こんにちは。ワークアウトサイエンスです。
NO系プレワークアウトサプリにも配合されることのあるベタインを摂取して筋肉量増大と脂肪燃焼の両方を加速させよう。
プレワークアウトサプリを特集した前回記事でもベタインについて軽く触れたが、今回はベタインの筋肥大および脂肪燃焼への効果にグッとフォーカスしてみよう。
そしてベタインの効果を存分に受けられるトレーニーの特徴についても言及しよう。
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ベタイン とは
ベタインは、テンサイ(ビート)と呼ばれる野菜から発見されたアミノ酸で、別名トリメチルグリシン(TMG)とも呼ばれる。エビなどの甲殻類や、小麦などのイネ科類にも多く含まれ、我々の体内でも生成される。
そして、このベタインが筋肥大トレーニングに大きな効果をもたらすことが諸研究により明らかとなっている。
以下にベタインが持つ筋肥大への効果ををまとめてみる。
ベタインの効果
- アナボリックホルモンの分泌促進
- 筋力・パワーの向上
- 筋肉量の増大(筋肥大)
- トレーニングボリュームの増大
- 筋肥大と脂肪燃焼の効率化
これらの効果を順番に見ていくことにしよう!
アナボリックホルモンの分泌促進
2017年に報告された研究報告[1]によれば、ベタインを1日当たり2.5 g摂取させ、ウエイトトレーニングを9週間にわたり被験者らに行わせたところ、ベタイン非摂取の被験者らに比べてアナボリックホルモン( 成長ホルモンおよびインスリン様成長因子1:IGF-1)の分泌が顕著に増大することが分かった。
また同報告によると、ベタインの摂取によりストレスホルモンであるコルチゾールの分泌量が抑制されることも分かったという。
筋力・パワーの向上
18~35歳のトレーニング経験者23名に1日当たり2.5gのベタインを摂取させ、ベンチプレス、スクワット、トライセプスエクステンションなどの種目で構成されるウエイトトレーニングを6週にわたり行わせたところ、ベタイン非摂取の被験者らと比較して、ベンチプレスのボリューム(つまりレップ数)が顕著に増加したという。
また、ベタイン摂取者の上腕サイズの増加率が9%だったのに対してベタイン非摂取者においては顕著なサイズアップは認められなかった(研究報告[2])。
しかし、ここで押さえておくべき重要なポイントがある。
それはトレーニングが高ボリュームおよび高強度になればなるほど、ベタイン摂取によるレップ数および筋量増加の効果がより顕著になるということである。
同研究では、インターバルおよびレップ数の違いによるベタインの効果の差異についても調査を行い以下のことが判明した。
ベタインを摂取した場合
- 低レップトレーニング(4~6RM)よりも高レップトレーニング(12~15RM)でより顕著なレップ数および筋肉量の増加
- 長いインターバル(3分)よりも短いインターバル(90秒)で行うトレーニングでより顕著なレップ数および筋肉量の増加
➡つまり、ベタインの摂取によるレップ数および筋肉量増大の恩恵を受けられるのは、高レップおよび短いインターバルでトレーニングを行うトレーニーであると言い換えることができる。
ベタインは体感できるサプリメント
私は現在、自作のワークアウトサプリを(後日内容を公開します)摂取していて、その中に(1回のワークアウトにつき2.5gの)ベタインを配合してトレーニング前に摂取している。ちなみにバルクスポーツのベタインを使っている。
ベタインはその効果を実感できる数少ないサプリメントで、私の場合、高レップ(12~15 RM)で行う際にレップ数の伸びを実感している。
特にレストポーズを取り入れてトレーニングを行う際、ベタインを摂取する前は15秒程度はインターバルを確保しなければならかったのがベタインを摂取してからは5~10秒以内の短いインターバルでウエイト挙上を再開できるようになった。
さらにベタイン摂取による効果は、筋肉量増大および筋力アップだけにとどまらない。
実はトレーニング経験を豊富に積んだアスリート選手たちを対象とした調査においても、ベタインの摂取が「筋肥大と体脂肪燃焼の両立」を大きく手助けする効果があることが研究により分かっているのだ。
筋肥大と脂肪燃焼の効率化
ベタインの摂取により、筋肥大と体脂肪燃焼の両立の効率をアップできることが研究により明らかとなっている。
冒頭でも紹介したが、ベタインの摂取によりIGF-1をはじめとするアナボリックホルモンの分泌が促進し、またインスリンの感受性も高まることが分かっている[3]。
さらにベタインには、インスリンの効きを妨げたり脳梗塞などの危険因子となるホモシステインの処理を手助けをする働きがあり、これらの作用が組み合わさることによりアナボリックホルモンの働きを活発化させ、筋タンパク質合成を促すことができると考えられる。
前回記事<筋肥大と脂肪燃焼を両立するための3つの具体的方法>において、体脂肪率が15%を超えれていれば緩やかな速度ではあるが、筋肉量の増大(筋肥大)と体脂肪燃焼の両立が可能であることを紹介した。
このように、筋肥大と体脂肪燃焼の両立が可能となる食事管理(カロリー制限)の下でベタインを合わせて摂取すれば、下のグラフが示すように筋肉量の増大と体脂肪の燃焼を効率的に両立できると考えられる[3]。
上のグラフから分かるように、ベタインを摂取した被験者らにおいて、体脂肪率が3%減少(体脂肪量が19%減少)し、筋肉量が2%増加した。
一方、ベタイン非摂取の被験者らにおいては、体脂肪率に変化はなく(体脂肪量が2%増加)、筋肉量についても顕著な増加は認められない結果となった。
この研究結果からも分かるようにベタインには筋肉量の増大と体脂肪燃焼を効率的に行う手助けをする効果が認められるのである。
ベタインの摂取量
ベタインの1日あたりの摂取量は2~2.5 gを目安とする。摂取のタイミングは特に定められていないが、空腹時はできるだけ避けて食事と一緒に摂取するのが良い。
ベタイン サプリメントのまとめ
今回紹介した複数の研究報告から導き出せる結論は、ベタインを摂取することにより、
- アナボリックホルモンの分泌促進
- ストレスホルモンの抑制
- 筋力・パワーの向上
- 筋肉量の増大(筋肥大)
- トレーニングボリュームの増大
- 筋肥大と脂肪燃焼の効率化
といった効果を期待することができるということである。
特に、ボディメイキングや筋肥大を主たる目的としてトレーニングを行うトレーニーは、高レップトレーニングを行う場合が多いので、ベタイン摂取により有益な効果を享受できるはずである。
科学的裏付けのとれたサプリメント、ベタインの摂取を検討してみてはいかがだろうか。
参考文献
[1] Hudson, et al (2017) 2.5g/d Betaine Double Fat Loss, Improve Lean Mass Gains | Citrulline & Glutathione Lack Effect on Body Composition. [2] Jason M Cholewa, et al (2013) Effects of betaine on body composition, performance, and homocysteine thiolactone [3] Jakubowski H, et al (2008) The pathophysiological hypothesis of homocysteine thiolactone-mediated vascular disease. J Physiol Pharmacol