ダークチョコレート、リンゴ(の皮)、緑茶、ココアパウダー、ぶどう(の皮)。
これらの食品が筋肥大を加速させる可能性があることが諸研究により明らかとなってきた。
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カテキンの仲間:エピカテキンとは
エピカテキンの効果
エピカテキンを摂取することにより、以下に示す健康増進効果が期待できる。
エピカテキンの効果
- 抗酸化作用
- 脳の若返り
- 動脈硬化の予防
- 高血圧の予防
- 抗がん作用
- 認知症予防
➡このように、エピカテキンを積極的に摂取することで、筋肥大の促進効果だけでなく日々の生活を豊かにする幅広い健康増進効果が期待できるのである。
エピカテキン が持つ筋肥大における2つの大きな効果
その1 ミオスタチン の分泌を抑える
ミオスタチンとは、骨格筋細胞の発達(増殖)を抑制するタンパク質の一種であり、このミオスタチンが多く分泌されると筋肉の成長が抑制されてしまうのである。
事実、生まれつきミオスタチンが欠如した動物や人間は「ミオスタチン関連筋肉肥大」とよばれる特異体質を持ち、上写真のように筋肉が異常に発達した状態となる。
その2 フォリスタチンの分泌を促進する
フォリスタチンとは、ミオスタチンに結合してミオスタチンを不活性状態にするタンパク質の一種である。
エピカテキンは ミオスタチン の分泌を抑制、フォリスタチンの分泌を促進する可能性
2014年に行われた研究[1]によると、1日当たり150 mgのエピカテキンを被験者に一定期間摂取させたところ、ミオスタチンの分泌が16.6%抑制され、さらにフォリスタチンの分泌が49.2%増えたという。
このように、エピカテキンを日常的に摂取することで、筋肉の成長を抑制するミオスタチンの分泌を抑え、さらにミオスタチンの働きを抑制するフォリスタチンの分泌を促進できる可能性があるのだ。
エピカテキンを多く含む食材の代表:ダークチョコレート
エピカテキンを多く含むダークチョコレートを例に挙げてみよう。
ダークチョコレートに含まれる“純ココア”にエピカテキンが多く含まれているため、ダークチョコレートを選ぶ際は、ココアの含有量が高い“ココア85%”やそれ以上のものを選択するようにする。
1日当たりのエピカテキン理想摂取量
1日あたり150 mg程度のエピカテキンを目安に摂取すると良い。
例えば、ココア含有量85%のダークチョコレート60 gには1日あたりのエピカテキン理想摂取量の150 mgが含まれている。
つまり、明治 チョコレート効果カカオ95%を1日に60 g程度摂取すれば上記推奨量のエピカテキンを摂取できることになる。
カロリー数に換算すれば約360 kcal(/60 g)である。
したがって、減量期間中には上記量のチョコレートを摂取するのはあまり現実的ではないが増量期間中であれば十分に可能である(無理に上記量を摂取する必要はなく、筋肥大効果が期待できるおやつとして捉えるのが良い)。
ダークチョコレートの他の効果
ダークチョコレートには筋肥大を加速させる可能性があるだけでなく、先に述べた健康効果(抗酸化作用、動脈硬化の予防、高血圧の予防、抗がん作用、脳の若返り、認知症予防)も期待できるので、ポテトチップスやその他のジャンクフードを食べるくらいならダークチョコレートを選択するのが健康面、筋肥大の観点からは最良の選択だろう。
現在のところ、150 mgを下回る量のエピカテキンを継続摂取した場合に、上記で説明した効果が同様に得られるかを調査した研究報告はなされていないが、緑茶やダークチョコレートを日常的に摂取することは、筋肥大を加速させる可能性だけでなく、健康効果を促進する良い習慣でもあるので、是非検討してみてはいかがだろうか。
参考文献
[1] David L. Katz, et al (2011) Cocoa and Chocolate in Human Health and Disease