“筋トレ”と“タンパク質”は切っても切り離せない関係であるのは皆さんご存知の通りである。
筋トレで確実に成果を上げていくには、“食事管理”にもしっかりと注意を払う必要があるのもすでにご承知だろう。
その食事管理において、特に重要なカギを握っているのがそう、タンパク質(プロテイン)である。
トレーニーであれば1日当たりのタンパク質の摂取目安量は体重(kg)×2gと言われる。
そこで今回は、筋肥大を目的としてトレーニングを行う場合、実際のところ何グラムのタンパク質を1日当たりに摂取すべきなのかを、科学的観点から考えてみよう。
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【疑問】プロテイン( タンパク質 )は1日に何グラム摂取すべきか
複数の研究報告[1]が示す、筋肥大を目的とした場合の理想タンパク質摂取量は、
という結果になった。
各研究報告では、筋肥大を目的とした場合の理想的なタンパク質の摂取量を厳密に求めるのは極めて困難であると結論付けて締めくくられている。
というのも、理想的なタンパク質の摂取量は、トレーニング強度、生活リズム、トレーニング頻度などの様々な要因によって大きく左右されるためである。
1日に必要な タンパク質 摂取量を決定づける主要因
- トレーニング強度および頻度
- 身体組成(体脂肪量および筋肉量)
- タンパク質摂取のタイミング
- ストレスの有無
- 1日当たりの摂取カロリー数
これらの各要因により、筋肥大に必要なタンパク質の量を厳密に設定するのが困難となるのである。
これらの諸事情を考慮すると以下の結論にたどり着く。
筋肥大に理想的な タンパク質 量
この“体重(kg)×2g”のタンパク質量が1日に当たりに“最低限”摂取しておきたいタンパク質量となる。
さらに、上記の「1日に必要なタンパク質摂取量を決定づける要因」のいずれかの項目に自身が該当する場合は、適宜、摂取するタンパク質を増やすように心がけると良い。
減量時はより多くの タンパク質 を摂取した方が良い
特に、減量時(消費カロリー数>摂取カロリー数)には、通常よりも多くのタンパク質を摂取しないとカタボリックに陥ることが研究により分かっているため、体重(kg)×2~3g程度のタンパク質は最低限摂取すべきである。
トレーニング上級者は多くの タンパク質 を摂取した方が良い
トレーニング上級者になればなるほど、トレーニング強度およびボリュームが増大する傾向にあり、体内で消費されるタンパク質量も増大するため、通常よりも多くのタンパク質(2~3g/体重1kg当たり)を摂取するように心がけるべきである。
心配性の方は、体重(kg)×3gのタンパク質を摂取しておけばタンパク質量に関して何も心配する必要はないだろう。
十分なタンパク質を摂取できているかどうかで悩んでしまうと、それがストレスの原因となりストレスホルモン“コルチゾール”が多量に分泌され、筋肥大に悪影響を及ぼしてしまう。
ストレスを貯めずにタンパク質をしっかりと確保して楽しい筋トレライフを送ろう!
参考文献
[1] Phillips SM. Protein requirements and supplementation in strength sports. Nutrition. 2004 Jul-Aug;20(7-8):689-95. Review.