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Question:筋肥大を最大化するためには、同一部位を週に何回鍛えるのが最も効率的なのか?
トレーニングを真剣に行っているトレーニーであれば、少しでも早く、少しでも効率的に、そして、少しでも多くの筋肉を手に入れたいと思うだろう。
私もそのうちの一人である。
とは言っても一定期間に増やすことのできる筋肉量には限界がある。
例えば、上腕二頭筋を極太にしたいからといって上腕二頭筋を毎日トレーニングすれば良いのかというとそんなことはない。
筋トレで筋肉を大きく発達させるにはバランスが重要
効率的に筋肥大を増大させるには、
- 筋トレ
- 栄養管理
- 休息
の3つの要素のバランスをうまく保ちながら、それぞれの要素に対して適切にアプローチをしていかなければならない。
これら3要素のバランスが崩れ、休息(この場合、筋トレOFF日)を疎かにすると、損傷を受けた筋肉を完全に回復させることができず、筋肥大の機会を逃すとともに、疲労が蓄積し、結果的に、怪我を起こしやすくなったり、慢性的に疲労を感じるようになり普段の生活に支障をきたすようになる。
いわゆるオーバートレーニングと呼ばれる症状である。
トレーニングに焦りは禁物なのである。筋肉量増加速度には限界がある。
一方、休息(筋トレOFF日)を取り過ぎると、身体は完全に回復し次のセッション(筋トレ)への準備が万端であるのにも関わらずトレーニングを行っていないということになる。
その結果、筋肥大の成果が現れるまでにより長くの時間を要し、筋肥大の成果を感じることができず、トレーニングに対するモチベーションが下がり、最終的に筋トレを辞めてしまうということも十分にあり得る。
そこで今回は、これまでに発表された研究結果を基にし、科学的見地から最短かつ最効率的に最大量の筋肉を手に入れるためのトレーニングの頻度を紹介しよう!
これで、トレーニングのパフォーマンスを最大限に発揮させ、筋肥大を最大限に加速させることができるはずだ。
筋肥大が起こる仕組み
筋トレによりターゲット部位に強い刺激が加えられると、筋繊維が損傷する。
すると身体は損傷した筋繊維を修復させるプロセス“筋タンパク質合成(筋肥大)”を開始し、筋肉を以前よりも太くそして大きく成長させる。
筋肉を大きく成長させる筋タンパク質合成
筋トレ終了後約4時間は、筋タンパク質合成レベルが安静時(筋トレを全く行っていない状態)のおよそ1.5倍まで上昇する。
さらに、筋トレ終了後約24時間は、筋タンパク質合成レベルは安静時のおよそ2倍にまで上昇する。
そして、筋トレ終了36時間が経過すると、筋タンパク質合成レベルは安静時の1.14倍にまで下がる。
➡つまり、筋トレ終了後から36時間(1.5日)経過すれば、鍛えた部位の筋タンパク質合成レベルはほぼ安静時のレベルにまで低下し、筋肥大プロセスはほぼ終了していることになる[1]。
これらの事実をまとめると、以下のポイントを導き出すことができる。
ここでは一例として、4分割でトレーニング(1回のトレーニングあたり2部位を鍛える)を行う場合において筋タンパク質合成レベルを高く維持するトレーニングサイクルの一例を紹介する。
4分割でトレーニングを行う場合、同一部位を3日おきに鍛えることで、各筋肉部位の筋タンパク質合成レベルを可能な限り高く維持し続け、筋タンパク質合成を加速させることができる。
トレーニングの分割方法については筋トレの5つの 分割方法 |筋肥大を引き出すスプリット方法のページを参照してもらいたい。
筋肥大を加速させるお勧めトレーニングサイクル
したがって筋肥大を最大限に引き出したいのなら以下のようなトレーニングプランを組むと良い。
月曜日:大胸筋+上腕三頭筋
火曜日:三角筋+上腕二頭筋
水曜日:広背筋+僧帽筋
木曜日:脚+カーフ
金曜日:大胸筋+上腕三頭筋
土曜日:広背筋+(僧帽筋)+上腕二頭筋
日曜日:オフ
このメニューにより各筋肉部位を週に2回鍛えることができる。
上記のメニューを見てもらえると、三角筋のトレーニング日が1日しかないが、私の場合、三角筋が他の部位に比べて発達しているので、三角筋のトレーニングは週に1回となっている。
弱点となる部位は高頻度(週2)で優先的に鍛えるようにすると良い。
筋トレ後36時間が経過しても筋肉痛が残ることがある。
その場合、筋トレを行っても良いのかという疑問については筋肉痛が残っていても筋トレしても良いのか【科学的見地】のページをご覧いただけると良い。
やるからにはとことん筋トレに注力してみよう!
見えなかったものが必ず見えてくるはずだ。
参考文献
[1] Alexander C. Boivin (2016). The Effects of Resistance Training Frequency On Muscle Hypertrophy And Strength In Healthy Trained Individuals: Literature ReviewUniversity of Central Florid