そんな経験はないだろうか。
そんな時に使える、食べ過ぎて増加してしまった体脂肪量を計算する方法を紹介しよう。
この計算により、食べ過ぎてしまった場合にどのくらい体脂肪が増えてしまうのかを知ることができる。
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疑問 食べ過ぎたら一体どれくらいの 体脂肪 が蓄積するのか
この疑問に対する答えを導くために必要となる3つのポイントをまずは押さえておこう。
その1.体脂肪率が増加するにつれ 体脂肪 はさらに蓄積しやすくなる
研究報告[1]によると、体脂肪率が極端に高い肥満体質の場合、脂肪細胞の数は非肥満体質の人に比べ、最大で4倍多く、さらに脂肪細胞のひとつひとつが蓄えることのできる中性脂肪量も非肥満体質の場合に比べ、2倍多くなることが分かっている。
その2.カロリー余剰分は1日で 体脂肪 として蓄積される
総消費カロリー(メンテナンスカロリー)の1.5倍ものカロリーの食事を被験者に摂らせ、翌日の体脂肪蓄積量を測定した研究報告[2]がある。
その報告によると、過剰分のエネルギーを脂肪で摂取するか、あるいは炭水化物で摂取するかによって、過剰分のエネルギーが体脂肪として蓄積される割合が異なることが分かった。
過剰分のカロリーを脂肪で摂取した場合
過剰分のカロリーを炭水化物で摂取した場合
これらの結果により、次のポイントを導くことができる。
➡これは、炭水化物が体脂肪に変換されるプロセスが、脂肪を蓄積する主要プロセスではないからだと考えられる。
その3.カロリーの過剰摂取が習慣化すると体脂肪が蓄積しやすい体質になる
- 脂肪➡ いつ食べても体脂肪として蓄積されやすい。
- 炭水化物➡ 炭水化物を過剰に食べる習慣が継続的に続くと、体脂肪として蓄積される炭水化物の割合は増加する。
先ほど、過剰分のカロリーを脂肪から摂取した場合、その過剰カロリー数の60%が体脂肪として蓄積されることを紹介した。
そして、カロリーの過剰摂取を2週間継続した場合においても、この吸収率60%の値には大きな変化はなかった。
しかし、過剰分のカロリーを炭水化物から摂取する習慣を2週間継続した場合、2週間後には過剰カロリー数の約50%が体脂肪として蓄積されたことが分かったのだ。
➡つまり、食物の過剰摂取を継続した場合、体脂肪を蓄積できる容量が増え始めるのだ。
その1で紹介したように、“体脂肪率が増加するにつれ体脂肪は蓄積しやすくなる”という事実と辻褄が合う。
それでは上記の事実を踏まえた上で、食べ過ぎで蓄積される体脂肪量を実際に計算してみよう。
食べ過ぎ蓄積される体脂肪量の計算方法
私の場合を例に挙げて、1日で蓄積される体脂肪量を計算してみよう。
私の1日当たりのメンテナンスカロリー(=体重が増えも減りもしないカロリー)は、これまでの経験からおよそ3100 kcal。
友人たちとピザパーティーを開き、1日で合計4600 kcal摂取したとしよう(難なく達成できるカロリー数)。
ピザは脂肪と炭水化物を多く含むので、非常に太りやすい食品の代表例である。
トッピングにより差はあるが、1ピース200 kcalは容易に超えてくる。
楽しいパーティーでは7ピースくらい楽に平らげることができる。
さあ、ここまでの状況を分かりやすくまとめてみよう。
- 私のメンテナンスカロリー数は3100kcal
- 通常の食事+ピザで合計4600 kcalを摂取(消費カロリー数のおよそ1.5倍)
- ピザで摂取する過剰カロリー1500 kcalの構成比を単純化して、50%:炭水化物、50%:脂肪とする
➡つまり 過剰摂取→炭水化物:750 kcal 脂肪:750kcal
「その2.カロリー余剰分は1日で 体脂肪 として蓄積される」の項目を参考にすると、過剰に摂取した炭水化物および脂肪は次のような割合で体脂肪として変換されることになる。
まとめ:ドカ食いを習慣すると、体脂肪はみるみる蓄積する
時たまのパーティーであれば、73 g程度の体脂肪の増加など深刻に考える必要は全くない。
しかし、問題となるのは増量期だからといってドカ食いを習慣化し、メンテナンスカロリーを大きく超えるカロリー数を継続的に摂取してしまう場合である。
したがって、体重の増減を日々追跡し、体重が異常な速度で増加していないかを常に気にしながら食事管理を行うことを習慣とし、低体脂肪率を維持しながら筋肥大を達成することが大切となる。
体脂肪量の増加を可視化すれば食べ過ぎは防げる
今回の計算方法により、食べ過ぎたらどのくらいの体脂肪が増加するのかを知ることができるようになった。
これにより、食べ過ぎは自ずと防げるはずである。
これからはカロリー計算がもっと楽しくなるかもしれない。
出来るだけ太らないように増量を行うにはリーンバルクを行ってみよう!
参考文献
[1] Kevin D. Hall, et al (2012) Energy balance and its components: implications for body weight regulation [2] Horton TJ, et al (1995) Fat and carbohydrate overfeeding in humans: different effects on energy storage.