ブリッジとレッグドライブを駆使してベンチプレスのMAX記録を更新しよう!
ベンチプレスで高重量を扱うには、正しいフォームを身に着けることが何よりも大切である。
正しいフォームでベンチプレスを行わないと適切に大胸筋に刺激が伝わらないだけでなく、肩や関節を痛めてしまうといったアクシデントも起こり得るからである。
コンテンツ
ベンチプレスにおけるブリッジと レッグドライブ の効果とは?
パワーリフティング等の競技で見かけることの多いブリッジを組んで行うベンチプレス。
ベンチプレスでダイレクトに大胸筋に効かせるには肩の関与を最小限に抑えて動作を行う必要がある。
肩の関与を最小限に抑えるには、両側の肩甲骨をしっかりと寄せて肩の関節を固定した上でベンチプレスを行わなければならないため、ブリッジを組む必要が出てくるのである。
ブリッジを組んでベンチ台と背中の間に空洞を作らなければ肩甲骨は寄せられない。
また、ベンチプレスでバーを挙上させる際、踏ん張る力を両足から地面にしっかりと伝えることで体全体を安定させることができ、高重量のバーベルを挙上出来るようになる。
これがレッグドライブ(後ほど詳しく解説)である。
MAX重量を更新するためのベンチプレスの5手順
これからMAX重量を更新するために必要なベンチプレスの手順を紹介しよう。手順は大きく分けて5つある。
- 胸を張り肩甲骨をベンチに固定する(押し付ける)
- 両足の位置を決める
- ブリッジを作る
- レッグドライブを駆動する
- 正しい軌道でバーを挙上させる
1.胸を張り肩甲骨をベンチに固定する(押し付ける)
ひとつ目のポイントは肩甲骨をベンチ台にしっかりと押し付けるようにして固定することである。
写真のように、胸をしっかりと張って肩甲骨を引き寄せた状態でベンチ台に上背部(僧帽筋あたり)を強く押し付けるようにしてしっかりと固定させる。
2&3.両足の位置を決める
両足を置く位置を決める際は、”体全体(全身)をいかに安定して固定できるか”をポイントにして決定する。
通常は、身長、ベンチの高さ、自分の好みの3つのポイントを加味して両足を置く位置を決定するが、ここでは基本となる両足の置き方を3種類紹介する。
1.つま先をやや外側に向けて足裏は着地させる
2.つま先を横に広げて足裏は着地させる
3.両足を近づけてつま先だけで着地する
これらの3つのポジショニングから、両足をしっかりと接地させて踏ん張ることができ、ベンチプレスの動作の終始、体全体を安定させられるポジショニングを選択するとよい。
私のように身長が低く脚が短い場合、足裏全体を無理に接地しようとするとかえって体を安定させることが難しくなるので、つま先だけで設置するポジショニングが地面をしっかりと捉え体全体を安定させやすい。
逆に身長が高く脚が長い場合は、つま先を外側に広げて両足の幅を広めにとることで安定度を増すことができる。
この時点で上の写真のようにすでにブリッジが組めているはずである。
レッグドライブを駆使するにはブリッジの形成が必要不可欠なので、ブリッジがうまく組めているか確認してから次のステップに進んでいただきたい。
4.レッグドライブ を駆動する
レッグドライブを駆使するには、両足を使って強く踏ん張らなければならない。
具体的な両足の踏ん張り方としては、両足を地面にしっかりと押し付ける方向と、レッグプレスを行う要領で両足を前方に蹴り出すような力の2方向に力を加えるようにするのがポイントである(上写真の2つの矢印の方向)。
つま先を前にスライドさせるように力を加えると表現した方が分かりやすいかもしれない。
両足に上手く力を伝えることができていれば、体には矢印の方向にスライドするような力が働くはずである。
この、体全体が矢印の方向にスライドしようとする力をバーベルを挙上させる上方向の力に変換して利用するのがレッグドライブである。
上背部は固定されているので、レッグドライブにより体がスライドする力はより高いブリッジを作り上げる力へと変換される。
このブリッジを高くする力は最終的に、バーを大胸筋下部から頭上方向へと持ち上げる力に変換され、結果として通常よりも高重量のウエイトを持ち上げることができるようになるのである。
呼吸の仕方について
バーを挙上させるときは、息を止め爆発的な力を生みだす。そしてトップポジションからボトムポジションに移行する直前に大きく息を吸い込む。
5.正しい軌道でバーを挙上させる
レッグドライブを正しく駆動させるにはバーを挙上させる軌道にもポイントがある。
ポイントは、バーの挙上を開始すると同時にバーの位置を肩の真上にできるだけ素早く移動させ、上の写真のような軌道を描くようにバーを挙上させることである。
こうすることで肩関節とバーの水平距離を最小限に抑えることができ、結果として力のモーメントを小さく取ることが出来るので最小限の力でバーを挙上させることができるようになる。
腕をまっすぐに保ったまま、バーを2本の赤線上の範囲で移動させてみてほしい。すると、バーがちょうどに黄色の線上(つまり肩の真上)に来たところでバーが最も軽く感じられるはずである。
高重量を勢い良く挙上させるためには、(黄色の軌道のように)ボトムポジション(大胸筋下部:乳首とみぞおちの間)から、黄色い線上まで出来るだけ素早くバーを移動させてバーを挙上させることがポイントとなる。
レッグドライブを正しく駆動させれば、バーをその軌道に素早く移動させるための力が生み出されるので、うまくいくはずである。
レッグドライブ&ブリッジのまとめ:練習は必要不可欠
今回紹介したブリッジとレッグドライブを習得するにはある一定の練習量が必要になります。
両足への力の入れ方やバーの軌道、そしてタイミング等をひとつずつ確認しながら習得していけば必ずコツはつかめるはずである。
また今回の記事は、ベンチプレスの経験が既にあり、かつMAX重量が伸び悩んでいるトレーニーを対象として紹介しています。またスポッタ(補助者)を付けるなどして安全に十分配慮した上でチャレンジしてみてください。
➡<おすすめ記事>大胸筋を科学的アプローチで徹底的に鍛え上げるトレーニング種目