筋肥大を最大化する 食事頻度 と食事内容における4大重要ポイント

[記事公開日]2018/06/30
[最終更新日]2018/07/08

食事頻度

 

筋肥大効率を最大化する食事の頻度と食事内容について、最近の文献データ[1~6]を基にして正しく把握しておこう。

 

今回紹介する4つの重要ポイントを押さえて食事管理を行えば、常にアナボリック状態を維持し、筋タンパク質合成を加速させ続けることができる。

それでは早速、筋肥大の食事管理におけるひとつ目の重要ポイントから見ていくことにしよう。



各食事に最低20 gの良質なタンパク質を必ず取り入れる

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これまでに発表された多くの研究報告[1~6]から導き出された「筋肥大プロセス(筋タンパク質合成)を最大化するための食事内容」に関する条件。

ズバリそれは、1回の食事につき、良質なタンパク質(約20g)を必ず配合することである。

 

このタンパク質20 gという量は10 g のEAA(Essential Amino Acids=9種の必須アミノ酸の総称)に相当する。

 

というのも、これまでの研究により、1回の食事に約3 g程度のロイシンが含まれていることで、筋タンパク質合成(筋肉の合成)の応答を効果的に高められることが分かっている[1]。

また、1回の食事につき、十分量(約3 g)のロイシンが確保できない場合、筋タンパク質合成応答を最大化出来ない可能性が示唆されている。

このロイシンにはmTORシグナル伝達を活性化させ、筋タンパク質応答を効果的に誘発する働きがある。



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高タンパク質食材で筋肥大

 

つまり、食事毎に良質なタンパク質(牛肉、鶏肉、魚類など)を20 g、あるいは10 gのEAAを取り入れることで約3 gのロイシンを確保することができるので、筋タンパク質合成応答を最大限に高めることができるのである[2]。

 

EAA

 

 

そして食事後約1時間以内に筋タンパク質合成レベルは上限値まで上昇し、その後約3時間でベースライン(元の値)にまで低下する。

したがって、約3時間毎に食事を摂ることで絶えず筋タンパク質合成レベルを高く維持し、かつ筋分解作用を効果的に抑制し、アナボリック状態を常に維持できると考えられているのである[3,4]。

 

ほうほう、なるほど。

これまでの話の流れだと、アナボリック状態を常に維持するには、約3時間置きに食事を摂取しなければならないという結論を導き出すことができそうである。

しかし、実際にはもう少しだけ現実的な要素を考慮して「筋肥大を最大化する食事の頻度」を導き出す必要がある。

 

 

タンパク質を含むバランスの取れた食事を心がける

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これまでに紹介した諸研究の報告内容は、いずれの場合も、プロテインパウダー単体を「食事」として被験者らに摂取させて得られたものである。

しかし、我々が行う食事とは、プロテインパウダー単体などではなく、タンパク質・脂質・炭水化物がバランス良く配合された「食事」である。

このようなバランスの取れた食事を摂取した場合、プロテインパウダー単体の摂取時に比べて、食物が消化器官にとどまる時間が増え(=つまり消化により多くの時間がかかり)、ゆっくりと栄養素の吸収が行われるため、通常は食後約5~6時間にわたり血中のアミノ酸濃度は高く維持される。

 

 

食事の摂り過ぎは逆効果

食事頻度

常にアナボリック状態を維持するには、常に何かを食べ続けれていれば良いのではないかと思われるかもしれない。

しかし、1日に何度も摂取し、血中アミノ酸濃度を常に高い状態に維持すると筋タンパク質合成の応答は著しく鈍化することが分かっている[5]

つまり、食事と食事の間隔は最低でも4~5時間は空けるようにし、何かをだらだらと食べ続ける行為は避けた方が賢明である。

 

 

筋肥大に最適な 食事頻度 と食事回数のまとめ

プロテイン

 

これら全ての条件を考慮して、アナボリック状態を常に維持しつつ、食事の度に筋タンパク質合成を加速させるには、1回の食事につき、最低20 gのタンパク質を必ず含めるようにし、食事と食事の間隔は4~5時間程度空けることが望ましいという見解が現在のところ広く支持されている[6]。


筋肥大を最適化する具体的食事プラン

減量期のフル食

 

今回の要点を簡潔にまとめてみよう。

筋肥大を最大化する食事頻度および食事内容の条件は、

  1. 1回の食事につき、タンパク質20gまたはEAA10gを必ず含める
  2. タンパク質・脂質・炭水化物を含むバランスの取れた食事を摂取する
  3. 食事の頻度は5~6時間間隔で
  4. 食事回数は増やしすぎない

 

食事頻度

 

これらの条件を守って食事管理を行えば、24時間にわたってアナボリック状態を維持し、筋肥大プロセスを最大限に高めることができる。

 

 

最後に

筋肉を残して体脂肪だけを落とす減量期

 

筋肉量を着実に増やしていくには、1日あたりの摂取カロリー数が消費カロリー数を上回るように食事管理(カロリー管理)を行う必要があることを忘れないでおこう。

摂取カロリー>消費カロリーとなる食事管理(大前提)に加えて、今回紹介した4つのポイントをさらに追加することで筋肥大効率は最大化することができる。

筋肥大に必要な摂取カロリーの詳しい計算方法については、以下の記事を参考にして下さい。

 

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参考文献

[1] Norton LE,et al (2009) Optimal protein intake to maximize muscle protein synthesis: examinations of optimal meal protein intake

[2] P J Atherton,et al (2012) Muscle protein synthesis in response to nutrition and exercise

[3] Dideriksen K,et al (2013) Influence of amino acids, dietary protein, and physical activity on muscle mass development in humans

[4] Philip James Atherton (2013) Is There an Optimal Time for Warfighters to Supplement with Protein?

[5] Julien Bohé,et al (2001) Latency and duration of stimulation of human muscle protein synthesis during continuous infusion of amino acids

[6] Layman DK (2004) Protein quantity and quality at levels above the RDA improves adult weight loss.