physical performance, muscle hypertrophy, and serum hormone concentrations